建築設備の現場管理をするうえで、現場スタッフを社員だけでまかなおうとすると、受注した物件をこなし切れないという状況に陥ってしまいます。社員数に応じて受注件数をコントロールせざるを得ないというサブコン様も多いのではないでしょうか。
経営的には受注して何とか工事高を目標に持っていきたい。その場合は、派遣社員を動員して対処するということになるでしょう。正社員の教育も大事ですが、派遣社員も正社員同様に効率的に教育をして短期間で現場に馴染んでもらい、成果を出してほしいというのが現場代理人の願いでもあります。
では、「派遣社員だから、教育はそんなに親身になってできない」という意識を捨て、成果を上げてもらう教育はどのようにすればよいかを3つのポイントにまとめました。
このコラムを読むと、派遣社員が明日から活き活きと動き出すようになります。
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仕事の目的を伝える
派遣社員といっても、どのくらいの年代で経験が何年かということにもよりますが、正直
バリバリの30代、40代の経験者はなかなか探しても見当たらないのが現状です。そこで今回、経験が浅いかあるいは未経験の20代前半の派遣社員に対しての教育を考えたいと思います。
まず、一つ目のポイントは「仕事の目的を伝える」です。
往々にして正社員だけ仕事の全体の流れ、一つひとつの作業の目的が分かっており、派遣社員は枝葉の単純作業だけ頭を使わずに指示されたことだけこなしている、という状況になっていないでしょうか。そうだとしたら、考えを改めなくてはいけません。
例えば、来週から外構工事が始まるとしたら、ただ現場の付近に立たせ「写真撮影と勾配チェックをやるように」とだけの指示だったらどうでしょうか。そうではなく、設計図で建物全体の給排水の系統を見せ、施工図でピット配管図から外構図へどういう水の流れになっているかを説明することが必要です。そこから、どう品質のチェックをするのか、写真はどういうアングルで何に気を付けて撮るかなどのこまめな指示により、ようやく派遣社員は自分の仕事の内容が把握できます。
その上で更に、この外構工事の役割や目的を説明すると仕事の意味が腹落ちし、仕事に対してモチベーションが高まります。
責任感を持たせる
2つ目も重要なポイントですが、「責任感を持たせる」ということです。
経験の浅い派遣社員だから、正社員の手元や簡単な作業、雑用などしかやらせない、ということでは効率よく現場を運営することはできません。派遣社員といえども、一人のマンパワーと捉えれば、無理のない範囲で責任を持たせ仕事を任せることが必要です。
先ほどの例のように外構工事の一部のエリアを管理させるというのもいいでしょうし、
あるいは、ある階のダクト工事の品質管理を任せるというのでもいいでしょう。責任をもたせ仕事を任せることも派遣社員のレベルアップにつながります。
心理的安全性のある職場
最後に「心理的安全性のある職場を目指す」ということを上げたいと思います。これはどういうことかというと、「自分はこの現場にいて安心する」「この現場事務所にいるとやりがいを持って仕事ができる」という心の安定を感じられるような職場にするということです。派遣社員だからといって、正社員と差別したり、悪い意味で特別な扱いをするというようなことがあってはいけません。事務所のスタッフ全員が派遣社員に対しても同じ会社の社員として同等に扱い、お互いに仲間意識を強く持てるような関係性を築くことが必要です。この雰囲気ができると組織の中で心理的安全性が確保され、気持ちよく仕事ができ
るようになります。
まとめ
正社員だろうが派遣社員だろうが、同じ現場事務所で働くスタッフの一員であり、同士です。一番問題なのが「派遣社員だから」という気持ちで接してしまうこと。こういう気持ちがどこかにあると、ちょっとした言動に現れ、関係がぎくしゃくしてしまいます。フラットな気持ちで前記した3つのポイントに注意しながら教育することで、派遣社員がレベルアップし効率よく現場が進むと思います。
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