お役立ちコラム

建築現場でヒヤリハットを無くす3つの方法

建築現場での安全管理は重要な管理項目の一つ。というか、「安全はすべてに優先する」とどこの現場でもスローガンとして掲げられているように、現場で働くすべての人が安全で気持ちよく働けることがみんなの望みでもあるし、企業の使命でもあります。
常に危険と隣り合わせの現場作業。現場でのヒヤリハットを無くすには、日頃の作業員や監督職員の潜在意識に働きかける必要があります。

建築現場の多くの事故はヒューマンエラー

現場での事故の多くはヒューマンエラーから発生すると言われています。私が長年の現場経験で遭遇した事故は、多くは人が引き起こした「うっかりミス」や廻りの状況をよく確認しないで起きた「判断ミス」が多かったと思います。
私自身、現場でヒヤリハットを数多く経験しました。そういう「おっと、危ない」と感じたことを思い返すと、自分の心の不安定な状態や集中力の欠如からくる内容がほとんどでした。

ヒヤリハットを無くすにはどうすればいいか

無理をしない勇気を持つ

つい、このくらいなら大丈夫だろうと、危険を承知で無理な行動を取ってしまうという心理は、少なからず人間にはあります。「誰も見ていないから、いいや」という気持ちで、やってしまう。仕事を早く終わらせようという焦りから手順を飛ばしてしまうなど。
これは、現場作業だけでなく、職員の現場管理業務においても同様のことが言えますね。
「工程の途中で、この内容のチェックを面倒だから端折ってしまう」というようなことをすると、後々、大きな問題に発展することがあります。無理をせず、基本の手順通りに作業する勇気を持つことが重要です。
 

危険予知能力を磨こう

とかく新人の頃は経験が浅いため、こういうことをするとどういう危険があるのか、問題が起こるのかということが理解できない場合が多いですね。痛い目に会って初めて危ないことだと分かるというのは、子供までの話。就職して現場に出て、初日でケガをするという職人さんや若い監督さんが少なからずいるのは、親方や現場の先輩の教育が徹底されていなかった場合もあると思います。
経験の浅い人には、なかなかイメージすることは難しいと思いますが、安全教育ビデオがYouTubeなどで無料配信されているので、それらを活用して危険予知能力を磨く訓練をすることも必要です。

指差し呼称で安全意識を習慣づける

安全意識を潜在意識にまで刷り込むことが重要と言いましたが、それではどうすれば効果的でしょうか。それは、「指差し呼称」で声に出して自分自身に注意喚起すること。
ポイントは危険がある場面場面で、具体的な言葉を発するということです。朝礼のときだけ、指差し呼称してもあまり意味がありません。
例えば「段差つまずき注意」「開口部転落注意」など具体的に注意喚起を言葉にすれば、
より一層、意識がその一点に集中され、それを繰り返すことで潜在意識に落とし込まれるのです。指差し呼称を現場の全員に習慣化させることが、安全管理のキモであることをお忘れなく。

まとめ

「ハインリッヒの法則」はみなさんもお聞きになったことがあるかと思います。1件の重大な災害の裏には、29件の軽微なミスや災害があり、そし300件のヒヤリハットがある、という法則です。
毎日の現場での作業において、一人ひとりがどれだけ数多くのヒヤリハットを経験し、危険を感じ「アッ、やばい」とつぶやいていることでしょう。1つの重大災害を起こさないために、ヒヤリハットの数を最小限に抑える工夫を考えましょう。

 

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ABOUT ME
宮本 一英
シエンワークス代表 ★サブコン社員が楽しく活き活きと働ける環境を作りたい!★★ 【資格】 ・建築設備士 ・1級管工事施工管理技士 ・消防設備士(甲種1類) ・空衛学会設備士(空調・衛生) 東京都出身/55歳にして自我に目覚める/筋トレ/ピアノ/人間観察/瞑想/お笑い
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