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サブコン25歳、現場係員Nさんのコーチング記録その3

クライアントのサブコンO社の現場は都内のマンション新築工事で現在内装工事が進んでいます。そこで働く若手社員のNさんは入社4年目の25歳。現場所長の下で次席として、毎日のように所長に怒られながらも、日々奮闘し仕事をしています。
そんなNさんのコーチング記録を綴っていきたいと思います。
今回は土曜日休暇を交代で取っていたNさんにお時間をいただき、ZOOMでのコーチングを実践してみました。

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8フレームアウトカムで現在の欲しい成果を聴く

コーチングのフレームワークに8フレームアウトカムというものがあります。
これはNLP(神経言語プログラミング)のフレームワークで、8つの質問をすることで、クライアントの願望を実現するために行動を促す手法です。
今回のNさんのコーチングはこの8フレームアウトカムを使って、質問をしていき、Nさんの願望に対して彼がどう行動していくのかを一緒に考えてみました。

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Nさんが本当に欲しい成果は?

最初の質問は、
「あなたの欲しい成果は何でしょうか?」に対して、
「上司に報告する内容を忘れないためにメモを取る習慣を身につける」という答えでした。
「なぜそのことを欲しい成果としたのですか?」と更に質問すると、職人さんから言われたことを
忘れ、上司に報告せずにそのまま作業させてしまったことで、手戻り工事が発生してしまったとのこと。その失敗から、職人さんや建築から言われたことは必ずメモし、上司に報告し確認のうえ次の行動に移すよう指示されたと話してくれました。
「その成果が実現したことはどんな状態で分かりますか?」
「その成果はいつ、だれと、どこで、手に入れますか?」と2つ質問を続け、次の質問に移ります。
「その成果を手に入れると、あなた自身はどうなるでしょうか?」という成果を問う質問です。
この質問に対しNさんは、
「今より忘れる回数が減り、手戻りが無くなることで時間が短縮衣され効率化できる」という答えでした。この答えを聴いたとき私が思ったのは、実はNさんが本当に欲しい成果とは違うところにあるのでは?という問いでした。そこで私は、
「そうなることで、Nさんが本当に欲しい成果は他にあるのではないですか?」と質問すると、
「はい、実はそうなることで上司に怒られなくて済むということです」という答え。
Nさんの根本的な悩みはいつも上司に怒られている自分が嫌だったということだったのです。
そこから解放させるということが一番の欲しい成果だったという訳です。

リソースから理想の姿へ

次の質問は
「その成果を手に入れるために、あなたが既に持っているリソースは何ですか?」
「さらに、どんなリソースがあればいいですか?」という考え方や手法を広げる質問です。
Nさんはメモだけではなく、写真も撮って記録に残すことを提案しました。これは具体的でいい発想です。
「その成果を手に入れるに際し、障害となりそうなものは何でしょうか?」
「他の業務が忙しくて、メモを取る時間が無くなること」、今後起こるであろう問題を予測できています。
次の質問は、欲しい成果の本質的なことに触れるものです。
「その成果を実現させることは、あなたにとってどんな意味を持ちますか?」
「今のレベルからのステップアップが図れること、また職人さんから一段と信頼される監督になり、次の現場につながると思う」との答え。これは、先ほどの上司から怒られないためという「痛み」から逃れることよりも、さらに上位の理想的な姿に自分の欲しい成果が変わってきています。

最初の行動は?そして気づき

そして、行動を促す質問です。
「では、まず何から始めますか?最初の行動は何でしょうか?」
「メモを取り続けること」、メモを取り出してからまだ2、3日しか経っていないとのことなので、習慣化させるために続けることが最初の行動だということでした。この発言のとき、Nさんの感情が動くのを感じました。今までの声より力強さが加わり、決意を感じるような声色でした。
そして最後に必ず質問することがあります。
「ここまで話してみて、何か気づいたり感じたことはありますか?」
この質問でコーチングを受けた人が、何を感じたかをコーチは聴き取り、コーチングがクライアントに対してどう気づきを与えたかを確認します。その結果で次に活かす反省にもなります。
「メモだけでなく、写真と併用して記録に残すことがいいのではと思った」と新たな提案が自分自身の口から出てきたことで、今回のコーチングは実りが多かったと思います。

まとめ

今回はZOOMを使用してのコーチングでした。臨場感は少ないかも知れませんが、それでも、顔の表情、声のトーンもよく伝わっていたので、問題なくNさんの気持ちをうかがい知ることができました。また、8フレームアウトカムのフレームワークを使うことで、より深くNさんの内側に入り込むことができたのではと思います。次のセッションは対面でぜひコーチングしたいですね。

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宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役

首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を提供しております。大学卒業後、35年間中堅サブコンにおいて現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「売上・利益の向上」を支援しています。

【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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