工程表による工程管理の実態
あるサブコンさんの新入社員研修を5日間実施しました。
その研修の中で、時間管理について半日時間を取り時間の大切さや時間管理、工程管理について理解してもらうためにいろいろな工夫を試みました。
その中で取り入れたのが、 「マイ工程表」の作成です。 通常、現場では建築のマスター工程表が設備各社に配られると、それを元に各社は自分の工事のマスター工程表を作成します。 あるいは月間工程表、週間工程表なども建築工程に則って作成します。それらの工程表を元に各設備会社は、自社の工程管理を定期的に行っていきます。
そこまではどこの現場でもこのように工程表を作成していますが、 現場代理人はじめ現場の職員が、自分自身の作業予定表を作成しているというのはあまり聞いたことがありません。多くは現場事務所に掲げてあるホワイトボードの予定表に工事のポイントを記入するか、あるいは各自のカレンダーに行事を記入するということで工程管理をしているのではないでしょうか。
マイ工程表を作成する目的
上記のような工程管理方法だと工程のポイントは把握できますが、そのポイントまでに自分がいつからいつまで何をすべきかということが視覚的に見える化出来ていないため、タスクの漏れが生じる恐れがあります。
それを補うのが「マイ工程表」です。 マイ工程表には、上段に建築工程と設備工程を記入し下段に自分のやるべき作業予定を記入します。
こうすることにより、設備工程におけるポイントから自分がそれまでに何をやらなければならないかが明確になります。また、自分が参加する研修の日程を入れたり、資格試験の勉強の予定も組み入れることで自分自身の時間管理もできます。
新入社員がこのマイ工程表を作成することで、現場の工程を把握すること、自分のやるべきことが明確になること、また上司と共有することで研修などで自分が現場を離れることを事前に知らせるというメリットがあります。
時間管理を習慣化する
現在新入社員の座学の研修が終わり、現場教育サポートを開始しました。 現場教育サポートというのは、新入社員が配属された各現場に私が赴き、定期的に新入社員の現場での教育を実施するというものです。 その教育の中で新入社員が毎週、マイ工程表を作成し現状の進捗を私と確認し合うということにしています。
マイ工程表の作成及び提出を義務化することで、マイ工程表の作成を習慣化することが狙いです。 会社の方針として、このような工程表を作成させるということがあまり行われていないと思います。しかし、研修の一環として義務化し習慣化させるということを、新入社員のうちから実施すれば、彼らの中に「マイ工程表」は自然と作るものだという感覚になり習慣となれば、今から将来に向けての効果を期待しています。
マイ工程表を作ることで得られる効果
この試みで新入社員のみなさんがどのように感じているか、この「マイ工程表」の効果が どのようにあるのかを、実際に聞いていました。
「 建築の工程がどのように進んでいくのかが理解できました」
「 設備工程が建築工程との関連でどのように組み立てられるのかというのが分かりました」
「 自分の確認作業がどのタイミングで何を行わなければならないのかが、この工程表を通して少しずつ分かるようになりました」
「 このマイ工程表が無ければ不安になるぐらい、自分の中で役に立っています」
このような声をいただきました。
このマイ予定表の作成を、例えば3年の現場経験のある人にやるように指示をしてもなかなか抵抗があり、やらないのではないでしょうか。 新人だからこそそれを受け入れ、効果を実感し、前向きに捉えることができるのではと思います。
マイ工程表を使うことで、新入社員との定期的な現場教育サポートをより充実した形で進めることができています。
まとめ
自分が現場でやるべきことを工程表という形で見える化し、それを使うことによって定期的に工程管理並びに自分の作業の進捗管理をやっていく。
当たり前のようでいて、今まで現場ではできていなかったことの1つではないかと思います。 新入社員に限らず 3年目の若手社員、ひいては現場代理人の方もこのような形でマイ工程表を使い自己の時間管理術を向上させるということが、現場管理の要諦なのではないかと思います。
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