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抱え込むリーダーを卒業して、チームで成果を出す

今回のテーマは「現場のプレイングマネージャーの苦悩」です。中堅サブコンの現場所長の悩みとして、「管理職としてのチームの成果」と「個人としての業績」、さらに「部下の育成」と多くを会社から求められていることです。そして、納期が迫ると、部下を使うより自らが残業によって乗り越えようとする傾向があります。

これは、チームのために自分を犠牲にする「自己犠牲型リーダー」タイプといえます。大量の業務を一人で引き受け、結果的にマイクロマネジメントに陥り、部下の自主性や満足度を損なうのです。また、自己犠牲により疲弊したリーダーは、ストレスが溜まり、心身に悪影響を及ぼすだけでなく、部下からの評価も低下します。

別のタイプとしては、「強権的リーダー」があります。自分の考えや判断を最優先し、部下の意見や状況を十分に聞かずに指示や命令で組織を動かそうとするリーダーのことです。これも部下のモチベーションは下がり、チームの業績は低迷します。

プレイング・マネジャーとして成果を上げるには、自己の業績に固執せず、チームメンバーに裁量を与え、フィードバックをしっかり行うことが重要です。

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自分が動く現場から、人が動く現場へ変える

それでは、現場所長に求められるのはどのようなものかを考えてみましょう。
それは「自分が一番働く人」ではなく、「チームの成果を最大化する人」になることです。

多くの現場所長は、工程管理、品質管理、安全管理、原価管理、顧客対応など多くの業務を抱えています。さらに人手不足の現場では、若手社員のフォローや職人不足への対応まで求められます。そのため、つい自分で現場指示や細かな業務に手を出してしまいがちです。

しかし、現場所長がプレイヤーになってしまうと、本来やるべき管理業務がおろそかになります。例えば、自ら職人への指示や工程調整に没頭している間に竣工までのやるべきことの優先順位や安全上のリスク、ゼネコンとの追加変更の要望などの重要な問題を先送りしてしまう可能性があります。

現場代理人の本当の仕事は、「自分が作業をすること」ではなく、「現場全体の方向性を示し、人が成果を出せる環境をつくること」です。

そのためには、まず現場のメンバーに対して「何をするか」ではなく、「何を達成するのか」という目的を伝えることが重要です。

例えば、「今週中に外構の埋設排水配管工事を終わらせてくれ」ではなく、「来週から試運転調整で水出しするので、排水できる状態にしたい」という目的を共有します。
目的を理解すると、現場のメンバーは自分で考えて行動できるようになります。

また、人によって指導方法を変えることも重要です。経験豊富なスタッフには、目的だけを伝えて任せるべきです。細かく指示を出し過ぎると、かえって自主性や責任感を失わせてしまいます。

一方で、経験の浅い若手には、「何を達成するのか」「どのような点に注意するのか」まで伝えながら育成していく必要があります。

さらに未熟な社員には、目的だけでなく具体的な行動手順まで示し、成功体験を積ませることが大切です。

そして、自分が答えを出すことよりも、人を育てることを重視します。問題が起きたときも、「こうやれ」と答えを与えるだけではなく、「なぜそうなったと思う?」「どうすれば次は防げると思う?」と問いかけることで、部下の判断力を高めています。

そして最も重要なのは、「自分がいないと回らない現場」を目指さないことです。自分が休んでも、別の現場に行っても、現場が回る仕組みをつくるのです。
そのために、以下のことに力を注ぐことが大切です。

・現場の目的を共有する
・判断基準を統一する
・報告ルールを整備する
・権限を適切に委譲する
・「現場を納める」以上に「人材を育成する」ことに注力する
優秀な現場所長とは「何でも自分でできる人」ではないのです。

まとめ

現場所長に会社が求めるのは「自分が一番頑張ること」ではなく、「チームの成果を最大化すること」です。

現場では納期や人手不足のプレッシャーから、所長自身が作業に入り、残業や休日出勤で問題を解決しようとするケースが少なくありません。しかし、そのやり方では部下が育たず、所長がいなければ現場が回らない状態になってしまいます。

本来、現場所長の役割は、自分で仕事を抱え込むことではなく、現場の目的を共有し、適切に仕事を任せ、人材を育成することです。メンバーが自ら考えて行動できる環境をつくることで、チーム全体の生産性と成果は高まります。

優秀な現場所長とは、「何でも自分でできる人」ではなく、「人を育て、仕組みをつくり、チームで成果を出せる人」です。

会社が持続的に成長するためには、個人の頑張りに頼るのではなく、自分がいなくても現場が回る組織をつくることが重要なのです。

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ABOUT ME
宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役

首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を提供しております。大学卒業後、35年間中堅サブコンにおいて現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「売上・利益の向上」を支援しています。

【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)