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管理職のジレンマ
サブコンさんの工事部門責任者である工事部長の役職をお持ちの方によくお話を聞く機会があります。工事部長さんから出てくるお悩みの一つに、4~5人の現場担当者をまとめている工事課長あるいはグループ長という立場の人が自分自身も現場を受け持っている、
つまりプレーヤーになっているため、部下の管理ができていないということです。
本来であれば、工事課長は複数の現場を定期的に見て回り、工程通り進捗しているか、実行予算内で支払いは推移しているか、安全管理は問題ないか、ゼネコンの所長や担当者とうまくコミュニケーションが取れているかなど、部下の現場管理状況を把握することが
仕事のはず。ところが、自分も会社の中核として現場を受け持ち、工事高を上げなければ
会社の利益もままならなくなる。自分の現場で精一杯で部下の管理まで手が回らない。
つまり、ここのところがどんな会社であれ職種であれ、管理職のジレンマであり会社組織上のジレンマであることは誰しも感じている悩みではないでしょうか。。
一人ひとりの現場担当者の能力
確かに工事課長がプレーヤーとして頑張ってる状況は、会社の方針上あるいは組織編制上
やむを得ないと思います。その工事課長が少ない時間で各現場担当者の管理ができるためには、個々の担当者が各々の現場を問題なく管理してもらえればいいということですが、
なかなかそうはうまくいかないところが悩ましい。
ある現場ではゼネコンの所長から今の担当者一人では管理できてないから人を増やしてほしい、こっちの現場では変更が多くて追加工事の金額を決めてもらわなければ職人を手配できないと協力会社から連絡が入った、あっちでは職人がケガをしたのでどうすればいいか気が動転して助けてほしいなどの事例が日常茶飯事に起こる。
これでは、工事課長がプレーヤーでなくても、各現場をはしごして走り回らなければならなくなります。
もう一つの課題は、各現場担当者の能力や仕事への取り組み方の優劣があり、それらが劣っている社員をどう成長させるかということです。
グループとしての一体感を育てるには
プレーヤーの工事課長と一人現場で悩んでいる担当者たちがどうやってチームとして一体感を持ち、各現場が問題なく順調に進むためにはどうすればいいのか。
それは、工事課長をリーダーとしたチームとして横の連携や情報交換、コミュニケーションの場を作るということです。
ただでさえ、現場に問題が山積し毎日忙しくて猫の手も借りたい状況で、「コミュニケーションの場作り?そんな時間なんて無いよ!」と思われるかも知れません。
しかし、現状を変えるには、何かを始めなければならない。そのためにはそのコミュニケーションの場作りを計画的に進めてみましょう。
課題を設定し、方針を決める
工事部会は月1回はやっているが、今までグループ会議をやっていなかったという課長さんがいたら、まず課長さん主催のグループ会議をやってみることをおススメします。
工事部会はどちらかというと部長からの報告に留まり、部員からの意見や情報交換などは積極的に出てこない傾向にあります。この報告会だけの工事部会はメールにとどめ、工事課長グループ会を充実した内容で実施するのです。
この会議の主旨は、そのグループが抱えている課題や問題点を洗い出し、その中から一つ大きな題目としての課題を設定し、それに対してグループのみんな一人ひとりが主体的に、
自分の現場に則した方針や行動目標を作るというものです。
この「主体的に会議を行う」ということが、グループの一人ひとりに気づきや当事者意識を芽生えさせるキッカケづくりになるのです。
そうなればしめたのので、今までは「会議なんて、現場が忙しいのに出たくない」と言っていた担当者も、現場がだんだんといい状況に変わっていくと実感が沸けば、進んで参加するようになるでしょう。そういう場を設けることで、上司部下間の本当の意味でのコミュニケーションが新たに生まれるということです。
まとめ
工事課長が一プレーヤーという状況はどうしても陥りやすいことだと思います。だからといって課長が部下のマネジメントを疎かにしていいということではありません。
プレーイングマネージャーとしての今の立場を活かしつつ、部下たちとコミュニケーションを図るには、そういう場を作り、主体的にみんなで共有し、議論し、グループの成長のためには自分たちは何をするべきかを考える、このサイクルを回すことで少しずついい方向へ向かっていけることでしょう。
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