ダクト静圧計算はCADソフトと手計算を併用して
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ダクト静圧計算を現場で確認する必要性
現場でダクト施工図を書いていると、設計変更や納まりの関係でルートが変更になったり、分岐が増えたり、ダンパーやフィルターが変更になったりと、設計からダクト関連の仕様が変更になることが多々あります。
簡単なトイレの排気やマンションのレンジフードであれば特に問題はありませんが、中規模ビルのダクト延長距離が、ある程度長いダクト系統のファンについては施工図が完成した時点で、施工図のダクトワークでの静圧計算を行う必要があります。
設計図の静圧を信じてそのままの能力でファンを納品し、試運転をしてみたら風が規定値まで出ませんでした、ということになったら大変です。プーリー交換で済めばいいですが、
ファンごと交換しなければならなかったり、電源が足りないということになれば電気工事まで影響するので、工程面、金額面で多大な損失になります。
一方で設計時のファンの静圧が過大すぎる場合があり、試運転時に逆に風が出過ぎて、風切り音がうるさく、クレームの原因になったりします。この場合は適正に静圧計算をして、
少ない静圧で満足のいく機能が出せればVEの対象にもなるので、増工事との相殺などで客先へ提案することも可能です。
このようなことから、設計図の値を鵜呑みにせず、最終施工図段階での静圧計算は必ず
実施するようにしてください。
ダクト静圧計算はCADソフトでできる
現場が忙しかったり、施工図がなかなか追いつかず現場が進んでいく中で、静圧計算がなかなか追いつかないということがあります。 エクセルの表計算で静圧を計算する場合、 ダクト、継手、ダクトの形状変更、ボックス、ダンパー、制気口等で 1つ1つの部材に対してダクトサイズや風量を手で入力しなければなりません。これは結構手間がかかります。
時間短縮するためにおすすめなのがCADソフトを使用して静圧計算する方法です。
T-fasやRebroのソフトを使用して、作図された対象のダクト経路を選択し、静圧計算を実行すれば、自動的に計算してくれます。これは手計算でやるより大幅な時間短縮になるのでおススメです。
CADでの計算結果の限界
このCADソフトでの静圧計算はソフトによっても違いがありますが、問題があります。それは、 計算して集計された静圧の値が著しく大きかったり、また部材によっては計算されず値が0になっていたりという不具合があります。 私の経験値からでもせいぜい500Paくらいの静圧と考えていたものが1,000Paを超えたりということもあり、その精度に不安が残ります。
CADソフトで計算した静圧の値が大きすぎたり、ところどころ数値が 0であったりする場合は見直しが必要です。
計算結果は手計算で確認を
CADソフトで問題がある値が出た場合は、その項目をピックアップしてエクセルの表に入力して計算する方法で確認する必要があります。
CADソフトを使用して静圧計算をするメリットは、時間を短縮して簡単にできるというところにあります。 しかしせっかく計算しても大幅な差異が出てしまっては、意味がありません。 それを補うのが手計算によるエクセルの表の入力です。
CADソフトによる計算を過信せず、導き出された値をよく確認し、問題がある場合は手計算と併用して静圧計算を行う必要があります。
まとめ
静圧計算が簡単に、しかも短時間でできるというのがCADソフトによる計算のメリットですが、この計算の精度がまだ完全ではないというところが残念です。これはCADソフトのメーカーに改善を求めたいところですが、現状の現場での対応としては、計算結果を確認し、部材の項目ごとにチェックすることが求められます。
ファンの能力によって施工の品質が左右される訳ですから、十分に慎重に静圧計算を行うよう心がけましょう。
著者プロフィール
宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役
首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(現場サポート・現場巡視・集合研修)を提供しております。35年間現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「安全・品質の向上」を支援しています。
【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者



