お役立ちコラム

建設業界における働き方改革は進んでいるのか?

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仕事を辞めたい理由の一つが労働時間

新入社員で入って3年以内で会社を辞める人が全体の3割いるという話は、どの業界でも定説になっています。厚生労働省の「新規学卒就職者の離職状況」によりますと、直近20年でほぼすべての年度で3割を超えていると状況です。
仕事を辞める理由の一つとして挙げられるのが、労働時間問題。土日もろくに休めず、毎日残業続きで帰りは深夜に及んでしまう。こういう状況は少なからずどの業界にもあるのでしょう。
建設業界の場合を考えると、現場の竣工前を除けば定常的に毎日帰りが深夜になるとか、日曜日も休めないということはまず無いでしょう。

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現場の休日は日曜日だけというのが当たり前だった

世間一般の週休二日制ということに関しては、今どこの現場でもだいたい日曜日だけ休みで土曜日は稼働している場合が多いと思います。
私自身ずっとこの業界にいて、一週間の休日は日曜日だけということは当たり前と思って仕事してきました。また、改修工事が専門のリニューアル部という部署にいた頃は、土日が休みのビルの改修をやっていたため、木曜日が定休日でした。やはり同じように一週間のうち休みは一日だけ。しかし、それが業界の常識だったので、まあこんなものかなとあきらめに近いものがありました。
しかし、これは私個人の話なので、今の若い人たちに過去のことを言っても理解してもらえないでしょう。時代は「働き方改革」を声高に唱えている状況下で、適正な休暇を取得することは必要ですし、そのために建設業だからということではなく、古い体質が残っている業界だからこそ、変えていかなければならないと思います。

建設業には一つの現場を終わらせるという目標がある

現場の状況や工程の遅れ具合によっても違いますが、建設業においては一つの現場単位で仕事が完結するということがあります。つまり、現場を終わらせる目標があるということ。
毎日毎日、終わりのない仕事に追い回させるという心理的な脅迫観念みたいなものは無く、現場が終われば、長期と言っても数日の場合もありますが、休日が取得できることも気分的にメリハリを持って仕事できる環境と言えます。
また、工程の中で準備段階、つまり施工図や施工計画書を作っているときは比較的時間に余裕がある場合もあるので、この時間を利用して資格試験の勉強をするなど、計画的に自分の成長のための準備もできます。建設業で働く工事管理者の人たちが、労働時間が多いというストレスがあるにせよ、竣工という目標があって、それに向かって進んでいるという実感でモチベーションが保てているという側面もあります。

建設業における働き方改革はスーパーゼネコンから

そんな建設業界の労働時間における常識が今、少しずつ変わろうとしている動きがあります。政府が「働き方改革」と声高に提唱している内容の中には、労働時間の短縮があります。
その一環として、現場の工程の中に週休二日を完全に取り込むというもの。
私が今お世話になっているクライアントのサブコンさんの現場では、この4月から完全週休二日制になるとのこと。
「新型コロナウィルスの影響ですか?」と尋ねたら
「いや、ゼネコンさんが最初の計画段階で決めていたことなんです」と言っていました。
ゼネコンが契約段階でデベロッパーとの契約条件として、週休二日を工程に織り込み、その工程で契約したとのことです。
大手ゼネコンだからできることなのかとも思いますが、そういう形で建設業界のリーダーとして業界の常識を変えようとしているということだと推測できるので、とてもすばらしいことだと思います。

まとめ

公共工事もそのように行政が工程を考慮した発注を心掛けるという話も聞きます。
この動きが大きくなれば、施主側としても工期を短縮することより労働時間を短縮し、建設業界のみならず世の中の労働環境が良くなることの意義をくみ取って工事を発注するようになるでしょう。
建設業の働き方改革は少しずつ始まっています。その労働時間の短縮で生まれた貴重な時間を何にどう使うかを、考えていきたいと思います。

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宮本 一英
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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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