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建設業界の2024年問題、働き方改革の現状
建設業界が時間外労働の上限規制に対して、最近の調査からも現場が苦慮している現状がわかる記事がありました。
日本建設業連合会(日建連)は、2024年5月に始まった国土交通省との意見交換会で、会員企業を対象に行ったアンケートの結果を示し、発注者側にも問題があるとして改善を求める、とあります。
アンケートは、2023年11月から12月にかけて、会員企業59社を対象にアンケートを実施し、2022年10月から2023年9月の間に竣工した工事や、3億円以上の工事について、閉所日数や時間外労働の現状を調査したものです。
このアンケートによれば、約67%の現場で月45時間・年360時間の時間外労働のルールが守られておらず、約26%の現場では「36(さぶろく)協定」の特別条項も守られていないことが明らかとなりました。
しかし、週休2日に相当する土日閉所による4週8閉所以上を実現した現場の割合は、2022年度の調査結果の33%から50%に上昇しました。
建設業では、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されましたが、日建連の調査によると、2023年秋の時点で対応は進んでいないことがわかりました。
上限規制を守れていない要因の一つとして、発注者向けの書類作成業務の多さが挙げられます。日建連は、各社が法令を守れるように、書類の削減・簡素化やデジタルトランスフォーメーション(DX)による現場の生産性向上を発注者に働きかけるとしています。
<引用>日経クロステック:「建設現場の67%が時間外労働の上限超過、日建連調査」 (2024.5.21)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00142/01871/
このように、書類作成業務が時間外労働を多くする原因の一つといえます。
建設業界では、技術者以外でもできる業務を切り出し、専任の「支援室」を設置する動きが増えています。これは、現場の技術者の負担を軽減し、彼らが専門的な仕事に集中できるようにするためです。しかし、他人に業務を任せることに抵抗を感じるベテラン技術者も多く、各企業は工夫を凝らしています。
例えば、埼玉県東松山市の伊田テクノス(社員数240名)は、2021年度に建設DX推進室を立ち上げ、23年6月期には1人当たりの年間平均残業時間が1割以上減少しました。これは、現場のノンコア業務を未経験の事務系社員に任せる方針を採用した結果です。
次に、大成ロテック(社員数1209名)は2023年8月に本社に「現場業務支援室」を設置し、50以上の現場を支援しています。支援依頼は支社の「支援チーム」が受け、処理しきれない業務を本社の支援室が担当します。これにより、効率的にノンコア業務を処理する体制が整っています。
また、東京都あきる野市の成友興業(社員数224名)は2016年に設立した「工事管理部」により、若手の離職率をゼロに改善しました。書類作成や竣工前の社内検査などを担当することで、施工管理担当者の深夜残業を減らし、若手社員の定着を図っています。同社では21年度以降、入社1年以内の離職率がゼロになり、直近3年間の平均残業時間も月30時間以内に抑えられています。
このように、建設会社各社は支援室を通じて現場の技術者の負担を軽減し、働きやすい環境を整えています。支援室の導入は、現場の効率化や社員の定着に寄与しており、今後もこの動きが広がると期待されています。
<引用>日経クロステック:「図面・書類の作成は「現場支援室」へ、残業減だけでなく離職率低下も」 (2023.11.20)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/ncr/18/00200/110900006/
建設業、サブコンの現場支援部署の立ち上げ方法
弊社でも記事のようなサブコンの現場支援部署を立ち上げのサポートを行っています。このような部署をつくりにあたり、その留意点をまとめてみました。
業務の明確化
最初に、どの業務が現場管理者以外でも対応可能かを明確にすることが重要です。これには、現在の業務プロセスを詳細に分析し、技術的な知識や資格が必要ないタスクをリストアップします。
例えば、小規模工事や営繕工事の見積書作成、工程表作成、新築工事における安全書類の作成、施工要領書作成、定例打合せ議事録作成、工程写真の整理及び管理、その他諸官庁届出書類など、今まで多くの書類作成が現場業務で行われていましたが、これらを現場支援部で分担することの仕分け作業からスタートします。
支援室の役割と範囲の定義
支援室の役割と業務範囲を明確に定義します。これは、支援部のスタッフの経験と知識のレベルによって範囲が決まってきます。
例えば、工程表を作成する場合、マイルストーンやイベント、大枠の建築工程の流れの中でどのくらいの日程で設備工事を当てはめるかのルールを現場側で提示し、それを受けエクセルでの工程表入力を支援部で仕上げていく、というような役割分担です。
支援部スタッフの経験と技量によっては、建築工程表と設備設計図だけ受け取ったら、自分で工程を考え入力できてしまう、という人もいるかもしれません。ただし、必ず現場スタッフでのチェックは欠かせません。
業務マニュアルの作成
支援室のスタッフが円滑に業務を遂行できるよう、業務マニュアルを作成します。手順やチェックリストを用意することで、業務の質を一定に保つことができます。
業務の流れがお客様と直結するような、引き合いから現場調査、提案・見積、受注、現場の施工段取り、現場管理、工事後のフォローといった営繕工事では、工事全体の流れが可視化できるフロー図が必要です。
このフロー図に現場スタッフと現場支援部の業務を明確に仕分けして表記することで、業務に関わる全員が現場スタッフの本来の重要なコア業務を認識することができます。
適切な人材の選定と育成
支援室の業務を担うスタッフは、必要なスキルと適性を持った人材であることが重要です。また、必要に応じて、業務に関するトレーニングを実施し、スキルを向上させる機会を提供します。
そのために、支援部スタッフのスキルを一覧できるように、スタッフスキル星取表を作り、
今、自分はどのレベルのスキルがあるのか、今後どのようなスキルを習得できれば、より現場に貢献できるのだろうかということが分かり、モチベーション向上にもつながります。
コミュニケーションと連携の確保
支援室と技術者との間のコミュニケーションを円滑にするための仕組みを整えます。定期的なミーティングや報告体制を設け、必要な情報が適時に共有されるようにします。
何より、現場スタッフと支援部スタッフの連携が重要になってきます。日々の連絡のキャッチボールの方法を決め、習慣化するよう現場スタッフがリードする体制が望まれます。
そのためにも、双方の信頼関係の構築が最も重要です。それは、現場スタッフからの「ありがとう」の一言が毎日言えるかどうか、ということなのです。
評価と改善
支援室の業務運営を定期的に評価し、必要に応じて改善を図ります。フィードバックを取り入れ、効率化や業務の質向上を目指します。
例えば、会社組織としてこの現場支援部システムの評価基準を設け、現場スタッフ、現場支援部双方のヒアリングや定期的な合同ミーティング会も含め、評価し改善していくことが必要です。
以上が、専任の支援部署を設置し、現場管理者以外でもできる業務を切り出し、運営していくかの留意点です。このプロセスを通じて、現場社員が専門業務に集中できる環境を整えることが可能になり、客先への品質を向上させ、時間外労働の軽減、離職対策とつながります。
まとめ
建設業、サブコンの現場支援部署を立ち上げる目的は、現場の施工管理に携わる人の負担を軽減し、より現場スタッフがコア業務へ注力することで顧客への品質を向上させ、会社を発展させることだと思います。
また、会社全体の業務効率化を図ることで社員全員の残業が減り、一人ひとりが所定時間内での有意義な働き方を考え、それ以外の時間を個々の価値観に沿った、例えば家族との時間を増やすといったことに少しずつでもシフトできるようになることが、今後の建設業界の常識的な考え方に変わっていくことを望んでいます。
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