現場の若手施工管理の人材確保がどの会社でも課題であり、新卒採用から社内研修を経て現場でのOJTによる教育をしたにもかかわらず数年で辞めていく、というのが悩みのタネではないでしょうか。施工管理という職種で、なぜ若い人材が離れていってしまうのか。
施工管理の若手人材確保のために、新卒採用から3年間での社員教育に注力すべき3つの理由についてお話したいと思います。
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建設業に就職したい若者が増えているので、新卒採用に力を入れるべき
「大卒建設技術者 10年間で1.7倍 女性は2.5倍」
大学新卒で建築・土木・測量技術者(以下建設技術者)として就職した学生数について、過去10年間の推移をみると、2012年卒の8,213人から2019年卒の1万3,051人まで8年連続で増加した。
2020年は東京オリンピック関連の建設需要が落ち着いたこともあり減少したが、2021年は再び増加に転じて、1万3,837人となるなど、この10年間で約1.7倍となった。このことから、大学新卒で建設技術者として就職する学生数は、増加傾向にあることが分かる。
BUILT 2022年1月31日
この建築WEBサイトの記事にあるように、この10年間で建設業に就職する学生の数が増加傾向にあり、採用する企業側としても希望が持てる数字ではないでしょうか。
中途採用がなかなか思うように進まない中、今後は文系、理系にこだわらず新卒の学生を積極的に採用し、この人たちを短期間で充実した教育で一人前に育てることに注力することが必要です。
社員教育は熱いうちに打て
従来の現場の社員教育を見ていると、新卒で入社した社員が現場に配属されると先輩社員は部下を教育しようという姿勢ではなく、「仕事は見て覚えるものだ」とばかりに一つひとつ丁寧に教えようとはしません。「つべこべ言わず、自分で考え、とにかく身体を動かせ」
というようなスタンスであるため、新入社員は質問しようにも、聞けるような雰囲気ではないという感じです。
このような従来型の指導方法では、短期間での成長は望めないばかりか、このまま歳を重ねた若手がやがて現場代理人になり、同じようにその下の人に接すると組織としてのマネジメント力が衰え、会社としての人材の質が下がっていくことになりかねません。
だから、「鉄は熱いうちに打て」ということわざがあるように、人も純粋な気持ちを失わない新入社員のうちから、正しい方向へ向かって自ら仕事に取り組めるような指導を施す必要があります。
具体的には、集合研修においては、技術的な専門知識の習得、施工管理の方法、安全に関する重要性などについて学ぶこと、また現場配属後の所属部の上司や第三者機関による、現場におけるフォローアップで定期的にヒアリングと指導を行うことをセットで考え、これを3年間かけて継続的に実施します。
「3年間で現場代理人になる」目標を持つための教育
会社としては、新卒で入社した若手社員に一日でも早く現場代理人として現場を任せたい、という気持ちでしょう。この人なら4年目でも十分に小さい規模の現場を任せてもいいかなという人も、10人に一人くらいは出てくるかもしれませんが、多くは期待できません。
だからこそ、新入社員の入社した時から「3年間で現場代人になる」ことを目標に掲げて
そのための教育を施すことが大事です。無目標で日々過ごすのと、きちんと目標を持って
現場に臨むのとでは大きく成長の度合いが違ってきます。
また、「この子は能力的に不安だから、現場代理人は無理そうだ」という見方より、「次の現場からは君は代理人だから、頑張れよ」という接し方をすれば、本人の意識も変わってくるでしょう。社員教育は、期待して、承認して、任せるということが重要だと思います。
まとめ
昨今の学生が建設業に興味を示し、就職しようという意欲が高まっているという事実があることは喜ばしい限りです。実際に私の会社でも多くのクライアント様の新入社員研修のお手伝いをさせていただいていますが、文系出身者や女性も多く、益々新しい若い力が建設業に入ってきているという実感があります。
そして彼ら、彼女らが研修を通じて知識を吸収し、仕事に対する意義を感じ、活き活きと現場で働く姿がとても頼もしく見えます。
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