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新型コロナウィルスの影響で現場の職人さんの補償をどう考えるか?

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建設新聞の紙面から読み解く

2020年4月22日付の日刊建設工業新聞の記事から

政府による新型コロナウィルスの緊急事態宣言の発令から2週間が経過した。閉所する工事現場がふえつつある中、先行きを危惧する声が専門工事会社から上がっている。生活が厳しくなることを防ぐため、日給月給制で働く技能労働者に仕事を優先的に回す動きが出ている。感染防止のためには閉所が必要との見方がある一方で、緊急事態宣言の期間が延長された場合、現場の再開が遅れ専門工事業を取り巻く事態が深刻化するとの懸念もある。専門工事会社からは「中断期間が何カ月も続くと持ちこたえられない」「長期化が一番恐ろしい」との声が出ている。

空調衛生設備工事や電気工事の協力会社の中でも2次、3次下請けの会社では、日給月給で働く職人さんたちの生活を補償しなければなりません。建築工事の専門工事会社の下請け業者についてもまったく同じだと思います。
現場が閉所になってしまったことで、その現場の元請け1社からの受注をメインに仕事を請け負っていた下請け業者は、他のあてもなく途方に暮れることになります。

2次下請け以降の職人さんの日給は?

そういった下請け業者の職人さんたちの仕事をどうやって作っていくのか。2次、3次下請け会社の社長さんたちは、彼らの生活を守るために頭を抱えていると思います。そういうときこそ、業界の横のつながりをもっと有効に活用できるように、日頃から人脈を広げておく必要があります。
とは言え、この状況下ではどこも同じで、工事がストップし始めているところも多いと思うので元請けのサブコンが協力会社の補償を対策として考える時期に来ていると思います。

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元請けサブコンとしてできること

サブコンとしても、工事を請け負ってくれる協力会社があってこそ施主に対して建築設備という製品を納品することができることを忘れてはいけません。その協力会社がつぶれてしまっては、会社としても大きな損失です。何としてでも協力会社を守って、末永く存続してもらうことが、業界で共生するための親会社としての使命だと思います。
国が飲食店などの自営業者への生活補償金を給付するように、親会社のサブコンとしても何かしらの協力会社への補償を考えることができないかと考えます。
例えば、請負契約金額のうち工事出来高が10%であったとき、数か月分は工事がストップしていても、前払いで月ごとの想定出来高分は支払うというのも、今回の非常事態においては一つの方法かも知れません。
「もし、その下請けが倒産したらどうするんだ」
という声もあるかも知れません。でも、末端の職人さんの生活を守ることから業界全体で
今のこの時期を乗り越えるために、皆が対策を考え努力することが必要だと思います。

協力会社をお互いに共有できるネットワークづくり

私が以前いたサブコン時代。常日頃感じていたことがあります。それは、配管業者にしろ、ダクト業者にしろ、保温業者にしろ、だいだいいつも決まった数社の会社しか取引きしないという実状があるということです。
同じサブコン内でも偏っているのに、部が違えばその部内でいつも同じ協力会社を使っているということはおそらくどのサブコンでも同じでしょう。
それはそれで、「ツーといえばカー」の関係で、お互いやりやすい、こちらの無理なお願いも聞いてくれるという、「なあなあ」の関係だから楽という利点で業界ではこれでよしとしているようです。
しかし、今回のコロナの影響があると、この偏った発注体制の場合、とたんに協力会社も仕事がなくなり、発注者側のサブコンも経営に窮した協力会社と決別しなければならなくなるリスクが発生します。
そうならないためにも、平時から複数のサブコン同士が、お互いに協力会社を共有できるシステムが構築できればいいのにと考えていました。そうすれば、2次下請け以降の小規模会社の工事も複数のサブコンから受注でき、日給月給の職人さんの給料が払えなくなるというリスクも減ってくるでしょう。

まとめ

新型コロナウィルスの影響は、建設業界にも大きく浸透してきています。
我々建設業界に身を置く者として、現場で働く職人さんたちが業界を支えてくれている
という感謝の気持ちを持って、どうしたらこの難局を乗り越えられるかを皆で考えましょう。

 

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ABOUT ME
宮本 一英
シエンワークス代表 ★サブコン社員が楽しく活き活きと働ける環境を作りたい!★★ 【資格】 ・建築設備士 ・1級管工事施工管理技士 ・消防設備士(甲種1類) ・空衛学会設備士(空調・衛生) 東京都出身/55歳にして自我に目覚める/筋トレ/ピアノ/人間観察/瞑想/お笑い
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