6月号の東商新聞に、ちょっと気になるコラムが掲載されていた。
「これからを生きる大人のためのアート思考」と題し、新連載の第1回のタイトルが
「4歳の男の子に見えていたものとは?」。
著者は美大出身の中学、高校の美術教師で自身もアーティストとして活躍している。
一枚の絵が提示され、次の絵を鑑賞してみてくださいと問いかける。
その絵がクロード・モネの「睡蓮」だ。
そして、この絵に何秒間ぐらい目を向けていたか?と。
私の場合は、ほんの数秒だった。そして、本文の文章を読み進めていた。
著者が美大生のころ美術館に行くことも多かったというが、いつも作品にほんの数秒目をやると、すかさず添えられた説明書きを読んで、納得したような気になっていたという。
だいたい素人の私たちも、そのようにさらっと絵を見ては作品情報との確認作業をしていることが多いと思う。
「かえるがいる」
岡山県にある大原美術館で、4歳の男の子がモネの「睡蓮」を指差して、こんな言葉を発したという。
実は、この睡蓮の絵の中にはどこを探しても「かえる」はいない。
その場にいた学芸員は、「えっ、どこにいるの?」と聞き返したところ、
男の子はこう答えた。
「水にもぐっている」
男の子はこの絵を見て、絵には見えない「かえる」を心の中で見て、映像として頭の中で描いたのだろう。彼独自の鑑賞の答えを、何の解説にもたよらず導き出した。
現場管理をするうえでも、部下を教育することでも、仕事をすることすべてに関して、この男の子の「自分だけの視点」はとても重要なことを教えてくれる。
今までこのやり方で施工してきたから、会社の方針がこうだから、現場のルールはこうなっているから、周りがみんなこうしているから、ということを日常の判断基準備にいている私たち。
自分なりの視点を持ち、「自分だったらこうしたい」「こういう方法もあっていいんじゃないか」という柔軟な発想を常日頃から意識することで、新しい価値を生み出すきっかけに
なるといいと思う。
顔も知らないあの4歳の男の子のキラキラした目を想像しながら。
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