建築あるいは建築設備に関する本、現場での部下の教育や人材育成に関する本などを紹介するコーナーです。
今日のブックレビューは、
「短期間でやる気を引き出す! 個人面談」 高木 鉄平著 です。
たった15分の面談で業績が上がる
中間管理書である現場の所長あるいは、現場代理人のあなたは部下のことで悩んでいたりしませんか?または部下にどのように指導するべきか迷っていませんか?
部下はあなたの指示したことも満足にできない、言われた以上のことはまず期待できない、
何を考えてるのか分からない、やる気がない。など、数多くの不満が出てくるのではないでしょうか。
今までは、往々にして現場は体育会系のノリで上司から「怒鳴られながら」教育されてきた時代も
ありましたが、今はそういう教育は建築業界に限らず、パワハラと受け取られすぐに若手は辞めてしまいます。
では、どうしたらやる気が無いように見えていた部下が自発的に動くようになるのでしょうか。
そのヒントになるのは本書です。
「たった15分の面談で業績が上がる」とこの本で言っているように、面談で部下が変わり、組織としての業績が上がるというのだから、ちょっとやってみようかと思いませんか?
面談の目的と効果
面談の目的は「行動」につなげること。
面談をすることで、部下自らが目標を決め、その目標に向かってどういう方法をとればいいかを部下本人が自分で考えるようになる。これが面談の効果です。
面談というのは、ただ単に会話して終わりではなく、部下が成長した後の姿を部下自身がイメージできるような問いを上司が投げかけるように意識することが大事とこの本では言っています。
よりよい面談を行うには?
面談は定期的に継続することが大事。次の面談の日程を決めておき、そのときまでに何を実行するのかを上司、部下ともに決めておく。面談を継続することで、成長の過程が観測できるということですね。
また、この本では面談は紙に書くことを奨めています。紙に書くことで、視覚、聴覚、体感覚という3つの感覚を使うことをメリットとして上げ、著者が用意したシートが紹介されています。
それが、
〇面接マンダラシート
〇改善マンダラシート
〇企画マンダラシート
このシートは私も試しに使ってみましたが、9つのマスに記入することで文字として視覚に入るので、部下の考えていることが明確になり、面談の対話がスムーズに進みまた深く入ることができます。このシートはおススメです。この本の末尾にダウンロード用URLが記載されているので、利用されてみてはいかがですか。
部下の心理を読む
この本で私がなるほどと思ったのは、人(部下)が動く動機を知るということです。
最も原則的な人が行動する理由、それは「痛みを避ける」と「快楽を得る」です。ところがこの
「痛み」は「ムチ」、「快楽」は「飴」に置き換えるとしたとき、時代の変遷とともにこれらがおいそれとは使えなくなってきたと著者は言います。
そこで、世界ナンバーワンコーチと呼ばれているアンソニー・ロビンスが提唱する6つの人間の欲求を紹介しています。
それは、安定感、不安定感、重要感、愛つながり、成長、貢献の6つです。
この6つのニーズを理解することができれば、部下が動けない理由が分かると言います。
「果たして、自分の部下にはどのニーズがあるのか?」
このことも、面談の中で質問することで、部下の本音を聴き出してみる必要がありますね。
まとめ
面談といえば、会社が決めた定期的に行う昇給昇格時に行うものをイメージされる方が多いと思います。つまり、会社のルールだから忙しい中、時間を取って仕方なくやるという気持ちで私も以前はいました。しかし、面談は部下を成長させ、業績を上げるためのツールだと考えれば、やってみる価値はあるとお思いになりませんか?
ぜひ、この本で言っている面談の方法を取り入れて、部下に対して今までとは違う視点で対話してみてはいかがでしょうか。
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