お役立ちコラム

ドレンレスエアコンの実現は夢なのか?

ある空調機メーカー様からご依頼をいただき、先日リモートでの研修を実施しました。
丸一日の研修でしたが、メーカー様の今後の販路開拓に伴い建築設備業界の裏事情や施工者としての経験からの話で、受講者のみなさんには興味深く聞いていただき、実のある
研修になったのではないかと感じています。

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建築設備施工管理の経験が思わぬところで役に立った

大学卒業後、あるサブコンで35年以上も現場の施工管理に携わり、いわゆる現場畑、技術畑一筋的な仕事をやってきた私。その建設業界のある一部分の空気調和、給排水設備の分野でしかも施工管理だけをやってきた訳で、それ以外の世界のことはほとんど知らぬまま過ごしてきました。
あることがきかっけで会社を辞め、今の会社を始めましたが、メインの仕事としてはサブコン様の若手社員の現場での教育サポートや新入社員の研修、あるいは資格試験の受験対策としての研修などを行っています。
ところが、ホームページにコラムを継続して投稿しているうちに、予期せぬ会社様や団体の方からお問い合わせをいただくようになりました。これはうれしい誤算と申しますか、
とてもありがたいことだと感じています。
今回も空調機メーカー様から仲介会社様経由でお問い合わせをいただき、研修の運びとなり、新しいご縁に感謝しています。
これも長年、建築設備業界に身を置き、現場で苦労しながらも施工管理に身を投じてきた
結果、その経験が人の役に立つことが分かり、第二の道を模索した甲斐があったと思います。

施工者からメーカーに望むこと

この研修で空調機メーカー様に伝えたいこととして、施工者としての施工性の良さが上げられます。一般的にメーカーが機械を作るとき、最初に考えるのはその機械の能力や性能
いわゆるスペックだと思います。車の場合は、何馬力で4輪駆動でハンドルの操作性など
といった機能、性能とお客さんがその車に乗ったときの居住性や形がかっこいいという外観などで、エンドユーザーが満足する要素をすべて考えます。
一方、建築物に設置される設備機器はエンドユーザーが快適に過ごせたり、使ったりできることは当然考慮されているのですが、その途中段階で施工する過程も十分検討されているのかどうかということがメーカーの方に問いたいところです。
例えば、空調機の大きさがもっとコンパクトにならないか、壁掛けエアコンの冷媒配管の取り出しが左右どちらでもできないか、もっと小さいドレンアップメカはできないか、
マンションのエアコンの保証書を納品時にそれぞれのエアコンに同梱しないで、竣工時に
まとめて現場に送れないかなどなど、施工者がもっと改良できないかと思っていることは結構たくさんあるはずです。それらの施工者の声をもっとヒアリングして、施工性のよい
機械を設計の段階で考えるということに取り組んでいただけたら、施工者も効率が上がり
そのことでそのメーカーの機械を採用したいということになるのではと思うのです。

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余談としてのドレンレスエアコン

前出の、施工者がメーカーに望むことの流れで、「こんなのあったらいいな」とずっと前から考えているのが、ドレンレスエアコンです。これは設備業界に身を置く人なら誰しも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
つまり、ドレン水が出ない、ドレン配管がいっさい必要ないエアコンのことです。小さい部屋の単体で設置するタイプのエアコンであれば、ドレンレスはありますが、通常の冷媒配管で室外機と室内機を連絡するエアコンは未だにドレンレスは開発されていません。
もし建物の中でドレン配管を延々と伸ばすことが無くなったら、その材料費と施工費の削減で大きなコストダウンが実現するのですが。
今の日本の技術力(他国でも)を持ってすれば、できそうな気がするし、誰かどこかで開発していないのでしょうか?これが実現すれば画期的な発明で建築業界での革命だと思うのですが。

まとめ

空調機メーカー様の研修で、普段考えないことを新たに考えることができ、とても新鮮な気持ちになりました。建築設備の業界においても、エンドユーザーの視点、建物を設計する人の視点、施工する人の視点、機械や材料を製造、納品する人の視点、それぞれの視点があり、それぞれの立場のことを考え、自分の仕事を改善していくということがステークホルダーとしてのお互いの役割だと感じました。

 

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ABOUT ME
宮本 一英
シエンワークス代表 ★サブコン社員が楽しく活き活きと働ける環境を作りたい!★★ 【資格】 ・建築設備士 ・1級管工事施工管理技士 ・消防設備士(甲種1類) ・空衛学会設備士(空調・衛生) 東京都出身/55歳にして自我に目覚める/筋トレ/ピアノ/人間観察/瞑想/お笑い
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