人は内面から変えようとしても変わらない
子どもの頃、親に「勉強しなさい」と言われても勉強しなかったとか、学校の先生に隣の子とおしゃべりするなと何回注意されてもおしゃべりし続けるとか、上司に仕事上のことで持論を聞かされてもそもそも納得していないとか、多くの人は他人(自分以外の人)から、ああしろ、こうしろと言われても反発しその通りに行動しないものです。
ひとりの個人を変えようとすることも難しいのに、ましてや組織を変えるというのはいつの時代、どの会社もどの部署でも組織長の頭の痛い悩みです。
それは、人と人の間に信頼関係が築けていない状態で、いくら指示命令を下しても相手が受け入れないのであれば、いつまで経っても平行線のままということになります。
環境を変えると人は気持ちに変化が現れる
それでは、どうするか。環境を変えてみるということを考えてみましょう。部屋の模様替えをする、普段使っている文房具を変えてみる、椅子を変えてみる、メガネを変えてみる
など、自分自身でできることで環境を変えられることはいろいろあります。
それらのことを変えてみるだけで、気持ちの中で変化が起こり、仕事へのモチベーションが上がったり、あるいは新しいアイデアが浮かんだりすることも少なくありません。
あるいは、今まで学生だった人が新人として入社し社会人として働く、去年度は総務部だった人が今年度から営業部員として営業回りをする、新しく町内会の会長を務める、若いママと赤ちゃんが公園デビューするなどなど、新しい環境の下でその人たちが仕事をする、生活するということは、何かしらの今までとは違う心の変化が生まれる大きな要素になります。
つまり他人から何か指示なりお願いされることより、その人の環境が変わることの方がその人にとってインパクトが強く、自分自身が変わる感覚が強く出るのではないでしょうか。
現場で環境を変えるには?
環境を変えるということを現場に取り入れるには、どのようなことが考えられるでしょうか。事務所のレイアウトを変える、事務所に観葉植物を置いてみる、女子事務員を雇うなどがありますね。
それ以外でやれそうでやれていないことがあります。それは「作業服を変える」ことです。
私が以前いた会社では、入社して何年間かはドブネズミ色の作業服で、「何でこんな色の
作業服を着てみんな普通に仕事をしているんだろう?」と疑問に思っていました。当初違和感を抱きながらも、怖いのはいつしか自分自身その作業服に慣れてしまっていたことです。つまり、あまりモチベーションが上がらない状態で何となく仕事をしていたという感じです。
ところが、入社から数年経って、どうしたことか作業服が一新し、デザインもよくなり、色も落ち着いたグリーンのものに変わったのです。このときは「やっと作業服が変わった」といううれしさと同時に、何か自分の中で仕事に対する心の持ち方が変わったように記憶しています。それだけ私にとって、この作業服が変わるということはインパクトのあるできごとでした。
環境の変化を利用して部下を成長させる
例えば、環境を変えるという手段として作業服を変えるということを提案してみました。
そこで大事なのは環境が変わったときに、つまり現場の部下やスタッフに心の変化が現れたときに、上司が改めて現場の方針や仕事の進め方、目標などについてみんなで話し合う機会を設けるということです。
普段、聞く耳を持たなかった部下も心に変化が出たことで、気持ちが動くかも知れないからです。今回は作業服のお話をしましたが、環境を変える手段は他の方法でもいい訳で、
要は環境を変えて部下の心境を変え、そのことできっかけを作り部下を成長させることを
考えてみましょう。
まとめ
作業服を変えることは全社的なことで、トップの判断も必要なこともあり決裁が下りるにはハードルが高いかも知れません。しかし、現場からの声が強いという話を上げれば、
会社としても考慮していただけるのではないでしょうか。
あなたの会社では今の作業服は何年前から変わっていませんか?
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