お役立ちコラム

建設工期が長くなることで、人材育成にどう取り組むか?

今回は「建設工期が長くなっている現状」から、サブコンでの人材育成にどう取り組んでいったらいいかを考えてみたいと思います。

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建設工期が長くなっている理由

日経新聞の記事によると首都圏のマンションで工期が3割長くなっているとのことです。

具体的には、首都圏の大規模物件のマンション工期が10年で約3割延びており、2024年度には平均884日かかるとされています。

理由としては、職人の高齢化や建設業の就業者数の減少です。建築だけでなく設備工事においても作業員不足が深刻な状況です。さらに、2024年から施行された残業規制によって、作業時間が短縮されるため、工期はさらに延びる見通しです。

<引用>日本経済新聞:「首都圏マンション、工期3割長く 人手足りず価格も上昇」(2024/6/11)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC11AHY0R10C24A4000000/

このような工期の長期化は、建設業従事者をエッセンシャルワーカーとして、社会生活を支える不可欠な仕事に従事する人と位置づけ、大切に守っていこうとする国の後押しの結果でもあります。

建設業界では、深刻な人手不足と長時間労働の問題が続いており、国土交通省はこれを是正するために規制を強化しています。特に「工期ダンピング」と呼ばれる、必要な工期よりも短い期間で工事を請け負うことを禁止し、違反者には指導や監督を通じて改善を促します。

国交省は、関連法を改正して建設業者や下請け業者が働きやすい環境を整え、発注者との対等な関係を築けるよう支援します。特に、週休2日制が確保されていない場合、違反とみなされる可能性があり、監視を強化しています。この動きは業界団体から歓迎されており、現場の日程が逼迫する現状への抑止力となることが期待されています。

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現場の働き方の状況は、少しはよくなっている?

このような国交省の取り組みも含めた建設業界全体の工期延長の動きは、人手不足の中、限られた人員で現場の管理をするうえで、働きやすさという点で有利になることは間違いないでしょう。
工期が長くなることで、建築のマスター工程に余裕ができ、準備段階での計画が万全に行え、工事が全体的に効率的に進捗し、竣工間際もそんなにバタバタせず試運転調整ができそうです。
しかし、数多くの条件が異なる現場を調べ、その工期が適正であったとして、今までの逼迫した工期と比較して、残業が減ったとか、管理するスタッフの人数が減少したかは、検証してみないと分かりません。そういう記事を見つけたら、次回共有したいと思います。

現時点で、工期延長の業界の動きが出てきてから、私がお手伝いしているサブコンの各社様の現場では、少しは改善の効果が出てきているという印象です。実際に土日は現場自体が全休になっている現場もあり、残業の規制も含め、一面としては以前と比べればよくなっているのではと思います。あくまで、これは私の周辺での状況ですが。

工期延長を好機として人材育成に取り組むには

工期が延長することで、施工管理の人材育成という観点で見たとき、どいうったメリットと取り組むべき課題が見えてくるでしょうか。

ミーティングによる部下育成

工期が長くなることによって、残業時間が減ってくることが考えられます。また、計画が綿密に行われることで就業時間内での業務が効率化され、業務時間の短縮も期待できます。このことで、現場スタッフ内でのミーティングする時間が確保できるようになります。

従来の現場では往々にして、施工管理業務が忙しく、夕礼すらまともに行われていない状況も見受けられました。
就業時間内での有効な時間をミーティングに振り分けることで、現場スタッフ内のコミュニケーションが充実し、その時間に比例して現場の施工管理の質が高まり、より現場が効率的に進むことが期待できます。
このときの夕礼や1on1ミーティングを実施しながら、上司が部下に対して、意見を聴き、部下の考えを受け入れる土俵を作ってあげることで、部下が技術的な知識の習得や工程上の理解を深めることにつながります。

若手社員の主体性

上記のミーティングの場を多く設けることで、部下が自分で物事を考える習慣がついてきます。今までは、上司からの指示で仕事をしていた若手社員が、ミーティングでの会話から主体性を持って考えるようになります。今までは、工程に追われ自分で考える暇もなく指示待ちになっていた若手社員が、時間的な余裕が生まれることで立ち止まって考え、「自分ならどうするだろう」という思考が生まれ、主体的に動くようになります。
部下がこのように動けるように指導するためにも、上司がミーティングで根気よく部下と対話を繰り返していくことが重要です。

資格試験勉強

若手社員はなるべく早く1級管工事施工管理技士の資格を取得するように会社から言われていることと思います。
人によって個人差があり、資格取得に前向きな人もいれば、「今現場が忙しいから、もう少し後でもいいか」という人もいて、本人の気持ち次第ということもあるでしょう。
しかし、今の状況より工期が長くなり、自分の時間が多く取れることを期待するのであれば、この時間を資格取得に充てることを考えましょう。

1級管工事施工管理技士の場合であれば、一次検定の試験日、二次検定の試験日がそれぞれいつだから、何か月間から準備して勉強しようという計画を立てることも、忙しいとなかなかできないものです。
時間に余裕ができれば、計画から二次検定の合格までをイメージして、勉強に取りかかることができると思います。

まとめ

建設工事の工期が長くなる傾向にある、ということは施工管理する社員の働き方が改善される期待値は大きいのではないかと考えます。
時間的な余裕で働き方が改善させるのであれば、余裕ができた時間を就業時間内、就業時間外でどのように自分自身の成長に使うかという意識を社員や部下に持ってもらうようにするのが、会社や上司の課題でもあります。
なぜなら、現場代理人をはじめとする管理職は部下を育成するということが最も重要な責務だからです。上司は工期延長により時間的に余裕ができたら、緊急でないが重要なこと、つまり部下育成のことを一番に念頭に置くように心がけることが必要です。

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宮本 一英
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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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