新入社員研修のプログラムの中に、「仕事の基礎力」について考えたり、身に付けてもらうための内容を組み入れています。仕事をするうえで最も大切なことは何か、を研修の中で新入社員たちと一緒に考えていきます。
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ドローンについて調べる
仕事の基礎力について考えるとき、研修で新入社員たちに提示するワークがあります。それは、「ドローンについて調べてください」というものです。提示したことは、これだけです。数人のグループに分かれて、スマホで検索してもよし、chatGPTに教えてもらってもよし、ということで15分時間を取って調べてもらいました。
調べ終わった段階で、グループの代表の人に調べた結果を発表してもらいます。
ドローンの歴史、名前の由来、使用用途、性能、人が乗れる機種、ドローンにまつわる様々な内容を事細かに調べてくれました。ドローンに詳しい人がいて、私自身知らなかったことも知識として披露してもらえました。
この15分という時間が、彼らにとってどんな時間だったか。このワークが終わった後に、
こんな言葉をかけました。
「私がドローンについて調べてくださいと言ったとき、みんなは、『何のために使うドローンですか?』と聞かなかったよね」
このときの新入社員たちの反応は、比較的無表情ですが、唖然としていました。
このワークの目的は、まさに「仕事の目的」を考える、ということ。私が「ドローンについて調べて」と言ったとき、「ドローンの使用目的」あるいは、「ドローンの何について」
調べるのかを考え、相手に問うことが仕事をするうえで必要なこと、ということを彼らに知ってほしかったのです。
これが仕事の目的を考えるということで、仕事の基礎力であると考えています。部下が上司からある仕事を頼まれたとしましょう。その仕事が、どういう目的なのか、背景は何か、
この仕事が全体の中でどういう位置づけなのか、ということが大まかでも分かっているのとそうでないのとでは、仕事の質が大きく変わってきます。その仕事内容が初歩の小さなことであっても、いや、だからこそ新入社員の頃から、その意識を持って仕事をすることが重要であると思います。
よい依頼の3つの条件
仕事を依頼するとき、3つの条件を意識してお願いすると効率的かつ品質のよい結果が得られるというお話をします。
新入社員が現場に配属になり、しばらくすると職人さんに単純な作業の指示をするタイミングが訪れます。例えば、スリーブの墨出し、取り付けを指示する場合です。
このとき、依頼する内容が曖昧だったり、いい加減だったりすると、間違った結果になることが予想されます。ところが、次の3つの条件をクリアにすれば、指示を受けた職人さんも確実に正確な作業を行うことができます。その3つの条件とは、
1.動作が明確
<指示された職人さんが、自分で「体の動かし方」をイメージできる>
例えば、墨出しはスリーブ図の中のどのエリアの何本のスリーブの墨か?どこから墨を追うのか?墨出し後、その場でスリーブ取り付けをするのか、配筋後か?スリーブ材はどこにあり、どう運ぶのか?取り付け後は写真を撮るために連絡をするのか?
2.期限が明確
<「いつまで」にやるか?、「工数」は?
期限は重要です。工程表を職人さんと共有するのはもちろんですが、その日の朝指示するスリーブ本数を今日中に入れるのか、3日後までなのか?また、その期限に応じて今日は一人だが、明日は二人なのか?天候によっては、明日雨だから明後日でもいいのか?
3.目的と背景が明確
前出した仕事の目的については、往々にして現場内でも共有されずに、その仕事単体で皆が作業していることが多いです。スリーブ取り付け工事については、それほど目的と背景は伝えることがないとは思います。しかし例えば、外壁にセットするスリーブだったら、その前方にガラリが取り付くので、多少のズレは大丈夫とか、鉄筋の補強は建築、設備どちらでやるなど。
以上、3つの条件がすべてクリアで尚且つ、周辺情報が漏れなく伝達されたら、職人さんは自分の体の動作がイメージできるため、「よい仕事の依頼」と言えると思います。
仕事の目的を考える イソップ寓話「3人のレンガ職人」
イソップ寓話で「3人のレンガ職人」という話があります。
中世のとあるヨーロッパの街。
旅人がある街を歩いていると、汗をたらたらと流しながら、重たいレンガを運んでは積み、運んでは積みを繰り返している3人のレンガ職人に出会いました。
そこで旅人は「何をしているのですか?」と尋ねました。
すると、3人のレンガ職人は次のように答えました。
1人目は、
「そんなこと見れば分かるだろう。親方の命令でレンガを積んでいるんだよ。
暑くて大変だからもういい加減こりごりだよ」と答えました。
2人目は、
「レンガを積んで壁を作っているんだ。金を稼ぐためにやっているのさ」と
3人目は、
「レンガを積んで、後世に残る大聖堂を造っているんだ。こんな仕事に就けてとても光栄だよ」と答えました。
3人のレンガ職人は、「レンガを積んでいる」という仕事は同じです。しかし、動機が全く違います。
働く意識、目的意識がまったく違います。
この寓話を研修の中で新入社員に話すと、納得したようにうなずいたり、ちょっとびっくりした表情をしたりと様々ですが、仕事に対する目的や価値観を少しでも考えるきかっけになったらと思います。
まとめ
仕事をするうえでどんなことを基礎として身に付けるか、あるいはどんな考え方を持って仕事に臨むかということについてお話しました。新入社員研修では、もちろん建築設備の技術的な概要や施工管理の基礎的な方法などを解説しますが、このような土台となる考え方も取り入れ、彼に新しい気づきが芽生えるような研修にしたいと思っています。
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