お役立ちコラム

現場代理人がスタッフに仕事を任せる目的とポイント

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自分で何でもやってしまう病からの脱却

ある程度(中規模)以上の現場では、現場代理人がいてその下に入社2~3年目の若手社員と外注の派遣社員2名程度が配属させる人員配置が多いのではないでしょうか。
この場合、現場代理人としては、ナンバー2の社員は5年目以上の経験がある人を会社に要望したいところでしょう。しかし会社としても、現場の数をこなすことを考えると5年生くらいの経験であれば、小さい現場を一人で任せたいところです。
バリバリと、今まで一人でいくつもの現場を掛け持ちでこなし竣工させてきた現場代理人が、部下を複数持っても身体に染みついた何でも自分でやってしまう病が頭をもたげ、動き回ってしまうという傾向が少なからずあるようです。特に建築業界の現場では多いですね。これはその代理人が、「部下が経験不足だからしょうがない」という理由でやむを得ずそうしているということは理解できます。
しかし、いつでもいい部下(経験がありデキる部下)が下に就くとは限らないのが現実です。そこで、自身が満足いかない人員配置で、いかに部下に任せて成果をあげるかについてお話したいと思います。

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何のためにわざわざ部下に仕事を任せるのか?

現場で部下に仕事を任せるとは、何の目的があるのでしょうか。多くの人が「自分の仕事を部下に分担し、自分の負担を軽くし本来の現場代理人の仕事をするため」という答えを出すのだと思います。確かに一面はその通りです。しかし、最も大事なことがあります。それは、「部下を育成するため」ということです。「現場が死ぬほど忙しいのに育成している暇なんかない」というのが大方のご意見でしょう。実は、死ぬほど忙しくならないようにするためにも、育成することは重要なポイントです。

仕事を任せるとは「自由」と「責任」をセットにする

ここで、仕事を任せるということについて考えてみたいと思います。部下に仕事を任せるとき、一から十まで詳細に指示を出し、それについてすべてをチェックし進捗を確認したり、途中で部下がつまずいたとき代理人がその仕事を変わりにやることは「任せる」とは言いません。「任せる」とは、部下に自分で考えさせ、与えた仕事を最後までやり切るまで
見守るということです。自分で考えて「自由」に仕事をする一方、失敗しても、つまずいても最後までやり切るという「責任」をセットで与えることが仕事を任せるということです。
例えば、部下が配管の墨出し位置を間違えて出してしまった。配管が完了した後に気がつき手直しが必要になった。このとき、代理人が配管屋さんに「俺が誤っておくから、直させておけ」と言ったら、部下は何も責任を感じず、成長もありませんね。
では、どうするか。
「墨出しを間違えたのは、何が原因だと思う?」「そういうことだったんだね」「次からはどうすればいいだろうね?」「配管屋さんには自分から理由を話して、直してもらうようにお願いしてみよう」という具合です。これであれば、失敗の原因を自覚し、対策を自分で考え、責任を取ったことで成長を促せます。

まとめ

現場の責任者である現場代理人の仕事で最も重要な仕事は何でしょうか。現場のスタッフに的確に仕事を分担し、それらが適正に進捗しているかの確認をし、工程が遅滞なく進捗しているかを常に管理し、施工の品質が保たれているか、現場が安全か、会社、建築、設計事務所、施主との関係を良好に保っているかなどなど、仕事は山ほどあります。その中で最も重要な仕事。それは、スタッフを「育てる」ということです。これが軽視されてきているから、前記の他の仕事も完全ではなくなってしまうのだと思います。現場での最小単位である事務所内のスタッフとの信頼関係を構築することがまず、現場代理人が心すべきことなのです。

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宮本 一英
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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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