お役立ちコラム

安全パトロールはWebカメラで

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従来の安全パトロール

前職のサブコン時代の現場安全パトロールは、こんな段取りで行っていました。
安全委員があるAという現場の責任者に安全パトロールに行く大まかな時期を確認します。安全委員はその現場の担当工事長と安全協力会の協力会社2社に連絡を入れ、A現場
に安全パトロールに行く旨を伝え、全員の日程調整をし、日時を決めます。
安全パトロール当日の朝、会社の支店に安全委員、工事長、協力会社の2社4名が作業服、安全靴を着用して集合します。そのとき、それぞれのヘルメット、安全帯、現場の作業員に配るタオルを人数分用意して、社用車に乗り込みます。
遠い現場だと、片道1時間半も車に乗っていかなければなりません。往復で3時間、ほとんど一日を安全パトロールに費やしてしまいます。
最近では車で運んでいた物は宅配便で送り、現地集合現地解散になっているようです。
しかし、安全パトロールにそこまで時間をかけるメリットがあったのかと、費用対効果を考えると疑問に思います。

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新型コロナウィルス対策で安全パトロールも変わる

昨今、新型コロナウィルス対策で多くの企業がリモートワークを取り入れ、在宅勤務も当たり前になってきました。建築業界については、現場自体はリモートで建物を作るということは現在のところ不可能ですが、現場に関わる業務をリモートで行うということは可能なのではと考えたとき、安全パトロールをリモートでできないでしょうか。
わざわざ何人も集まって、現場の中で列をなして歩いたり、車で時間をかけて行ったり来たりする必要があるでしょうか。
安全パトロールをリモートでできたら、いろいろなことが省略でき、ある意味形だけだった安全パトロール自体の価値も見直すいい機会だと思います。

安全パトロールをリモートにしたら?

安全パトロールをリモートで行うにはどうすればいいか。いろいろ考えてみました。
まず、現場の状況を映し出すにはカメラが必要です。現場職員の若手社員の方のヘルメットに小型のWebカメラを装着します。このカメラを使用し、若手社員の彼に現場を順番に歩いてもらいます。
現場事務所の中から、職人の詰所の清掃状況や備品の設置状況、そこから場内の朝礼会場へ行き、安全通路を通って屋上へ。そし下階へと下ります。場内の資材置場の整理整頓状況を確認し、作業員の作業状況を重点的に映します。
このカメラに映った状況を彼に実況中継してもらいます。映像だけだと、分かりにくいと思うので、さらに音声を入れ現場の状況に解説を入れてもらうことが必要です。
そうして録画した映像と音声を編集し、それを「パトロール」(リモートで)する人たちへ
データで送信します。データが重くなることが懸念されるので、データ便などを使うとよいでしょう。
録画した映像ではなく、実況中継している映像と音声を生でZOOM会議で流すと、より臨場感は増す
と思うので、臨機応変に使い分けましょう。

ZOOMで安全パトロール会議

その現場状況データをパトロールメンバーの方たちで共有し、同じ映像、音声を確認しながらZOOMでのリモート会議でそれぞれの注意点や感想を述べ合うという形を取ります。
こうすれば、各人の現場に行くという時間が削減され、現場の安全対策がきちんと行われているかの確認に注力できます。
安全パトロールをする側だけでなく、パトロールを受ける側も準備や来客?の対応の手間が省け、現場責任者が現場を一緒に歩く時間も削減できます。
しかし、現場所長としては、リモートになったからと言って、現場の都合が悪いところは映像に移さないという気持ちはあるかとは思います。そこは現場を無事故無災害にするという目的をよく思い返し、「現状はこうだけど、こういう対策を講じる予定です」というように前向きに考えましょう。

まとめ

従来の安全パトロールの形態は、手間と時間がかかっていました。しかし、このコロナ禍の時代、建築現場でもリモートを進んで取り入れるという動きが出てきています。現場そのものは人が集まり、職人さんが直に施工して初めて建物ができていく訳ですが、現場関連の業務の中でこれとこれは実はリモートでもできるのでは?という発想はいつも持っていたいと思います。

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宮本 一英
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首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を提供しております。大学卒業後、35年間中堅サブコンにおいて現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「売上・利益の向上」を支援しています。

【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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