お役立ちコラム

建築設備 機械基礎の目的と必要性 

建築設備の機械基礎は普段、何の気なしに目にしたり、あまり深く考えずに機械があるからその下に基礎を入れておこうなどと考えてしまいがちなのではないでしょうか。設計図の機器表に基礎の有無や防振基礎などの仕様が書かれてはいますが、その根拠がきちんと検証されて記載されているかどうかは疑わしいところもあります。
また、設備設計図には基礎の記載があるのに、建築図(構造図あるいは意匠図)には記載が無かったり、逆に設備ではそこに機器が無いのに建築図に記載があったりと、設計図での不整合はたまに見受けられる事象です。
このように設備機器の基礎は、建築工事も関連することもあり、安易に考えていては問題が発生することもしばしばあるので注意が必要です。

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機械基礎の目的

ここで基本に立ち返って、設備機器の基礎の目的について考えていきましょう。
機械の基礎すなわち、機器を据え付ける(固定する)目的は、地震時に移動、転倒、落下などにより損傷しないように、また、地震後に機器の機能が確保されるようにすることです。この目的を果たすために基礎(通常はコンクリート)があり、その基礎にアンカーボルト等で緊結し、固定します。

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基礎は本当に必要か?

私は現場に配属されて間もないころ、この機械基礎については疑問がありました。
「なぜ、わざわざコンクリートで立ち上げて、基礎というものを作る必要があるのだろう?」と。私のように、そういう素朴な疑問は上司に聞くこともなく、後々経験を積むことで理解していくことが多いと思います。
今、改めて考えてみると、コンクリートスラブに直接アンカーをセットするなり、後打ちアンカーで固定してもいいのではと考えてしまいます。それでOKであれば基礎工事は必要なくなり、その分建築工事としてはコストダウンになるのですが。

基礎をコンクリートで立ち上げる理由

わざわざ基礎をスラブの上に立ち上げる理由とは何でしょうか。

1.アンカーボルトの強度を確保する

耐震計算をした機器のアンカーボルトは強度を確保するために必要な径と長さが算定されます。そのアンカーボルトに適正な強度をもたせるために、アンカーボルトの周りに一定寸法以上のかぶりが必要になります。例えば、コンクリートスラブの厚さが150mmのところに長さ150mmのアンカーボルトはセットできません。
このように基礎を立ち上げる一番の理由として、アンカーボルトの強度を確保するために一定寸法の立上げ高さを設けることが上げられます。

2.床面の水から機器を守る

緊急時の漏水で床面に水が溜まってしまうこともときには発生します。水位にもよりますが、150mmでも機器を立ち上げておけば少しでもその被害は免れるでしょう。

3.メンテナンススペースを確保する

受水槽など6面点検する必要がある機器などは、底面も点検スペースとして確保します。このときは、必要寸法600mmをゲタ基礎として立ち上げます。

建築への要望は初期段階で

設備機器の基礎は、設備から建築に大きさ、形状、高さそしてどの位置にという情報を提出し、躯体図に合成して作ってもらいます。機器の仕様が変更になったり、場所が変わったりの理由でコンクリート打設のタイミングに合わず、後回しにされてしまうこともあるので、注意が必要です。機器の仕様やレイアウトについては早い段階で決定し、建築の躯体工事やコンクリート打設時期を見越して段取りし、情報を流すようにしたいものです。

まとめ

どんな仕事でもそうですが、普段当たり前だと思い込んでいることで、実はそれってなくすことはできないか?とか、他のやり方でもできないか?という思考は必要だと思います。
例えば、設計では防振基礎になっているけど、この場所で本当に防振は必要か?あるいは、コンクリート基礎ではなくてもアングル架台の基礎でも強度的に問題ないのでは?というように。今回は基礎のお話を題材にして、素朴な疑問から発想を広げてみることもたまにはいいのではと思い、書きとめました。

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宮本 一英
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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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