お役立ちコラム

中堅現場代理人 部下マネジメント3つのポイント

中規模の現場を代理人として任されるのは、年代として20代後半から30代中盤のいわゆる中堅社員と呼ばれる人たちではないでしょうか。今までは、上司の所長の下の2番手で現場を切り盛りしていた、あるいは小さい現場を責任者として担当していたがステップアップして中規模現場を任され、部下がつくようになった人たち。こういう中堅社員の方は、現場代理人として、外注の派遣社員や若手、新入社員をマネジメントする方法を誰からも教わらず、「どうやったらいいんだろう?」と悩んでいることが多いと思います。
自己流で管理らしき業務を何となくやり、自ら腰袋にいっぱい道具をぶら下げ、部下たち以上に現場で身体を動かしている、といった現象が多く見受けられるというのが実情です。
そのような中堅社員の現場代理人の方がどうやって、どういう意識で部下をマネジメントしたらいいのかをこの記事ではご紹介したいと思います。

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会社が中堅社員に求めている姿を明確に伝える

会社の階層別研修を私も前職のサブコン時代に受講したことがあります。新入社員、主任、管理職では課長のときと次長のときの計4回くらいあったかと記憶しています。若手の頃の研修内容はあまり覚えていませんが、管理職の研修のときは何か不完全燃焼感が残ったような気持ちでした。
というのは、会社からの「求めている管理職像がどういうものか?みんなにこういう管理職になってほしい」ということが、会社側から何一つ語られなかったということです。
外部講師が来て、マネジメントとは?みたいなことを言われても、ピンと来ていなかったのが実感でした。
そのことから、私はこれから部下を持ってマネジメントしていく若い現場代理人の方に、会社が「君たちはこうなってほしい」という強い気持ちを明示して、ひとり一人と対話する機会を設けてほしいということ、このことが根本としてあって、そこからどう管理職としての教育をしていくかを考える必要があると思います。

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中堅社員は「課題は何か?」を常に自問する

前記した会社の幹部からの「管理職の姿」を現場の中堅社員に伝える際、重要なことは、会社がその中堅社員に「あなたの課題は何ですか?」と常に問いかけることです。彼がその課題を見つけて行動に移すこと自体がトップマネジメントであり、彼自身が変わり、そしてその「課題は何か?」を次に彼の部下一人ひとりに問いかけることができれば、現場のスタッフ全員がチームとして変わり、現場が効率的に進み、チームに活気が出てくるでしょう。

部下との1on1ミーティングを定期的に実施する

「課題」を見つけると一言で言っても、イメージが沸かないかも知れません。「課題」とは、つまり今抱えている問題であり、それが仕事のやり方なのかスキルなのか、あるいは現場で起きている情報の伝達方法なのか、具体的に考えていけば山ほど出てくると思います。
そこで、中堅社員の現場代理人の方に是非、実施していただきたいのが「1on1」と呼ばれる1対1の面談です。
面談と言うと堅苦しく感じるかも知れませんが、部下の方一人ひとりと定期的に(現場の進捗状況によって、週1回~2週に1回を目安に)、気軽に業務の進捗確認の延長程度の雰囲気でまず始めてみましょう。1on1ミーティングのやり方については別の記事でご紹介しているので参考にしていただくとして、今回は、この1on1で部下の「課題」を見つけ出すことがテーマです。
例えば、部下が設備工程を予定通り進めたいと思っているとき、建築から仕上げ工程について無理な要望をされているとしましょう。それが問題としたとき、「課題」は何か?を一緒に考える作業です。最初から部下に解決策を教えてしまっては、部下の成長は望めません。部下にまず考えさせ、「どうしたらいいと思う?」と問いかけ、その答えに対してアドバイスするという過程を踏むことが重要です。そうすることで、課題が一つひとつクリアになり、部下に主体性が育まれ、そのことで中堅社員の彼がいつまでも現場で動き回ることなく、もっと上位の仕事に時間を使える状態ができてきます。
マネジメントは即効性は望めませんが、根気強く「課題」を自問自答し、また部下にも問いかけ続けることで、少しずつ変化が現れることは間違いありません。

まとめ

私自身、現場代理人を任され、始めて部下を持ったときのことを今思い出していました。それまでは自分一人で現場を納めていればよかったところに、今度は部下の教育もしながら現場を進めて行かなければならない。「どうやったらいいのだろう?」と、自分自身「マネジメント」ということすら分からず、部下の教育方法も教わっていない中で、自分なりに知識のない状態で悩んでいた記憶があります。
建築業界の特にサブコンの現場代理人は系統立ったマネジメント手法は会社から教わっていないのが実情です。だからこそ、現場という小さい組織集団でのマネジメントが疎かにならないよう、「現場におけるマネジメントとは?」を多くの中堅現場代人の方に知っていただけたらと思います。

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宮本 一英
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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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