お役立ちコラム

建築現場で活用したい安全標識使い方3つの場合

建築現場でよく見かける安全標識。朝礼広場に掲げられている安全スローガン、熱中症の注意喚起や産業廃棄物のゴミの仕分け方法の表示など、現場建屋の外側には多く見受けられますが、現場の内部に目を向けると、安全標識が少ない現場が多いようです。
現場の中で実際に職人さんが作業する近くでの注意喚起はとても重要です。近くに可視化できる標識があると意識がそこに向き、安全意識が高まり事故が減ることが期待できます。
そこで、現場内での安全標識の使い方についてお話したいと思います。

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ピット内作業は酸欠に注意

ピット内作業は酸欠に注意しましょう。新築現場ではもちろんのこと、改修現場の場合、
長い年月マンホールを開けていなかったピット内は空気の流れが無いことで酸素濃度が著しく低くなっている可能性が高いです。そういう状況では、ピット内を換気する計画はもちろん、常にマンホール付近に「酸欠注意」の標識を掲げておく必要があります。
酸素濃度18%未満は酸欠状態になるので、酸素濃度測定を必ず実施してから作業に取りかかるために「酸素濃度18%以上確認!」という一言を追記することも効果があります。
人は時間が経つにつれ安全作業の手順を疎かにしたり、つい忘れて作業に取り掛かることがあるので、注意喚起のために標識は目立つように設置しましょう。

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ウレタン付近では火気作業厳禁

外壁などのウレタン吹付け付近での火気作業は厳禁です。ウレタンが吹き付けられている外壁などの付近でサンダーによる切断作業や溶接作業は原則禁止ですが、やむを得ず火気作業する場合は、ウレタンの養生方法や消火設備の設置など施工手順を確実に行ってから、作業する必要があります。その場合も「火気作業注意!」などの安全標識があれば、注意喚起になり、作業員も慎重になり安全に作業することができます。

スリーブ工事が未完のため壁を返さないでほしい注意喚起

これは、安全関係の話ではなく工程途中の注意を促す内容です。変更工事が発生し、壁に入れたスリーブの仕様が変わったとか、実管スリーブの納期が間に合わないとか、鉄筋屋さんの補強がまだ完了していないなど、型枠大工さんにまだ壁を返さないでほしいという
意思表示のための看板の意味です。
現場によっては、A4判ラミネートでチェックシートを作り、墨出し、配筋、スリーブ入れ、セパ入れ、スリーブ補強のそれぞれの工程にチェックを入れ、確認後大工さんが壁を
返すという、品質を考えた管理をしている場合もありますが、すべてがそのような現場
ばかりではありません。
手ぐすね引いて壁の型枠を変えそうと待ち構えている大工さんに対してなので、この看板は注意喚起というより、「壁返さないで、お願い」という強い意思表示なわけです。
これと同じようなシチュエーションで、後工程に知らせたり、連携を図る連絡事項だったりを看板の形で意思表示するというのもいいアイデアかも知れません。

まとめ

現場では事故を起こさないということが絶対的な使命であり、「安全はすべてに優先する」ことが現場で働く全員の心の中になくてはいけないというのが理想です。しかし、なかなか忙しい工程の中で作業する職人さんたちは、仕事そのものを優先しがち。安全に作業することが分かってはいるけど、どうしても後回しになってしまう。
それを戒め、安全に注意を向けさせるのが、安全標識であり看板なのです。人は視覚に飛び込んでくる情報を一番に認識すると言われています。そのことをよく理解して、現場内での注意喚起を今一度見直してみてください。

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宮本 一英
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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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