お役立ちコラム

建設現場を「絶対悲観論」で考えてみる

» 優秀な人材が育つ!定着する!売上が増える!『サブコン専門 人材育成支援サービス』とは? «

「絶対悲観論」とは?

今回は「絶対悲観論」がテーマです。これは一橋ビジネススクール特任教授の競争戦略が専門の楠木健氏の著書のタイトルです。以前読んだのですが、再読してもおもしろかったので、ご紹介します。

この『絶対悲観論』は、未来に対して安易な楽観を抱くのではなく、「悲観」を前提に長期的な視点で生き抜く姿勢を説いたものです。

楠木氏は現代社会は、過剰なポジティブ思考に傾きすぎていると指摘し、実際の経済や社会には予測不能の不確実性が常に存在することを強調します。

そのため、将来に期待を託すのではなく、あえて「うまくいかないかもしれない」という前提から思考を始めることが、かえって現実的で持続可能な戦略につながるといっています。

この考え方は、個人のキャリアや企業経営にも応用されます。多くの人が「きっと成長できる」「必ず市場は拡大する」といった期待に基づいて行動しがちですが、そこには失敗や停滞への備えが欠けてしまいます。

絶対悲観論では、まず最悪のシナリオを想定し、それでも生き残れるように準備を整えることが重要だと説きます。これは防御的な姿勢ではなく、むしろ確実性の低い未来を前向きに受け止め、柔軟に対応するための思考法といえます。

また、楠木氏は「長期的な利益」を強調します。短期的な成功やブームに一喜一憂するのではなく、時間をかけて積み重ねられるものこそが本物の成果であり、それを得るためには悲観的な見通しに基づく冷静な意思決定が欠かせないとしています。

つまり、悲観は悲観のためではなく、現実を直視し続けるための知的な態度であり、長期的な幸福や利益の基盤となるものだと位置づけられています。

このように「絶対悲観論」は、未来を信じて突き進むのではなく、不確実性を前提にした現実的で謙虚な姿勢を取ることで、むしろ安心して行動できる希望を導き出すことが目的です。

希望を失うのではなく、悲観を通じて揺るぎない長期的な視野を持ち、人生や経営における不測の事態に耐え抜く力を育むことが、大切であるとこの本はいっています。

<参考文献>
「絶対悲観論」(楠木健) 講談社

首都圏・関東周辺のサブコン社長・経営幹部の方へ|優秀な人材が育って定着し、売上・利益が増えるサブコン経営のヒント 「人材さえいればもっと売上・利益を伸ばせるのに… 優秀な人材を十分多く確保してもっと売上・利益を伸ばしたい…」 とお考えの首都圏...

「絶対悲観論」で現場の施工管理を考えてみる

建設現場というのは、多くの人・資材・工程が複雑に絡み合う場であり、常に不確実性と隣り合わせです。天候不順、資材の納期遅延、協力会社の人員不足、さらには安全災害や近隣からのクレームなど、思いもよらぬ事態が日々起こり得ます。にもかかわらず、現場の運営はしばしば「きっと大丈夫だろう」という楽観に基づいて進められがちです。

スケジュールを予定通り消化できると信じ、事故やトラブルは発生しないものとして計画を立てる。こうした姿勢こそが、後になって大きなしわ寄せを生む温床となります。ここに「絶対悲観論」の視点を導入すると、現場運営の考え方は大きく変わります。

絶対悲観論の核心は、「最悪のシナリオをまず想定する」ことにあります。例えば、工程計画を立てるときに「雨で3日間作業ができない」「主要な協力会社が急に欠員を出す」「検査で不備が見つかりやり直しになる」といった状況をあらかじめ織り込む。安全管理においても、「この作業手順で事故が起こるとしたら、どこが引き金になるのか」と徹底的に洗い出す。つまり、成功を前提にした計画ではなく、失敗を前提にした備えを最初から組み込みます。

