建設業の最大の課題は、現場ごとに品質や安全、段取りの精度がばらつき、教育にもムラが出るという“属人化”にあります。誰が現場に入るかによって、事故のリスクが変わり、現場代理人や所長の力量で仕事の質が左右されてしまいます。これを避けるためには、優秀な人材を育てるだけでは不十分なのです。“誰が来ても一定の成果が出る仕組み”を会社として、設計し直す必要があります。

大手の外食産業は、その仕組み化の最前線にいます。そのやり方は、建設業にそのまま転用できるものを選んでみました。

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マクドナルドの「動作レベルの分解」は、会社の資産化として取り入れられる

マクドナルドの強みは、作業が抽象的な「仕事」ではなく、具体的な「動作」にまで細かく分解され、さらにその動作を再現するために道具や設備も統一されている点にあります。

これを建設業に置き換えると、施工管理を行う責任者について、まず会社のエース格の現場代理人の頭の中に眠っている暗黙知を、「安全」「工程」「品質」「原価」の施工管理内容ごとに会社として書き出します。次にそれらを標準施工管理マニュアルとしてルール化するのです。

そうすることで、若手や中途入社人材の間にある“やり方の差”が消え、不具合要因の多くを占める判断ミスや手順飛ばしを防ぎやすくなります。さらに、この「標準」が蓄積されていけば、人材が離職してもノウハウは会社に残り続け、教育コストが大幅に下がり、現場の差も縮まります。

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スターバックスの「共通言語」は、会社文化の基盤として導入できる

建設現場のコミュニケーションは曖昧な言葉が多く、「気を付けろ」「しっかりやれ」という抽象表現で指示されるために、人によって解釈が大きく異なります。スターバックスが用いる“Green Apron Book” (全世界の従業員に配布している “行動指針ブック”) は、この曖昧さを取り除いたマニュアルです。

建設会社としては、まず「止まって確認する」「作業前に声を出す」「危険エリアは必ず言う」といった短く覚えやすい言葉を選びます。それを安全・品質・段取りの指導の軸に据えることで、現場代理人、所長、新人も、同じ言語で同じ基準を共有できるようになります。

この共通言語が浸透すると、事故原因の多くである“伝わっていなかった”という問題が激減し、声かけも指導も明確になります。さらに、外国人材にも短いフレーズは非常に伝わりやすく、多国籍チームのコミュニケーションにも大きな効果を発揮します。

スシローの「写真1枚マニュアル」は、教育をラクにする仕組みとして取り入れられる

建設業の手順書は文章が多く、現場では読まれません。外国人材や若手にとっても理解しづらく、せっかく作った手順書が「現場で役に立たない」という状況に陥りがちです。スシローが採用する“見るだけで理解できる写真マニュアル”は、この問題を一気に解決します。

ルールとしては、まず「1作業1枚」というのを決めます。機器・材料搬入、機器吊り込み、配管ねじ切り、配管吊り込み、勾配確認、振れ止め取付け、水圧試験、保温工事など、現場で起きる代表的な作業をすべて写真で整理し、良い例・悪い例を並べて即理解できるようにする仕組みを作るのです。

さらに、この写真マニュアルをスマホでいつでも見られるようにすれば、新入社員でも短時間で作業を理解し、現場の教育の負担が劇的に減ります。教育の標準化にもつながり、“教える人による差”が出にくくなる点でも大きな改革になります。

吉野家の「バラつきゼロの標準化」は、会社の品質基準として仕組み化できる

吉野家は、味の決め手となるタレや具材を工場段階で規格化し、店舗側では“温めて盛るだけ”で均一の品質を維持するという仕組みを作っています。建設業にもこの考え方は非常に有効で、「現場で調整する余地が大きい工程」ほど品質のバラつきが生まれやすいことを意味します。

ルールとしては、例えば継手の差し込み代、勾配チェック、圧力試験の方法、クロスコネクション誤配管など、品質に決定的な影響を与える項目を選びます。その道具・方法・位置・順番・チェックポイントを「会社として統一」するのです。これにより現場ごとの“さじ加減”を極力なくすのです。

また、バラつきが生じやすい部分については、工程設計自体を見直し、“現場で調整する”のではなく“会社として揃う工程を設計する”という観点が必要になります。これで現場間の品質差が縮まり、クレームや手戻りが大幅に減少します。

まとめ

外食産業の知恵を統合して建設会社に取り込むということは、「人の能力に依存しない、仕組みが安全と品質を保証する会社をつくる」という経営改革となります。

優先順位としては、
1) 写真マニュアルの導入によって現場の負担を減らす
2) 次に共通言語によってコミュニケーションを統一する
3) 標準動作の構築と品質標準化へと進める

これらを仕組み化することで、会社全体が強い競争力となり、若手育成・外国人材活用・生産性向上・事故ゼロのすべてが連動して改善していくのです。

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宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役

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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)