お役立ちコラム

「具体と抽象」を建設業、サブコンの現場に活かすには?

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現場の施工管理に必要な「具体」↔「抽象」の往復

今回のテーマは「具体と抽象」です。これまでサブコン現場で、数多くの施工管理者を見てきましたが、優秀な管理者に共通する要素の一つとして、「具体」と「抽象」を往復して考えているかどうか、ということがあります。
つまり、「考える」ということは、何か自分自身の中に考えるための基準やものさしがあって、それに基づいて思考をめぐらすことです。その一つがこの「具体と抽象」です。
これができている施工管理者は物事を具体的に見て、一旦引いて俯瞰的(抽象的)に捉え、そしてまた具体的に調整したり変更したり、ということを繰り返しています。
これを考えることで、現場を見通す視点が近視眼的になって大局観を損なったり、あるいは計画が大雑把で細部が疎かになったり、ということがなくなり無駄のない効率的で精度の高い施工管理ができるようになります。

建設現場は、多くの作業員、機材、資材、そして複数の工程が同時に動いています。そのため、細部だけに集中していると、全体の流れが滞ったり、工程間の連携が取れなくなったりするリスクがあります。監督が現場を「抽象化」(俯瞰)することで、全体の動きや進捗状況を把握し、問題点や改善すべき箇所を早期に発見することができるのです。

例えば、施工現場で、並行して別々の作業が行われている場合、それぞれの作業の安全性や効率性を確認しながら、互いに干渉しないように指示を出すことが重要です。このとき、「抽象化」(俯瞰)する力があれば、作業が現場全体の流れにどう影響するのかを見極め、優先順位を付けて最適な指示を出すことができます。
このときの優先順位を付けて最適な、つまり具体的で精度の高い指示を出すことが、抽象化から具体化への行動になります。

このように、「具体」と「抽象」を往復する思考は、現場の安全管理、工程管理、品質管理を総合的に支え、優れた施工管理者としての成果を上げるために欠かせない能力なのです。

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「具体と抽象」とは?

「具体と抽象」の関係とその考え方とは、そもそもどういうものなのでしょうか。分かりやすい事例で説明しましょう。
例えばキッチンに、「きゅうり」「にんじん」「なす」「たまねぎ」「トマト」が並んで置かれているとしましょう。これらをまとめて一つの名前にすると、「野菜」ですね。
また、「犬」「猫」「猿」「羊」「虎」「狸」とくれば?.....そうです「動物」ですね。
このように、一つひとつがバラバラになっているのが「具体」、それらを何かの形でまとめて一つとして取り扱うのが「抽象」という関係です。

ここで、この考え方を現場に置き換えてみましょう。
「安全帯」「ヘルメット」「防塵マスク」「安全靴」「軍手」という「具体」を「抽象」の言葉で言い表すと、何になるでしょうか。
そうです、「安全用具」ですね。もしくは、「人間の身体を守るもの」とも言えますね。
この例で、具体から抽象に上がるイメージはお分かりになりましたでしょうか。

「具体と抽象」を現場管理に応用すると

今度は、現場の施工管理に「具体と抽象」を応用してみましょう。
例えば、一人の作業員が高所での作業中に安全帯を使用していないとしましょう。あなたは、その作業員にどのような言葉をかけますか?
一般的には、「〇〇さん、安全帯をしてください」と注意するでしょう。そこで、素直に安全帯を使用してくれればいいのですが、返事はしたものの言う事を聞かない人もたまにいます。こういうとき、「具体と抽象」で考えてみましょう。
安全帯を使用するという「具体」から、そもそも自分はこの作業員にどうなってほしいのか、という「抽象」を考えます。すると、「今日一日、この作業員が無事故で作業し、ケガなく安全に家まで帰すこと」という気持ちが出てくる。そうしたら、今度は具体的にどのように声かけするでしょうか。
このように考えると、その作業員に彼のためを思った優しい一言がかけられ、作業員はその日から安全帯を自分から使用するでしょう。

もう一つ例を出しましょう。
ある客先の工場内での改修工事Aが予定されていて、その安全計画書を作成するとしましょう。機器搬入計画、足場計画、作業人員計画、スケジュール計画、安全チェック項目計画など、計画項目を細かに策定します。
ここで先日、工場のお客さんから工事Aの後に計画している工事Bがあると聞いていたことを思い出します。その工事Bの安全計画も合わせてできないか、と考える。
例えば、工事Aと工事Bで共通して使用する足場の計画ができないか、あるいは工事Bの足場を一緒に先に組めないか、という抽象視点で考えるということです。
ここから、また具体に戻り、B工事分の足場組について詳細の計画を立てる、という具合です。

このように、現場の施工管理において「具体と抽象」の往復を繰り返し、思考することで、仕事の効率が上がり、品質も向上する循環が生まれてきます。
このことで、現場チーム全体のコミュニケーションの質と量も改善され、生産性が上がり、更に事故が減ることで客先からの評価も期待できます。

【参考文献】
13歳から鍛える「具体と抽象」 細谷功 著

まとめ

サブコン会社の施工管理者にとって「具体と抽象」の考え方は、現場全体を把握し、適切な判断を迅速に下すために必要不可欠な要素です。建設現場では、多くの作業や工程が同時進行するため、細部に偏ると全体の流れや連携が滞る恐れがあります。

効果的に思考法を身に付けるには、具体と抽象を行き来する思考を現場の実践で活用することです。これにより、個々の作業の背景や全体への影響を理解し、最適な指示を出すことが可能となります。また、俯瞰(抽象化)する視点は目的意識を高め、効率的な現場管理やチーム全体の意欲向上にも役立ちます。

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ABOUT ME
宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役

首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を提供しております。大学卒業後、35年間中堅サブコンにおいて現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「売上・利益の向上」を支援しています。

【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)