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建築設備 新入社員はどこまで現場で手を出していいか?

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現場での新入社員の教育の在り方について

新入社員が現場に配属されて、 まず手始めに教わることは一日の現場の流れと現場がいかに危険であるか、油断をするとケガをする可能性がいたるところに転がっているということ、つまり安全が最優先されるということだと思います。
配属された初日に新入社員がケガをしたとあっては、その現場の代理人の責任が強く問われますし、新入社員としてもその会社に不信感を抱くことになり、双方にとって不利益です。
新入社員を受け入れた現場の責任としてその現場の代理人は、新入社員を雑用の手のうちの一人という意識が少しでもあってはいけません。 確かに現場にとってはいきなり戦力になるはずもなく、預かった現場としては少なからずお荷物という感覚はあるでしょう。
しかし、その代理人も新入社員の頃があったはずで、教育することは会社の一員としての責務という意識を持つことが必要です。
現場の責任者あるいは、教育担当の上司の方は新入社員を雑用係としてではなく、現場管理者として教育するようにしたいものです。

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現場の雑用が主な仕事になる実状

そのことは、現場の上司である誰もが分かっていることだと思いますが、往々にして新入社員が雑用ばかりの作業をして、肝心の現場管理の仕事が疎かになったり、書類作成の時間が無くなり、残業を繰り返す日々が続いたりということが起こっています。
雑用が増える要因は何があるでしょうか。
一番の要因が、職人さんの手元として手伝いを依頼される場合です。現場に常駐している配管屋さんは特に一人親方が多く手元が少ないため、新入社員を自分の手元として便利に使おうとします。
「○○君、 10階にあるパイレンを取ってきて」
「○○君、 床コロガシ配管の支持の位置を直しておいて」
「外構配管の穴掘りを手伝ってよ」
「材料が入った?○○君、荷受けしておいて」
など、いちいち手元として新入社員を使おうとする職人さんがいます。
また、多能工さんがいない小規模現場では、ウレタンの用事をしたり、スリーブを入れたり、材料の移動をしたりと、雑仕事が山のようにあります。

新入社員は現場で身体を動かすことが修行の場

このように山のようにある雑用を毎日現場でこなすことが、現場で仕事を覚える上で修行の場という風に考える見方もあります。 確かに、新入社員が現場に配属されたばかりの頃は、現場管理もまともにできない状況なので体を動かすしかないという状況は理解できます。ある時期までは体を動かして雑用することも必要でしょうが、現場の内容をある程度把握できた状態では、徐々に現場管理にシフトして行く必要があります。

現場での作業をどこまでやるのかのルール決め

新入社員が自分で体を動かし現場で作業する内容について、ルールを決めておくことが必要です。この目的は、会社の財産として入社した新入社員が、現場でケガをしないためでもあり、ケガ人を出すことで現場の損失を防ぐためでもあります。
これは現場の責任者である現場代理人が、これこれこういう理由でここまでは手を出していいけれど、ここから先は手を出してはいけない、という明確な指示を新入社員に出しましょう。 例えば、ウレタンの養生や材料の荷受け、材料移動や現場内の掃除などの工具を使わない作業はOK、しかしネジ切の旋盤やパイプレンチなどの工具を使った配管作業、あるいは高速カッターやセーバーソーなどの刃物が付いた工具による作業は禁止、というようなルール決めです。
このような明確なルールを決めておかないと、新入社員は職人さんの依頼や、あるいは知識があまりない状態で自己判断してしまって危険作業を思わず行ってしまい、ケガにつながる可能性も出てきます。是非、現場責任者の方は新入社員に配属初期の段階で現場における作業を分解し、やっていい作業と手を出してはいけない作業を仕分けするように
してください。

まとめ

現場に配属された新入社員は、上司から指示されたことや職人さんから依頼されたことは何の疑問も抱かず、言われた通りに仕事をします。その作業がどんな危険があるのかも
分からず作業しているのです。言われた作業、あるいはやむを得ず自分の判断でやらなければならない作業が、正当な理由で実は手を出してはいけない作業だということが事前に理解できていれば、後でケガをして痛い思いをしなくて済むのです。
現場代理人の方は、新入社員と職人さんも交えてルールを皆で共有して、安全に現場作業を進めるよう、お願いします。

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宮本 一英
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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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