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新入社員研修は形だけになっていないか
外部に研修を依頼する場合、外部講師が会社に赴き、例えば新入社員研修を1日とか数日間にわたって実施します。新入社員研修の場合は、彼らが入社したばかりのため、社内の講師の場合でも、講師の顔とその人がどういう役職で、どの部署の人なのかが分からない場合が多いです。なおさら、外部講師が研修で教えに来ても、その人がどんな人なのか、
どういう経歴で、人柄はどうかなど不安を抱いたまま、研修に臨むことになります。
研修内容が技術的な知らないことばかりだった場合は特に、研修講師の人となりが分からないと講義の内容が頭に入ってこない、つまりシャッターが下りたままで時間が過ぎていく状態になりがちです。
通り一遍の講師と受講者の関係では?
研修講師と受講者の間に信頼関係が築けたら理想ですが、短い研修の時間内では難しいです。研修が3日間だとしたら、3日目にやっと信頼関係が築けたということでは、研修前半部分の内容が頭から抜け落ちていることもあり得ます。
外部講師が単発の短い期間で、研修することだけに気持ちを取られていたら、いわゆる通り一遍の講師と受講者という関係で終わってしまい、お互いに有意義な時間とならないでしょう。
短い時間で信頼関係を築くには
私の新入社員研修のプログラムは全5日間で、建築現場がどんなところか、建築設備の概要、施工管理とは、管工事の施工の基本、そして社会人としての心構え、学ぶことの意義についてなどをグループワークやテストを交えながら、行っています。研修内容として、専門の技術的なことも含めて充実しており、ワークや発表もあり、気の抜けない研修になっています。だからこそ、研修講師である私と受講者である新入社員との関係がぎこちないと、有意義な時間にならないため、信頼関係の構築が大事な要素と考えています。
そこで、私が新入社員研修の前に事前に行っている、ある「行事」があります。それは、新入社員一人ひとりと私との「個人面談」です。個人面談というと、堅苦しいイメージがありますが、そんなことはなく、気軽にお互いのことを知るための雑談です。この面談に使用するのが、日本産業メンタルマネジメント協会が作成した「面談マンダラシート」です。
このシートを予め新入社員一人ひとりに配布します。中央のマスに自分の名前と面談日を記入し、周りの8つのマスに、自分の趣味、好きなこと、将来の夢、失敗したこと、自分の性格、嫌なこと、目標、やってみたいことなどを自由に直感的に書いてもらい、面談当日に持参してもらいます。私も、同様に現在の自分のこと、心境など書き込み、当日このシートを交換し、お互いに気になったキーワードについて質問し合う、というものです。
このシートは特に初対面の面談のときは威力を発揮します。何もない状態でただ、「趣味は何ですか?」と聞くと、とりとめのない質問になってしまい、場が盛り上がりません。
このシートですと、自分のいろいろな面が書かれているので、お互いに気になるキーワードで話しが盛り上がるというメリットがあります。新入社員研修以外でも、現場フォローの若手社員との初顔合わせ時にも使用していて、効果を感じています。
事前面談のメリットと効果
この面談マンダラシートを使った、事前の個人面談で新入社員一人ひとりとの会話をすることで、その人がどんな趣味趣向があり、どういう考え方を持っているかということが大まかに分かります。そして、私のことも知ってもらうことで、短い時間内ですが、「通り一遍の研修講師」という位置付けから「信頼のおける人」に格上げされるということなのです。この下準備があって、5日間の研修に対して私自身も身が入るし、受講者である新入社員もこの人の話を聞いてみようという気持ちになると思います。
まとめ
今回は、面談シートを使った新入社員研修の事前面談について、お話しました。管理職や現場代理人の方で、年2回くらい実施される会社で決められた評価面談を部下の方と実施されているかと思います。そのときに、普段あまり部下とプライベートのことを話したことがなく、あまりコミュニケーションがよくとれていない、という上司の方は、このような面談シートを活用してみてはいかがでしょうか。きっと、その効果を実感し、「部下とこんなに個人的なことで話し合ったことがなかった」と思われることは間違いありません。
ぜひ、試してみてください。
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