お役立ちコラム

現場代理人がスタッフに仕事を任せるポイントその2

前回のコラム「現場代理人がスタッフに仕事を任せるポイント」では、上司である現場の責任者、現場代理人が部下のスタッフに仕事を任せる目的についてお話しました。今回のコラムでは、一歩踏み込んで仕事を部下に任せるうえでの具体的な内容について述べてみたいと思います。

現場代理人がスタッフに仕事を任せる目的とポイント

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マニュアル作りはタスクばらしから

例えば、こういう状況で考えてみましょう。
施工管理の経験が浅い入社3年目のA君という若手社員が現場代理人であるあなたの現場に配属になったとしましょう。施工管理の経験は2年と短いA君なので、この現場の施工管理をすべて1から10まで任せるというのは、難しい状況です。
上司が部下に仕事を任せる手順の第一段階として、部下が携わる仕事のマニュアルを部下に作らせるのです。その際、注意するポイントして、上司であるあなたがホワイトボードなどを使い、部下と一緒に施工管理の内容、手順、注意すべきこと、品質チェックポイントなどについて細かく細かく、小さいところまで分解し、いわゆるタスクばらしを徹底的に行います。
その時、部下が途中で立ち止まってしまったら、あなたは「どういうところが分からない?」
と質問し、部下が「この部屋の床コロガシ配管の施工日数が分かりません」と答えたとします。そこであなたは、「例えば配管屋さん2人で施工する場合、何日くらいかかると思う?」と、部下に考えさせながら進めて行きましょう。

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マイルストーンを決め進捗管理する

この上司と部下が一緒に考えて練りあげた内容で、部下にマニュアル作りをさせることが、仕事を任せる第一段階と申し上げました。
第二段階としては、そのマニュアル作りをタスクのひとつと捉えたときに、そのタスクの進捗状況をマイルストーンにより管理します。マイルストーンとは、出発点からの距離を1マイルごとに置かれた石によって分かるようにしたものです。マニュアル作りを管理する場合、例えば天井内工事、床コロガシ配管、仕上工事、器具付け、外構工事、試運転
などのブロックに分け、それぞれの工事をマイルストーンに設定し、進捗を管理するという具合です。

1on1ミーティングを活用する

マニュアル作りの進捗を確認するときマイルストーンで管理しますが、そのときに「どう?進んでる?」ひと声かけて終わらせないようにしましょう。
10分でもいいので、1on1ミーティングを実施することをおすすめします。
あなたが、「今週、どうだった?」
部下、「上手くいっています」
「上手くいっている秘訣を考えてみよう」上手くいっていなければ、「つまずいている理由は何?」「どこが分かれ目?」
部下「○○○○」
「そこがポイントか、それを一言で表すとどうなる?」
というように、質問を重ね部下がどこでつまずいているかを部下の口から引き出し、その部分を「一言」で表すことで二人の間で共通言語として問題が明確になります。そこを上司が捉え、「それだったら、どういう風にすればいいだろうね」と、部下自身に答えを出させるように促すことがポイントです。
1on1ミーティングを仕事の日常の中に取り入れ、自然とその場ができるように上司であるあなたが心がけるようにしましょう。

答えを言ってはいけない

部下とのミーティングで注意しなければいけないのが、上司がついつい忙しいからと言って、部下の質問に対して答えを言ってしまうということです。その場で正解を言ってしまうと部下が自分で考えるクセを持たなくなり、いつまで経っても上司に依存し成長しなくなってしまうでしょう。
優しいあなたは、つい親切心から答えを教えてしまいがちですが、そこをグッとこらえ、
部下の成長を第一に考え、「○○君だったら、どう考える?どうすればいいと思う?」と
切り返して質問を返すようにしてください。そうすれば、部下は自分で考えるクセがつき、
主体的に仕事をするマインドが備わってきます。

まとめ

2回に渡って、「現場代理人がスタッフに仕事を任せるポイント」についてお話してきました。現場のスタッフが入社3年目未満の若手社員や経験がまったくない派遣社員しか配属されないという状況で、自分一人だけ動き回っているという現場代理人の方は多くいらっしゃるのでないでしょうか。
そういう状況の中でも、部下に仕事を任せることで部下を成長させ、そうすることで部下のやりがいを生み、代理人であるあなた自身も本来の責任者としての仕事に時間を割くことができ、現場の生産性が向上することと思います。

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宮本 一英
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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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