弊社シエンワークスのサービスの一つである「現場力サポート 24」は、ベテランの弊社社員が現場に赴き、サブコンの若手社員の方一人ひとりに指導支援をしています。
指導内容として、技術的な内容や工程管理、品質管理のノウハウ、部下の指導方法、相手に伝わるコミュニケーションの取り方、リーダーシップの考え方、時間管理方法など、
現場を回していくうえで必要なスキル、考え方をお伝えしています。
「現場力サポート 24」において、中堅社員と若手社員の方2名に指導した実例について、ご紹介します。
現場の振り返り会をKJ法でやってみた
今回の現場サポートは、ある改修現場の若手社員の方2名に対して、この現場が試運転調整を残す終盤に差しかかった段階で行った内容です。この現場を終わるにあたり、振り返り会という形で私とその社員の方と3人で実施しました。
上司の方は現場責任者で入社7年目の中堅社員、その下の方は入社2年目でまだ現場の経験が浅い段階です。
振り返り会の主旨は、この現場で起きた問題点や課題、もっとこうだったら良かったということを洗い出し、その原因から解決策を導き出し、今後の現場施工管理に活かすというものです。
問題発見と原因分析についてKJ法を使ってやってみました。KJ法とは、文化人類学者の川喜田次郎氏が考案した方法で、思いついた事柄を付箋に書いていき、関連性のあるものをグルーピングすることで、解決方法やアイデアを発想する手法です。書いた付箋は机の上のA1の白紙に貼っていきます。
問題発見
KJ法でまず問題発見をしようということで、2人にありったけの現場での問題点や理想の状態を付箋に書き出してもらいました。今回人数が少なかったのですが、それでも12枚出ました。大きく2つの項目にグループ分けることができ、「残業に関すること」と「工程、スケジュールに関すること」がテーマとして浮かび上がりました。
付箋の内容として、「残業が多い」「定時で退勤できればいいのに」「定時後の突発的な建築との打合せ」「建築工程の急な変更」「スケジュール通りに進まない作業」などです。
2024年問題で残業時間の上限が決められるなか、会社としても残業をしないようにと社員に要請するものの、実態は難しいようです。
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原因分析
2つのテーマのうち、振り返る内容を「残業を減らすために」に絞り、このテーマで原因分析することにしました。
同様に、残業が多くなってしまう原因を付箋に書き出します。出てきた内容として、「建築の仕上げ図面の変更」「建築工程の変更」「建築との打合せが長い」などの、建築関連の問題が一つ。また「知識不足のため図面作成に時間がかかる」「施工管理の経験が浅く、不慣れのため時間がかかる」といった自分自身の能力、スキル不足の問題の2点です。
解決策→行動計画
原因の分析ができたところで、次は解決策を考えていきます。ここでは、付箋ではなく自由に思いついたことや意見を出してもらいます。
建築関連については、「建築との打合せで設備とは関係ない時間があるとき、自分のPCを持参し作業する」とか、「安全書類の書類を今は手書きで出しているが、データ入力し効率化する」など、いろいろとアイデアが出てきます。
自分たちができることとして、材料の納品を代理店に依頼し、専用のBOXで管理する(階やエリアごとに分別)ということが出ました。これは実際にこの現場で実行したことで効果があった内容です。
まとめ
現場の振り返りを会社で上司や役員の前で行うということになると、緊張することもそうですが、形だけの繕った内容で終わってしまいがちです。
このように、現場のスタッフだけで意見交換し、ある程度ぶっちゃけ話をすることで、現場の悩みや核心をついた議論が交わされ、実のある解決策や改善策が生まれてくることが期待できます。
現場のスタッフ内でのミーティングがいかに重要かは、今回KJ法を使ったブレーンストーミングでみなさんと共有できたと思っています。
「現場力サポート 24」についての詳細は下記からご覧いただけます。