こうして想定されるリスクをあらかじめ可視化しておけば、実際に問題が起きたときにも慌てず、すぐに代替策に移ることができます。

この考え方は、防御的で後ろ向きなものに見えるかもしれません。しかし実際には、むしろ現場で働く人々に安心をもたらします。「もしうまくいかなかったらどうしよう」という漠然とした不安は、現場の空気を重くし、士気を下げます。

ところが、最悪のケースまで想定して手を打っておけば、その不安は軽減されます。「ここまで準備してあるのだから大丈夫だ」という確信が、むしろ前向きな行動を生み出すのです。悲観を起点とすることで、逆に安心して現場に臨める。この逆説こそが、絶対悲観論が現場に力を与えるポイントといえるでしょう。

さらに、絶対悲観論が強調するのは「長期的な利益」です。建設現場では、目先の工程短縮やコスト削減に追われ、無理をして事故を招いたり、品質に妥協したりする例が少なくありません。その場では成果に見えても、後になって補修ややり直し、さらには信頼失墜という大きなツケを払うことになります。

対して、悲観を前提に「余裕を持った工程」「手戻りを防ぐ確認」「安全第一の作業」を積み重ねていけば、短期的には効率が悪く見えるかもしれませんが、長期的には事故ゼロ・品質安定というかけがえのない資産を築くことができます。これはまさに、楠木氏がいう「時間をかけて積み上げる本物の成果」に重なります。

まとめ

建設業界は今、人手不足や工期短縮プレッシャーといった大きな課題に直面しています。そのような時代だからこそ、楽観的な見通しに頼るのではなく、「何が起こってもおかしくない」という悲観を前提に現場を設計することが重要です。

悲観を出発点にすることで、むしろ安心して働ける安全な現場、信頼を積み重ねる強い組織が育ちます。そしてその姿勢は、現場監督一人ひとりが日々の意思決定に取り入れることができます。小さな悲観の積み重ねが、結果的に大きな希望を形づくるのです。

「建築設備」「施工管理」の人材育成でお悩みのあなたへ
シエンワークスでは、解決のサポートをいたします。
まずは、資料請求をしてみてください。

無料資料請求はこちらから

「残業が多い」「現場や育成担当の負担が大きい」「社員が辞めてしまう」人材不足でお悩みの首都圏・関東周辺のサブコン社長・経営幹部の方へ 優秀な人材が育つ! 社員がイキイキとして定着する! 売上・利益が増える! 「サブコン専門 人材育成支援サービス」 研修・現場支援・コーチング

建築設備現場で働く
社員に笑顔を

社員がメキメキと成長し、的確に判断して主体的に動けるようになり、残業や遅延なく業務を遂行できる。

現場も社内もやる気と活気に満ちて、楽しくイキイキと働きながら、無理なく売上・利益が増えていく。

そのような会社を目指されている、サブコン社長・経営幹部の方は他にいらっしゃいませんか?

株式会社シエンワークスでは、
『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を通じて、人材の育成・成長、離職率の低減、売上・利益の向上を支援しています。人材開発支援助成金が活用できます。)

首都圏・関東周辺のサブコン様を対象に、出張&初回無料相談を承っております。

以下より、お電話またはメールにてお気軽にご連絡ください。

サブコン専門 人材育成支援サービスに関するお問い合わせ

お問い合わせ、お申し込み、初回無料相談はこちら

042-398-0203

メールでのお問い合わせはこちらから

お問い合わせはこちら
ABOUT ME
宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役

首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を提供しております。大学卒業後、35年間中堅サブコンにおいて現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「売上・利益の向上」を支援しています。

【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

関連する記事
お役立ちコラム

若手の育成は個と向き合うことから

2020年4月4日
建築設備・施工管理(サブコン)の人材育成ならシエンワークス
企業研修制度は画一的 企業における社員研修は、スタートラインに立った新入社員が新人研修を受けたり、2、3年目の若手社員の技術的なスキルを習得するための研修など、これはこれで必要な …