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サブコンの施工管理者が、「先を見通す力」を伸ばす方法とは?

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「先を見通す力」とは何か?

今回のテーマは「先を見通す力」です。あるサブコンの施工管理者の若手社員の悩みとして出てきたのが、この先を見通す力の不足です。施工管理をするうえで、いかに先を読み、予知し、予見し、予測することが大事なのかは、私の長い経験からも実感として思うことです。
もう少し先を見通して物事を考えることができたら、その場でちょっと立ち止まって冷静に判断したら、あんな失敗をしないで済んだのに、ということが数多くありました。先を見通す力とは、施工管理をするための重要な要素の一つであり、じっくり考えるものであると捉えています。私の現場での反省も含めて、「先を見通す力」とは何なのかを考察したいと思います。

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先を見通していなかったために起きた私の失敗談

私が以前いたサブコンの新築現場で起こった設備事故の話をします。
受水槽の清掃作業で、排水した水がピット内で溢れ、隣の熱源機械室の床上5cmまで水が上がってきてしまった、という事故です。
そのとき現場は竣工間近で、受電後機械類に電気が通り試運転調整を開始したばかりのタイミングでした。地下2階に80tの受水槽が設置されており、その受水槽の清掃作業を行うため、2名の清掃専門業者さんが朝礼から参加しました。
私は、彼らに「この受水槽の清掃をお願いします。排水はこのバルブを開けて」と指示をして、現場を離れました。水は受水槽の中に満水に近い状態で入っていました。朝礼が終わって2時間くらい経ったころでしょうか。誰かが、「大変です、地下2階の床が水浸しになってます!」と叫んでいました。
私は何事かと思い、地下2階の熱源機械室に駆け降りると、床一面に水が溢れている。
「やってしまった!受水槽の水だ」
とっさに、ピット内水中ポンプを手動で回し、全員総出で水替え作業を行いました。30分くらいでやっと水が引き、機械室の機械類にも影響が出ず、事なきを得ました。

この事故の原因は、ピット内水中ポンプの制御用電極の電源がOFFになっていたことでした。ポンプの電源はONになっていましたが、電極が働かなかったため、ポンプが作動しませんでした。
つまり、受水槽の清掃をする→受水槽の中の水を排水する→ピットに水が排水される→ピットの水位が上昇する→電極棒で水位を感知する→水中ポンプが作動する→マンホールから水位を確認する→問題なく排水されたら受水槽の清掃開始という手順をきちんと踏んでいれば、今回の事故は防ぐことができました。「受水槽の清掃作業」という問題が起きそうではない作業と甘く見ることなく、どういう流れで物事が流れていくかをきちんと予測し、そのための確認事項を一つひとつ確実に行っていれば、問題は起きませんでした。
先を見通すことができずに、軽い気持ちで作業指示を出した自分に腹が立ちました。

サブコンの施工管理者が「先を見通す力」を身に付ける方法とは?

それでは、サブコンの施工管理者にとって重要な「先を見通す力」を現場で身に付けるた
めには、どうすればいいのかを考えてみました。

「先を見通す力」とは、物事の未来を予測し、最適な行動を取るための判断をする能力を指します。この能力は、施工管理者として非常に重要です。建設現場では、多くのスタッフが関与し、進行中の作業が複雑に絡み合っています。小さな遅れや不測の事態が発生した場合、それがプロジェクト全体にどのような影響を及ぼすのかをその場で見極める必要があります。この力があれば、問題が発生する前に適切な対策を講じることで、円滑な現場運営を実現できます。

たとえば、工期が厳しい状況で天候の悪化が予想される場合、資材の調達や作業のスケジュールを再調整することで遅れを防ぐことができます。また、作業員の疲労が見られる際には、早めに休憩や交代要員を手配することで安全性を確保できます。こうした先を読む力は、効率的で安全な現場運営を実現するために不可欠です。

この力を身につけるためには、以下のような取り組みが有効です。

1)経験を積む
実際の現場での経験が最も効果的です。問題が発生した際、その原因と結果を分析し、次に活かすことを繰り返すことで、直感的に未来を予測する力が養われます。現場経験の浅い段階から、常に先を見る思考を養い、施工管理にあたる意識が必要です。

2)過去のデータを活用する
類似プロジェクトの進行状況や問題点の記録を分析することで、未来のリスクを予測しやすくなります。例えば、特定の時期や条件で発生しやすい問題を把握しておけば、先手を打つことができます。

3)広い視野を持つ
現場だけでなく、関係する業界全体の動向や経済状況、天候予報など、外部要因にも目を向けることが重要です。広い視野を持つことで、現場内だけでは気づけないリスクやチャンスを捉えられます。

4)シミュレーションを行う
現場の状況を元に、仮説を立ててシミュレーションを行う習慣をつけると、複数のシナリオに対する準備が可能になります。たとえば、「もし雨が3日間続いたらどうなるか」を具体的に考えることで、実際の対策がよりスムーズに進むでしょう。
今回の私の失敗談も、このシミュレーションを行っていれば、解決できた事例です。

5)コミュニケーションを強化する
作業員や協力会社との定期的な意見交換を通じて、現場の状況を把握するだけでなく、潜在的な問題を事前に発見することができます。現場全体の「声」を聞くことで、先を見通す視点がさらに広がります。

6)計画、準備に時間をかける
施工前には必ず計画が必要です。施工計画書を作成し、どういう材料を使い、どういう手順で、どのようなポイントに注意すべきか、安全対策は万全か、という必要事項について徹底的に時間をかけて考える、ということが重要です。これを疎かにし、表面的に計画したつもりになっていないかを自問自答すること。十二分に計画しつくしたかを自分に問いかけることを習慣にしましょう。

先を見通す力は一朝一夕で身につくものではありませんが、日々の努力と意識的な取り組みで徐々に鍛えることができます。この能力があれば、困難な状況にも柔軟に対応できる、信頼される施工管理者として活躍できるのです。

まとめ

サブコンの施工管理者にとって「先を見通す力」は重要です。この力は、現場の複雑な状況を把握し、小さな遅れや不測の事態がプロジェクト全体に与える影響を見極め、適切な対策を講じる能力です。これにより、円滑で安全な現場運営が可能になります。

これを身につけるためには、現場経験を重ね原因分析を繰り返すこと、過去データの活用、広い視野の確保、仮説に基づくシミュレーション、現場全体との密なコミュニケーション、完璧な施工計画が有効となります。

日々の努力でこの力を鍛えることで、柔軟に対応できる信頼される施工管理者を目指せます。

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ABOUT ME
宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役

首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を提供しております。大学卒業後、35年間中堅サブコンにおいて現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「売上・利益の向上」を支援しています。

【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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