現場でビジョンを作る意味
現場責任者であるあなたは、今現場がうまく機能していない、あるいは部下が問題を起こして悩んでいるなど、管理上の不具合を抱えているということはありませんか?
そういうお悩みの所長さんにお聞きしたいのですが、現場単体としての「ビジョン」をお持ちですか?
「ビジョンかぁ、けっこう重い言葉だね。工事部としての年間の目標みたいなものはあるけど、現場としての目標とか、ビジョンみたいなものは作ったことないな」
と、ほとんどの現場所長さんは、そのようにおっしゃるのではないでしょうか。
確かに、「現場を工期内に納め、会社の目標値である粗利を確保すればそれでOKではないの?」とあなたはお考えかも知れません。
でも、ちょっと、待ってください。責任者であるあなたが現場としての「ビジョン」を
心の底から湧き上がってくるような「想い」を作って、部下や協力会社の職人さんたちと共有できたら、そしてその結果、現場が自分の想像以上に成果が上がり、お客様にも会社にも貢献できたら、こんなにうれしいことはないと思いませんか?
ビジョンを作るには3つの要素がある
今、あなたの現場が管理する上でいろいろな悩みを抱えていて、停滞しているというのであれば、
「現場としてのビジョン」を策定することをお奨めします。
ビジョンを作る上で考えたいことは、3つの要素を織り込むということです。その3つの要素とは、
「目的」と「価値観」と「未来のイメージ」です。
まず1番目の目的ですが、現場において建築設備のプロジェクトに参画するという会社としての仕事が前提としてあって、そこで働く所長以下スタッフや職人さんたちがどういう目的で関わっていくのかということです。
例えば、「エンドユーザーであるお客様に快適な居住空間を提供する」であるとか、または東京ドームなどの野球場の設備を施工するのであれば、「お客様に楽しんで野球を観ていただくために」などの目的が考えられると思います。普段、現場で仕事しているときは、あまりそのようなエンドユーザーのことまで考えるという方は少ないのではないでしょうか。
2番目の価値観は、プロジェクトで集まったスタッフや職人さんたちが同じ価値観で仕事ができたらビジョンがより明確になるということです。
例えば、「いつも元気よく挨拶し、相手を思いやって行動する」とか「安全第一をスローガンとし、不安全行動を取っている仲間がいたら、勇気をもって注意し合う」とか。そういう価値観です。
この価値観を共有することで、よりビジョンへ向かってベクトルが強固になるのです。
3番目は未来のイメージです。イメージが鮮明に描けていれば、その状態や姿に近づこうという気持ちが強くなります。
例えば、ダイエットしている人がスリムなジーンズを履いているカッコイイ自分をイメージするというようなことです。現場での未来のイメージはどんな内容でしょうか?
引き渡し後、お客様が事務所で仕事をしている暑い夏の日に、快適に空調が効いていて、笑顔で気持ちよく執務している姿をイメージする、ということですね。そのように映像でイメージすると、より一層ビジョンが具体的に見えてくるのではないでしょうか。
現場のビジョンはワクワク感で作ろう
以上、3つの要素を考えて現場の「ビジョン」を作ってみましょう。目的として挙げた「エンドユーザーのため」でもいいですし、「現場スタッフや職人さんたちみんなが、気持ちよく楽しく働ける職場作り」でもいいでしょう。要は、会社が決めるような堅苦しいお題目のような文言では、誰もワクワクしません。毎日、仕事をしていて、そのビジョンを目にしただけでやる気が出るようなフレーズが望ましいですね。
まとめ
いかがでしたか?
会社のスローガンや目標は現場事務所の壁にA3のラミネート版で貼っている光景を目にすることが多いです。でも、それを毎日見て、「今日も一日頑張ろう」という気には、少なくとも私はなりませんでした。現場で決めた「ビジョン」をその会社の目標の横にさらに大きく掲げてみてもよいのではと思います。更に同じものを職人さんたちの詰所にも貼りましょう。そのことで、現場スタッフ、職人さんみんなが「いいね」と思えて気持ちよく働けたら、素晴らしいと思いませんか?
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