若手の現場施工管理の社員が3年持たずに辞めてしまう。新人研修をして、現場配属したが現場に馴染めず、長続きしない。このように、施工管理社員の離職にお悩みの管理職の方は多いのではないでしょうか。
このコラムでは、そんな社員の離職を少しでも軽減するために、若手社員の上位職の主任から課長職以前の役職の方、つまり新人や若手社員を部下に持つ現場責任者のマネジメント教育について考えてみたいと思います。
コラムを読み終えると、会社の管理職の方が中堅社員のマネジメントの在り方を理解して、彼らがどのように新人や若手を育てていくことが重要なのかが分かり、新人の芽を摘むことなく現場がチームとして機能するようになる手がかりがつかめます。
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若手社員の離職率を下げるには中堅社員の教育が重要
新卒入社の若手社員が3年から4年の経験を積み、そこから自分一人で小さいながらも現場を任される施工管理技術者として巣立つためには、そのための教育が必要です。また、巣立つ前に辞めてしまうということも考えられます。若手の離職の原因としては、残業時間や待遇面でのこともありますが、今回は「やりがい」に重点を置いた、教育面でのお話をしたいと思います。
新入社員が現場に配属されると、その現場には現場代理人である上司がいます。現場の規模にもよりますが、今回は中小規模の現場で上司が複数の現場を掛け持ちしているという状況を設定してみます。この場合、配属された新入社員あるいは2~3年目の若手社員は常に上司が現場にいるということではなく、現場に一人で残される状況も出ます。すると自分自身で判断し、管理することが発生する場面も発生し、この状況での若手社員の気持ちの状態が重要になってきます。
「上司に連絡したが、音信不通でどうしたらいいか」
「この作業は今日の予定に入っていなかったけど、指示があったっけ」
「職人から施工方法で聞かれたけど、自分では判断できない」などなど。
こういう状況は日常茶飯事に発生します。
若手社員を不安にさせない、仕事に前向きに取り組めるような気持ちを日々持たせるために、現場代理人である中堅社員は、部下の教育をきちんと行わなければならないのです。
中堅社員の若手に対する教育方法に問題がある
建設業界の特に現場では、未だに若手の教育についていわゆる昔ながらの、
「俺の背中を見て、俺のやり方を盗んで自分で考えて仕事しろ」的な指導方法?が実際に行われています。これは、今の現場代理人である30代前半の上司が若い頃、同じように先輩たちに「現場を見て覚えろ。いちいち聞くな、自分で考えろ」と言う風に変な意味での鍛えられ方をされてきたため、自分も同じようにしか部下を教育できないということです。建設業界とは、そういうものだと思い込んで仕事をしてきて、まあなんとかできてしまってきたのでしょう。その教育方法でくじけてしまって辞めた人もいたでしょう。つまり生き残った人たちが、今新人たちを部下に持っているということになります。
その上司たちはこう言うでしょう。
「甘やかしては、仕事を覚えないから」と。しかし、甘やかさないことがイコール教育することでしょうか。教育する意識をその上司、いわゆる中堅社員の方たちに持ってもらうことが必要だと思うのです。
中堅社員教育で重要な3つの視点
中堅社員の教育と言っても、ではどのくらいの年代の人に対する教育が必要でしょうか。
まずは、30代の主任になって初めて部下を持った人で、現場代理人の経験が浅い人。このような人は、管理職になる前の段階で、マネジメントをこれから習得していくことが会社から求められている人たちです。彼らは、部下を持ったことでどのように部下を教育していいか、どのように接したらいいかが明確になっておらず、迷っている状態です。だからこそ、きちんとしたマネジメント教育が必要なのです。では、どういう視点で教育したらいいでしょうか。
1.自分の仕事を効率化する
自分が抱えている仕事が目一杯で、部下の面倒まで見られない。ということがあると思います。任されている現場が複数あるという状況もあるでしょうが、その中でいかに時間当たりの生産性を上げるかという視点が必要です。毎日の仕事に精一杯で効率化についてじっくり考える時間が無いのであれば、会社でそのための仕組みを作ることが必要です。
2.会社との情報共有
自分の仕事の状況や部下との関係性、現場の進捗や原価管理についてなど、忙しさが増してくると、どうしても会社への情報伝達量が少なくなり、スピードも遅くなってきます。そうなると現場に火が付いたり、部下が突然辞めたりと言ったトラブルが発生します。会社への情報伝達は習慣化するよう指導することが必要です。
3.部下のマネジメント
会社との連絡もそうですが、一番大事なのは部下と情報共有し、部下をマネジメントすることです。前記にあるように、部下が現場で不安になる要素は、上司である中堅社員が部下に連絡を入れることを躊躇して、情報が共有できていないことが大きいです。
これは先ほど上げた、自分もそのように先輩から育てられた経験があり、部下を教育することは面倒で、こちらが黙っていても仕事を覚えるものだと思い込んでいるとしたら、その考え方を改めさせる必要があります。その意識を変えさせることが第一歩で、そこからは会社と中堅社員、若手社員の三者で情報共有のルールを決め、ビジネスチャットのツールを使用するなどの取り組みが必要です。
まとめ
施工管理における中堅社員の意識改革を中心に、若手社員の離職率を下げるには、という内容でお話させていただきました。若手社員は業界での労働時間や待遇などの環境面において不満や疑問などを抱いているとよく言われています。しかし、それとともに最も重要な「やりがい」の面で、自分のやるべき仕事の全容やいつまでに何を、何のためにこの仕事があるのかなどのことが分からずに、ただ漠然と仕事をして目標を見失っているのだと思います。そのためには中堅社員が意識を変え、若手の育成に注力できるように会社として仕組み作りをする必要があると思うのです。
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