お役立ちコラム

現場での1on1ミーティングのやり方が分からず困っている現場代理人の方へ

昨今、1on1ミーティングの重要性が取り上げられ、さまざまな業種の企業で取り組みが進み、それが実際に継続して実行されているという話を耳にします。
しかし、その実態はまだまだ日本の会社に文化として浸透していないのでは、という実感はあります。特に、建設業界における、個々の建築現場内での上司と部下の間での「面談」は、ほとんど行われていないのが実情です。
施工管理の現場における悲しい現実として、多くの若手社員の離職がテーマとしてある中で、いかに現場での上司、部下間のコミュニケーションが大事かを、1on1ミーティングを通して考えてみたいと思います。

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現場の施工管理における若手社員の離職問題

現場での施工管理は、特に建築設備業界では仕事がきつい、いつも忙しい、残業時間が長い、上司や職人さん(建築、設備)たちとのコミュニケーションがうまく取れないなど、
人それぞれ理由が少しずつ違えど、若手社員が辞めていく実態は変わらないようです。
また、彼らが「辞めます」と初めて会社なり、直属の上司に宣言するタイミングは、いつも辞める直前が多いのも共通しています。
辞めると決心した社員に、「なぜ、もっと早く相談してくれなかった?」と嘆いても、後の祭り。ではなぜ、そのような状態になるまで上司は気がつかなかったのか?
ここで、考えなくてはならないのが、上司と部下との1対1の対話が定期的に行われていたかどうかということです。

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離職率を下げる1on1ミーティング

1.1on1ミーティングの目的とゴール

若手社員が突然、「会社、辞めます」と言って、退職願を出す行為を未然に防ぐにはどのような方法があるでしょうか。このためには、日頃の現場の中での上司と部下との対話、いわゆる1on1ミーティングを定期的に行うことが有効です。
社員の離職を防止するということ、つまり社員が気持ちよく、少しストレスは感じるものの、充実して働ける職場環境が作れること、これが1on1ミーティングのひとつの目的です。
また、この対話を継続することで、スタッフ全員で協力し、お互いの存在を認め、ひとつの現場を造り上げていくという一体感が生まれ、全員が晴々とひとつの現場の竣工を向かえることが、区切りとしての1on1ミーティングのゴールと考えています。若い社員にとって、一つの現場が自分の力が加わって出来上がったという達成感、その積み重ねが次以降の現場にも反映されていくという循環が最終のゴールとなると思います。

2.現場で1on1ミーティングを行うには

現場の最前線で働く責任者の方、いわゆる現場代理人の方は、若い頃上司に面談なんてしてもらったことがない、という方がほとんどではないでしょうか。だから、自分が上司と話すときは、上司からの指示と、上司から「あれ、できてるか?」という途中経過の確認に答えることぐらいだったのではないでしょうか。
そんな上司から面談されたことがないあなたが、部下に対して面談しようとしても、「どうやったらいいか分からない」という方が大半でしょう。では、どのように1on1ミーティングをやったらいいかをポイントを上げて、お話します。

日と時間を決める

最低でも2週間に1回は実施しましょう。習慣化するために時間も最初のうちは15分と決めて、例えば現場から上がってきた夕方にするなど取りやすい時間帯を選びましょう。

上司2:部下8の割合で面談する

とかく面談といっても、上司からの指示やこういう風にやった方がいいよなどと、どうしても上司が多く話しがちになるものです。そこをグッとこらえて、部下から話を引き出す、極力部下に話をさせるという姿勢で取り組みましょう。

雑談から入り、テーマへ

プライベートの支障のないことや、ちょっとした部下の変化などを観察して言葉にすると場が和み、部下も話しやすくなります。そのあと、その日のテーマ、例えば、「最近元気ないけど、仕事上で何か悩みでもある?」とか「今任せている、協力会社Bの管理は上手くいってる?」というように、話題を決めて話すといいでしょう。

ひたすら聴く

ポイントとしては、やはりひたすら聴くことに徹するということです。質問したことから返ってくる言葉に、あなたの意見をかぶせるのではなく、その言葉にさらに質問して、「そう、感じているんだね。それはどういう理由からかな?」と深く部下の中に入っていく感じです。言葉が出ないときは、違う角度から話すなど、最初は難しいと感じるかもしれませんが、回を重ねることが大事です。

まとめ

1on1ミーティングは、現場などの小単位の組織の中では、なかなか実施されていないのが実状でしょうし、これから新たに始めようというのも難しいとは思います。しかし、だからこそ、現場という会社から離れた作業条件の中でそのチームの中でのコミュニケーションを円滑にするためにはぜひ、実行していただきたいと思います。
社員一人ひとりに「あなたのことを見ているよ、理解しているよ」という会社、上司からのメッセージを何よりも若手社員は望んでいます。1on1ミーティングを若手社員の気持ちを前向きにさせる一つのツールとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

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宮本 一英
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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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