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建設業で考える、社員が辞めない会社とは? -他業種事例から-

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社員が辞めない会社の成功事例

今回は「社員を辞めさせない、他業種の事例」です。
社員の離職に苦しんでいるのは建設業だけではありません。今回は他業種の中小企業の離職対策の成功事例を紹介します。

一つ目は、北九州市の樹脂部品メーカー陽和の事例です。1999年以降に新卒採用した29人のうち27人が現在も勤務しており、離職率はわずか6.9%です。

この背景には、社員が自らの成長を実感できる業務進行や、一丸となって課題に取り組む風通しの良い企業風土があります。約20年前に社員が1週間休んだことで生産ラインが止まった経験を機に、業務手順書の作成や作業動画共有を進め、業務の属人化を防止しました。

その結果、有給や育児休暇取得率は90%を超え、働きやすさが向上しました。また若手社員は「先輩が答えを示すのではなく、うまくいかない原因を伝えることで、自分で考え解決する力がつく」と話します。これにより成長を感じる機会が増え、離職を抑制しています。

二つ目は、仙台市で飲食店を経営するエムシスの事例です。社員から友人や知人を紹介してもらう「リファラル採用」と初任給の引き上げにより、離職率の高い飲食業界で定着率を向上させました。

職場の雰囲気を事前に伝えることで採用後のミスマッチが減り、2022年7月以降41人が入社して退職は5人にとどまっています。人材会社へのコスト削減分を給料に還元する仕組みも整えています。

三つ目は、新潟県三条市の共栄鍛工所の事例です。社長が毎日工場を回り、社員と気軽に世間話をすることで本音を引き出し、適切な配属や環境整備に役立てています。勤務態度を保つ限り、音楽を聴きながら作業するなど自由な働き方を認めており、2021年度以降の若手採用者24人中4人の退職に抑えました。

次に高卒採用支援を行うジンジブでは、中小企業の新入社員に対し社外の「同期」を作る取り組みを行っています。月1回研修を開催し、ビジネスマナー指導のほか悩みを共有し合うことで孤独感を軽減しています。

これらの取り組みを通じて、中小企業は独自の工夫で若手社員の定着率を向上させています。神戸大学の服部教授は「若い社員には企業を評価する基準が乏しく、先輩が不満を抱えて退職すると動揺しやすい。企業は積極的に環境改善や社員同士のコミュニケーションを促進することで、離職を防ぐ必要がある」と指摘しています。

<引用>
社員をやめさせない 中小でも希望通り休め、友達採用でミスマッチ防止:日経新聞 (2025/7/14)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC210Q70R20C25A6000000/

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他業種に学ぶ離職防止策

このような他業種の離職対策を建設業界で活用する方法を考えてみました。
北九州市の陽和の事例で実践している「成長実感」と「チームの一体感」を育む仕組みです。建設現場においても、若手社員がただ指示通りに動くだけではなく、自ら考えて動けるようになるための育成が必要です。

陽和では、先輩が答えを教えるのではなく、原因に気づかせる支援をするという姿勢を徹底しています。これを建設現場に応用するなら、ベテランが一方的に命令するのではなく、「なぜその段取りが必要なのか」「どうすればもっと安全に作業できるか」など、考えるきっかけを与える対話型指導が有効となります。

次に、業務の属人化を解消した点も大きなヒントです。建設業でも「この人でなければできない作業」が多く、休みづらさや過重労働の温床となっています。

陽和のように、動画や手順書によって業務の「見える化」を進めれば、代替要員を育てることができ、休暇の取得もしやすくなります。特に建設現場では、作業工程や施工手順を映像化し、誰もが学べるようにすることも離職防止につながります。

また、共栄鍛工所の事例のように、社長や上司が日常的に社員に声をかけ、世間話から本音を引き出す姿勢も建設業には必要です。

建設現場では、現場所長と作業員の距離が遠くなりがちです。「今日の調子どう?」という一言が、信頼関係の第一歩になります。形式的な朝礼だけでなく、休憩中の雑談や作業後の対話も意識的に取り入れるのは有効です。

さらに、リファラル採用(社員の紹介による採用)も注目すべき施策です。建設業でも紹介を通じた採用は定着率が高く、現場の空気や仕事内容を事前に知ってもらえるためミスマッチが起きにくくなります。紹介者には報奨金を出すなど、制度として整備することで効果を高められます。

最後に、「同期づくり」の工夫も中小規模会社には有効です。採用人数が少ない会社では、若手が孤独になりやすく、悩みを共有する仲間がつくりにくい環境になります。それが離職の引き金になるのです。

社外の若手同士をつなげる研修会や交流会に参加すれば、「自分だけが苦労しているわけではない」と感じられ、離職への心理的なハードルを下げることができます。

まとめ

離職対策は「これをやれば正解」という万能薬があるわけではありません。まずは、できることから着実に取り組み、小さな成果と失敗を積み重ねながら、自社に合った方法を見つけていくことが大切です。社員の声に耳を傾け、仮説を立てて実行し、振り返る。この地道な活動が、結果的に社員の信頼を生み、定着率向上につながります。離職防止は長期で考え、挑戦と改善の積み重ねが大切です。

弊社、シエンワークスでは、建設業に合った「離職対策プログラム」を提供しています。詳しい内容をお知りになりたいという方は、下部の「お問い合わせはこちら」からご連絡ください。無料相談を実施しております。

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宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役

首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を提供しております。大学卒業後、35年間中堅サブコンにおいて現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「売上・利益の向上」を支援しています。

【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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