現場で「職人さんが指示をしても動いてくれない」「上司からの指示を職人さんに伝えるが、うまく聞いてもらえない」「新人ということで舐められる」など、新入社員から2~3年目までの若手社員がコミュニケーションの方法が分からず苦労しているという悩みを聞くことがあります。
このような悩みは彼ら若手社員の経験が浅く技術的な知識が浅い、育ってきた環境で対人的な会話技術がそもそも無い、職人が若手社員を軽く見ているなど色々な要因があると思います。
「この社員は性格が大人しくて内気だから、仕方がないのでは」というような性格の問題として片づけてしまっては、伸びる社員も伸びないまま経験年数だけ重ねることになります。この記事では、建築現場でサブコン若手社員が協力会社の職人さんや建築の大工さん、鉄筋屋さん、内装屋さんに自分が相手にどうしてほしいかを上手に伝える方法について、1冊の書籍を紹介しながら解説したいと思います。
その本は「1分で話せ」 伊藤羊一著 です。
» 優秀な人材が育つ!定着する!売上が増える!『サブコン専門 人材育成支援サービス』とは? «
「結論」→「理由」→「例えば」で話そう
コミュニケーションとは、相手にどう動いてもらいたいかが結論としてあって、そのための手段であり、「相手が動いてなんぼ」であると著者は言っています。
新人の設備の現場監督が陥りやすい話し方として、例えば型枠の壁が建った後に鉄筋屋さんが壁配筋をしますが、その後に壁スリーブを入れるタイミングを知るため、配筋する時期を鉄筋屋さんに確認する場合。
「すみません、この壁の配筋はいつ頃やる予定ですか?」
「何で?今忙しいから、後にして」という会話がダメな例で、話が前に進みませんね。
これを、「結論」→「理由」→「例えば」でまとめると、
「すみません、この壁にスリーブを入れたいんですけど、配筋はいつ頃ですか?」(結論)
「あー、今日夕方までにはやるよ」
「ありがとうございます。鉄筋を少しいただけませんか、補強はこちらでやるので。スリーブ5本分です」(結論、理由)
「いいよ」という具合です。
自分が相手にどうしてほしいかが明確で、理由をきちんと伝えていますね。また、具体的にスリーブの本数も提示しています。
このように、「結論」→「理由」→「例えば」の伝え方の型を意識していると、スムーズに相手に伝わります。
右脳を刺激してイメージを想像させよう
この本では、正しいことを言うだけでは人は動かない、人はイメージを想像することで、感情が揺さぶられる。と右脳を刺激することの重要性を指摘しています。
現場は日々、納まりを確認しながらまた時には建築や設備同士、電気などいろいろな要素での取り合いで考える場面が多く発生します。こんなとき、納まりのことを言葉でいくら
相手に説明しても、なかなかイメージが沸きません。新人のときは、専門知識が浅いうえに、説明が上手くできないため、相手はチンプンカンプンになりがちです。
右脳を刺激するためには「図で描く」ことが一番です。知識が浅い新人でも、自分がイメージすることを拙い図でもいいので、描いてみると言葉で言うより数倍相手に伝わります。
是非、レベルブックは常に携帯し、いつ何時でもすぐに取り出してスケッチ図が描ける様に準備しておきましょう。
「超一言」のキーワードで表す
著者は自身の過去のプレゼンで、Eコマースの戦略を話したときのことをこう記しています。今日、明日のお届けでなくてもいい商品がいくらでもある。「〇月〇日にお届けします」
ときちんと納期を明快にすれば、受注率は上がるはずだと提案し、「これは、きっちりくるから『キチンクルン』というモデルです」と言ったそうです。この超一言がプレゼンした相手の会社の社長に褒められたということでした。
現場での会話の中でその場その場でタイムリーにこのような一言で伝えるのは難しいでしょう。しかし、「結局こういうことなんですよ」という的を射た比喩でもいいし、「例えて言うなら」でもいいと思います。長々と説明するより、その「一言」を言えるクセをつけることが必要ではないかと思います。きっと相手もこの一言が頭の中に印象強く残り、
次の行動へ動きやすくなるでしょう。
まとめ
新人のサブコンの現場監督は、上司、協力会社の職人さん、建築の監督、建築の職人さんと、他業界の新人より多くの人、それもどちらかと言うとクセの強い人たちとのコミュニケーションを取らなくてはいけない境遇にあります。社会に入っていきなりいろんな人に
「お前の言っていることはよく分からん」「何が言いたいの?」などと首を傾げられている場面は多いようです。
そんな新人君たちにも分かりやすく、「相手に伝わりやすい」、「相手を動かす」伝え方についてお話しました。このことは、新人だけでなくベテランの方でも参考になる内容ではないかと思います。是非、現場で、職場で、自分の話し方、伝え方がどうなっているかを見直していただけたら幸いです。
「建築設備」「施工管理」の人材育成でお悩みのあなたへ
シエンワークスでは、解決のサポートをいたします。
まずは、資料請求をしてみてください。
建築設備現場で働く
社員に笑顔を
社員がメキメキと成長し、的確に判断して主体的に動けるようになり、残業や遅延なく業務を遂行できる。
現場も社内もやる気と活気に満ちて、楽しくイキイキと働きながら、無理なく売上・利益が増えていく。
そのような会社を目指されている、サブコン社長・経営幹部の方は他にいらっしゃいませんか?
株式会社シエンワークスでは、
『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を通じて、人材の育成・成長、離職率の低減、売上・利益の向上を支援しています。(人材開発支援助成金が活用できます。)
首都圏・関東周辺のサブコン様を対象に、出張&初回無料相談を承っております。
以下より、お電話またはメールにてお気軽にご連絡ください。