Iメッセージとは?
例えば上司であるあなたに出来の悪い部下がいて、その部下がいつもヘマばかりやらかしているとしましょう。そんなとき、あなたはどんなことを心の中で思っているでしょうか。
「どうしてあいつは仕事ができないんだろう?」
「部下の〇〇君は、私の指示通りに動かない」
というようなことを考えていませんか。
これらのことは、実は相手が主語になっているのです。つまり、相手が何らかの形で変わらなければ、自分としては納得がいかないと思い込んでいると言えます。
ところが、この相手が主語だった自分の考えを今度は自分自身を主語に変えてみるのです。
これがIメッセージです。Iメッセージとは、「今ここで」の自分の感じ方、思いを率直に表現した言葉です。
私を主語にすることで視点が変わる
「自分はどう思っているか?」「私はどうなりたいのか?」という、主語を自分に置き換えることで視点が変わり、今まで相手(部下)が変わるべきだという思いが、
「私はどうすればいいのだろう?」「自分が欲しい状況のためには私ができることは何だろう?」という自分自身への質問が変わるのです。
問題が起きたとき、「トラブルの原因について相手を出発点にする道」と「自分の今の気持ちをこれからの出発店にする道」の2つがあります。
そのとき、少し勇気をもって今の自分の気持ちを出発点にする道を選べば、変わらない相手にフォーカスするより、自分の気持ちをコントロールすることで可能性が広がります。
現場の状況に合わせて練習してみる
このIメッセージを現場の状況に照らし合わせて考えてみましょう。
例えば、あなたが現場の工程管理を部下のA君に任せているとしましょう。現場が進むにつれて、建築の工程では来週から2階の天井工事が始まる予定にもかかわらず、一向に天井内の設備工事が進んでいないとします。そのときあなたは、
「A君、来週から天井工事が始まるのに全然進んでないじゃないか、どうなっているんだ?」
と半ば怒りを覚えながらA君に向かってつい大きな声を上げてしまうのではないですか。
そして、
「やっぱり、こいつに工程管理を任せたのは失敗だったか。どうしてこいつはダメなんだ」
と心の中でぼやいてはいませんか。
そこでIメッセージで視点を変えてみましょう。
「設備工事が進んでいない原因は何なのか?」
「私ができることは何だろう?」
「A君に状況を説明してもらい、原因の問題を解決するにはどうすればいいか、A君と話し合ってみよう」
という具合になります。どうですか?
そのときの瞬間的な怒りは消え、冷静に状況判断でき、上司としての適切な対処を講じることができるのです。
現場でのトラブルは日常茶飯事です。その都度部下に腹を立て、怒鳴り散らしてばかりいる上司は周りにも悪影響を及ぼし、現場は決してうまく回らないでしょう。
まとめ
問題が発生したとき、上司はつい部下を責めてしまいがちです。なぜならその方が楽で、自分の気持ちをストレートに表現できてしまうからです。変わらない相手をいくら責めても、そのときは部下も神妙にしていますが、上司であるあなたの態度には納得感はありません。Iメッセージを意識して、「今ここでのあなたの思い・感じ方」はどうななのかを
自分自身に問いかけてみましょう。
「私にできることは何なのか?」をいつも心に持つことで、部下は自ずと動いてくれるようになります。
若手社員の定着率がUPする無料レポート!!
現場施工管理の社員の離職にお悩みのあなたへ。
この「離職防止対策レポート」で社員の定着率をUPすることができます。