建設業における施工管理職の人手不足は今後更に深刻になると言われています。施工を管理する現場監督は3K(きつい、汚い、危険)あるいは、新3Kと言われる(帰れない、厳しい、給与が安い)労働環境により、建設業界から離れていく人が増える状況はなかなか変わらないというのが実情です。施工管理に興味を持ち、せっかく建設業界に入っても数年で辞めてしまう。人手不足を解消するには、若い人の離職率を減らすことが大きな課題であることは言うまでもありません。
建設業の施工管理をする若い人たちの人手不足を解消するために、私たちの会社シエンワークスは生まれました。
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若い現場監督が離職する理由
確かに3Kという労働環境が離職の要因ということも考えられるでしょう。これらの働く環境面での内容については、この職業を選ぶ時点である程度は理解できていたことだと思います。入社後の離職率のことを考えると、このうち労働時間が長い、つまり残業や休日出勤が多く、そのことにストレスを感じて辞めるケースが多いのではないでしょうか。
またもう一つの側面として、心理的安全性が確保されていないということが理由として上げられると思います。心理的安全性とは、この会社あるいはこの現場、現場事務所にいると安全基地の中にいて、安心した気持ちで自分らしくそのチームで働ける状態のことです。
若い社員でこの安全性が無い状態というのは、上司との会話が少ない、上司からの仕事の段取りの説明が少なくその場限りである、上司がいつもイライラし怒ってばかりいる、上司が複数の現場を掛け持ちし、忙しさからか部下からの連絡に返事が無い、仕事の成果に対する承認やフィードバックが無いなど、こういう状態では若手社員は嫌気がさしてしまいます。
このような心理的安全性が確保されない状態が続くとモチベーションが下がり、仕事することの意味を見出せなくなってしまいます。
教育する人がいない
入社して3年目くらいの若手社員の直属の上司は、30代から40代前半くらいの年代が多いのでははいでしょうか。この年代の方は自分が現場に配属になった頃、やはり前記したような上司が上にいて、心理的安全性が得られないまま成長した人たちです。つまり、上司の仕事の仕方を見よう見まねで覚え、自分で考え悩み、経験を積んできたという人が大方ではないでしょうか。現場管理は概ねそのような教育風土で推移してきたと言えるでしょう。私自身も若い頃はそのような状況で現場をやってきました。
だからといって、建設業界はそういうやり方だから、今後も同じでいいかというと違います。甘やかすと言うことでは決してなく、教え方、若手に対する接し方を根本から変えていかなくてはいけないと思います。
今、部下をもつ中堅の上司の方たちも部下を教育したくないと思っている訳ではないのです。自分自身が忙しく自分のことで精一杯だから、部下のために時間が割けないというのが本当のところでしょう。
教育する人はどこかにいる
私が考える、現場施工管理の若手社員を教育指導する人を第三者に任せるということについてお話したいと思います。ある程度大型現場の施工管理スタッフが5人以上いる事務所では、若手社員の直属の上司が年齢も近く相談しやすい環境であると言えます。しかし、経験が浅い2~3年めで一人で現場を任されている若手社員に対して、工事長や部長が適切な頻度で巡回できていない、または上司が小中規模の現場を複数掛け持ちし、部下の面倒を見切れないなど、若手社員が孤立している状況というのが多く見受けられます。
では、このような社内で若手社員を教育したくてもできない状況をどう解決すればよいのでしょうか。それは、実際に現場の施工管理を長年行ってきた経験豊かな外部の技術者の方にサポートしてもらうことはできないだろうかということを私は考えました。
長年施工管理をやってきたが、体調を崩し第一線から退いたが人に教えるのは好きと言う人や、定年後は施工管理をやるのは体力的に厳しいが若い人を教えることで第二の人生をやりがいのあるものにしたいというような人たちに、これから建設業を担う若者を教えていただくということを考えています。
教育を受けたい人と教育したい人のマッチング
上司不在の若手現場監督と、第一線は退いたけれども若い人に今まで培った技術を継承して世の中の役に立ちたいという意志のある人をマッチングすることが、私のやりたかったことです。この考え方では、現場施工管理の若手社員が数年で会社を辞めてしまうことで
頭を悩ませている会社様、上司との人間関係及び仕事に対するモチベーションで不安を感じている若手社員、そして第一線を退いたけれど若い人を教えたい経験豊かな熟年技術者、この三者がWIN WINの関係で一つの輪ができるのです。このことで、輪が大きくなっていき、広くは建設業界の人手不足が解消されることを株式会社シエンワークスのビジョン
としています。
まとめ
建設業界の人手不足を解消するにはどうすればいいか?この難題は一朝一夕には解決しないでしょう。しかし、その根本にはやはり離職する人の心の中に問題があるということ、そしてその心の中を会社がよく見て、理解することから始まると考えています。現場の施工管理をする若者一人ひとりの心に寄り添い、一人の人間として対等に向き合い、本人が成長する伴走役として弊社が関わることができたら幸いです。
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