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新入社員が理解すべき工程管理のポイントとは?
どんな業界、どんな職種、どんな役職であれ、時間の制限にしばられない仕事というのは、あまり多くはないと思います。自由業というイメージの作家でも締め切りはあるし、政治家でも選挙投票日は決まっていてそれに向けての活動はやはり時間の制限がありますね。
その時間に制限がある我々の仕事ですが、一般の会社の事務や営業、総務といった部署と、建築現場の時間に対する考え方は少し違います。
新入社員研修における工程管理について、大きく3つのポイントで、お話しています。
建築工程ありき、しかし
まず工事には大前提として、工期というというものがあります。これは余程のことがない限り変更はありません。その工期に向けて、建築工程が組まれます。設備工事主体の改修工事を除けば、大方、建築工程が出来た後に設備、電気工事の工程を作ります。
そこで、自分たちの会社の仕事(工事)は、建築工事の工程に大きく左右され、建築工事の進捗如何で進んだり、遅れたり、あるいは中断したり、ということが起こりうるということを新入社員に知ってもらいます。
この予備知識がないまま現場に配属されると、常に自分たちの工事が建築工程に振り回され、受け身の状態で工程を進めなければならないという感覚になって、主体的ではない
管理の仕方が身についてしまいます。
では、工程管理する上で事前に考えておかなければならないポイントは何か?
建築工程が出来た段階で、自分たちの設備工事がこの工程の中で適正な人工数で工事が進むかという検証をして、問題があれば建築に調整を申し入れるということです。
この考え方がないと、建築の都合通り工程が進み、設備工事の工程がひっ迫し、品質も下げ、設備の社員が疲弊することになります。
このようなことが起こらないよう、建築に対してなるべく早い段階で設備工事の工程の主張をし、建築、設備工事全体として適正な工程がお客様によい建物を提供するために必要なことであるということを、新入社員に教えています。
設備工事のクリティカルパスを知る
設備工事の中でも、スリーブ、インサート、空調配管、衛生配管、ダクト、保温、自動制御、機器搬入、消火、ガス、塗装、雑工事など数多くの工種があり、それらが施工の順番や前工程、後工程など絡み合いながら、工程管理をしていかなければなりません。
それぞれの工事内容を知ることも大事ですが、この工事が完了しないと、この工事が開始できないといういわゆるクリティカルパスを頭で描けるかということが重要になります。
配管工事の水圧試験をかけてOKでないと保温工事ができない、梁貫通の高いレベルの
排水配管や給水配管、消火配管などが終わらないと、梁下の大きいダクトが吊れないなど。
施工図を見て、その絵から時間である工程がイメージできないと、工程管理ができないということを理解させます。
それら工程上で一番時間がかかるクリティカルパスの考え方を理解し、ある階の天井内の工事が最長でいつまでかかるのかを、正確に人工数と日数で算出できるようになれば、
工程管理も面白くなってきます。
他業種との調整を図る
他業種というのは、建築と電気あるいは、設備で分離の場合は空調、衛生の業種のことです。自分のところの設備工事だけでも多くの工種があるのに、更に他業種との調整も加わると複雑になってきます。
特に建築工程との調整のノウハウは、現場でのいろいろなパターンを学び、経験を積み上げて築いていくものなので、初めのうち若い社員は工程管理で挫折を味わうことになります。しかし、設備工事の流れを建築工事の進捗に合わせて、細分化して分解した内容で
ある程度パターン化したマニュアル的なものを教え、知識として知っておくように指導すると、急な工程の変化にもあわてることなく、対処できるようになります。
これは、入社3年くらいの経験は積んでからのことではありますが。新入社員の研修では
自分の工事だけでなく、他業種との関連は複雑にあり、それぞれの工程調整が必要であることを理解してもらいます。
まとめ
新入社員研修では、現場における管理をそれぞれ大まかに説明し、ワークを交えながら説明しています。
今回の研修では、簡単なバーチャートの工程表を実際に作成するワークを出しました。
それぞれの工事がまだイメージできていない状況ではありましたが、時間軸が左から右へ
移動していくこと、それぞれの工事がどういう順番で進んでいくのか、建築工程の中での設備工事の位置づけなどが少しでも理解してもらえたのではないか、と思います。
研修で前準備として、知識を学んで現場に配属されるのと、そうでない状態とでは、大きな差が出ると思います。
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