AIで変わる仕事の価値、建設業が選ばれる職業として見直される時代へ
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会計士が配管工へ転職する米国事例、AIで変わる仕事の価値
今回は「AI進化で見直される建設業」がテーマです。
米国の雇用構造が、生成AIの進化によって、大きく変わり始めているのが現状のようです。AIが会計や資料作成、分析といった知的労働を代替し始めたことで、ホワイトカラーの仕事に不安を感じ、配管工や空調整備士などの現場技術職へリスキリングする人が増えているというのです。これはかつて、新しいテクノロジーが新産業を生み、雇用を拡大してきましたが、AIについては同じことが起こりにくいという専門家の警鐘からもわかります。
象徴的な事例として紹介されているのが、会計士から配管工へ転身した例です。名門大学で学び会計士として働いていましたが、職業訓練校で約5年間学び直し、現在は月収約190万円と、会計士時代の3倍の収入を得ています。
この転身に成功した人は「会計業務はAIでもできるが、配管工は人間にしかできない」と語り、交渉力などホワイトカラー時代の経験も現場で生きているといいます。ブルーカラーが敬遠されていた時代は終わり、今では大卒のオフィスワーカーが現場技術を学び直す動きが広がっています。
この人が通った配管技能訓練センターでは、教員や事務職など異業種からの転身者が増加しています。組合が運営するこの訓練制度は、無償で長期の教育と実習を提供し、修了後は安定した雇用や賃上げ、福利厚生が保障されます。実際、米国全体でも職業訓練校への入学者は大学進学者を上回る伸びを示しています。
一方で、こうした動きの背景にはAIによる雇用不安があります。アマゾンなどの大企業では管理部門を中心に人員削減が進み、AIの影響を受けやすい職種が揺らいでいます。かつて肉体労働が機械に奪われると考えていた人々が、今は逆に知的労働がAIに置き換えられる現実に直面しています。
AIの専門家は、AIが新たな大規模産業を生み出す可能性は低いと指摘します。AIは革新的な製品よりも自動化と効率化に重点があり、人間の雇用を広げにくいという見方です。将来、失業の増加を見据え、ベーシックインカムの必要性を訴える声も強まっています。働くことの意味や喜びが問われる時代が、すでに現実味を帯びてきているとこの記事は言っています。
<参考文献>
「米国、会計士から配管工で給与3倍の幸福度 「AIで雇用創出は望み薄」」:日本経済新聞
(2025/12/3)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN260CH0W5A121C2000000/
AIで大きく変わる仕事の価値感、建設会社は人材の考え方を見直すタイミング
私は、この米国の事例は「特殊な国の一時的な現象」ではなく、いずれ日本でもほぼ同じ構造で起こる未来を先取りしていると考えています。そしてその延長線上で、建設業が“選ばれる仕事”へと見直されていく可能性が高いと考えています。
まず、米国で起きている本質は「AIによる仕事の序列の逆転」です。これまで高学歴・高収入とされてきた会計、事務、分析、資料作成といった知的労働は、生成AIの進化によって一気に代替可能になりました。特に日本でも多い「入門レベルのホワイトカラー業務」は、AIの最も得意とする領域です。一方で、現場で状況を判断し、環境の変化に応じて身体と経験を使って仕事を進める技術職は、AIやロボットでは簡単に置き換えられません。この代替可能性の差が、職業の価値を根本から変え始めています。
この流れは、日本の建設業にも確実に波及します。日本でもすでに、事務職・設計補助・積算・資料作成といった領域ではAI活用が進み、「人でなくても回る仕事」が増えています。
一方で、施工管理、職長、技能工といった現場職は、人手不足が深刻化する一方です。つまり日本でも、「机の前の仕事は余り、現場の仕事が足りない」という構造が、今後さらに鮮明になります。
ここで重要なのは、建設業が単なる“肉体労働”としてではなく、“高度なスキル産業”として再評価される点です。米国の配管工の事例が象徴しているのは、「体を使う仕事=単純」という古いイメージの崩壊です。実際の建設現場では、工程調整、他職種との交渉、安全判断、品質管理など、極めて高度な判断力とコミュニケーション力が求められます。これはAIが最も苦手とする領域です。日本でも、現場をまとめられる施工管理者や、多能工として活躍できる技能者の価値は、今後さらに高まっていきます。
さらに、日本では、インフラの老朽化や災害が多いという特性から、道路や橋、上下水道、建物の維持・更新は今後も不可欠であり、AIが進化しても人間の現場作業はなくなりません。
また、AIの普及によって知的労働が代替される中で、人々は「社会の役に立っている実感」や「目に見える成果」をより重視するようになります。その点で、暮らしを直接支える建設業は再評価されやすい仕事です。
結果として、日本の建設業は、学歴ではなく技術と経験で評価され、AIに奪われにくい安定した職業として認識され、社会インフラを支える誇りある仕事として若者や転職者が戻ってくる未来が見込まれます。これは、建設業の社会的地位が高まっていく流れだと考えるのです。
まとめ
建設会社の経営者の視点で考えると、AIによって事務・分析などの仕事は急速に代替される一方、建設の現場職は価値が高まります。「人は現場、AIは内勤」を明確に分け、事務・設計補助・資料作成は積極的にAIで省人化すべきです。
同時に、施工管理者を会社の中核人材として再定義し、育成・処遇・キャリアを強化します。異業種・ホワイトカラー出身者の受け入れを前提に、社内教育やOJTを整え、「技術と人間力で評価される会社」に変えていくことが重要です。
建設業は今後も需要がなくならない産業です。だからこそ、現場の仕事を誇れる仕事として言語化し、発信し、人が集まる仕組みをつくる。これがAI時代における建設会社の最優先ですべき対応だと考えます。
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