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「管理職を罰ゲーム化」しない建設現場

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罰ゲーム化する管理職の現状

今回は「管理職は罰ゲーム」と言われる現状の解決法を考えます。
『罰ゲーム化する管理職』を書かれた小林祐児氏(パーソル総合研究所上席主任研究員)
の分析では、現在、企業における管理職の立場は、「罰ゲーム」とまで揶揄されるほど負荷が高まっています。

従来、課長や部長などの役職にあたる管理職は、部下のマネジメントと業務遂行の双方を担う重要なポジションでしたが、今では業務量の過多により過重労働が常態化し、責任だけが重くなる一方で報酬や裁量の増加は見られません。加えて、ハラスメント防止や働き方改革の流れにより、部下の労働時間管理を徹底する必要が生じ、結果的に管理職のみが長時間残業するケースも増えています。

こうした環境下で、管理職の多くが業務過多や人材育成の不十分さを実感しており、若手社員の中には昇進を避けたり、転職を選ぶ例も少なくありません。実際、アジア太平洋地域14ヵ国中、日本の「管理職になりたい」と回答した一般社員の割合はわずか21.4%で最下位でした。

さらに深刻なのは、これが単なる企業の人材問題にとどまらず、管理職本人の健康や命にまで影響を及ぼしている点です。国際的な研究によると、日本では管理職の死亡率が他職種よりも高いという結果も出ており、管理職の過重負担は「社会課題」とも言える状況に達しています。

こうした背景には、外部環境の変化が大きく影響しています。少子高齢化による人手不足、グローバル化や成果主義、組織のフラット化に伴うポジションの減少などにより、管理職は個人の成果も求められるプレイングマネージャー化しています。ハラスメント防止やダイバーシティ対応など、マネジメントの難易度も格段に上がっています。

加えて、企業内部にも原因があります。新たな組織課題の解決を管理職に一任する風潮が続く中で、部下に細かく指示を出す「マイクロマネジメント」に陥りやすくなっています。これは、部下の自律性を奪い、結果として管理職自身の負担をさらに高める悪循環を招いています。

このような問題に対して、筆者は3つのアプローチを提案しています。第一に「ワークシェアリング・アプローチ」として、管理職の役割をメンバーやベテラン社員と分担し、業務をアウトソースするなどして負荷を分散させること。第二に「ネットワーク・アプローチ」として、管理職が孤立せずにすむよう、社内外での対話や交流の場を増やすこと。第三に「フォロワーシップ・アプローチ」として、部下側にも研修や意識改革を促し、上司だけでなく組織全体でマネジメント課題に向き合う文化をつくることです。

管理職の過重負担は、もはや個人の問題でも企業だけの課題でもありません。構造的な視点からの議論と対策が、日本全体で求められています。

<引用>NHK:小林祐児「管理職の“罰ゲーム化” 解決は」

https://www.nhk.jp/p/ts/Y5P47Z7YVW/episode/te/2WG2WYVWJ7/

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建設現場の管理職を“罰ゲーム”から救う方法

建設現場における管理職、すなわち現場監督や施工管理者といったポジションは、会社の中でも特に負荷が高い状態にあります。過重労働、責任の重さ、報われにくい報酬体系に加え、残業規制、ハラスメントへの過敏な対応要求、部下育成の困難など課題は多岐にわたります。こうした構造的な問題に対して、建設業界特有の実情を踏まえた対策を考えます。

まず第一に必要なのは、「管理職の役割の再定義」です。
建設現場では長年、「できる人がすべてを担う」構造が続いてきました。図面チェック、工程管理、安全衛生、品質保証、施主対応など、多くのタスクを現場代理人ひとりに集中させてきた構造が、負荷の増大と人材不足の悪循環を招いています。これを是正するには、業務の役割分担を明確にし、「マネジメント」と「オペレーション」の線引きを社内制度として再設計する必要があります。たとえば、図面の整合チェックの専門チーム、安全パトロールは専門の巡回チームが担うなど、役割の分離と専門化するのも方法です。

次に、「組織横断的なネットワークの形成」が不可欠です。建設現場の管理職は、プロジェクト単位で常に環境が変わり、孤立しやすい立場にあります。よって、社内において現場管理職同士が情報共有できるネットワークや定例の意見交換会を制度化することが求められます。加えて、外部との接点、例えば地域の建設協会や技能講習の合同実施、業界横断の管理職勉強会などに参加することで、視野が広がり、自分だけが苦しんでいるのではないという安心感も得られます。これは精神的孤立の解消に大きく寄与します。

また、「現場のチーム全体でマネジメントを担う」という発想転換も必要です。管理職だけが教育や指導を一手に引き受けるのではなく、外部スタッフ、職長や経験豊富な職人たちにも育成の一端を担ってもらう体制に変えていくということです。例えば、朝礼のミーテイング、進捗ミーティングの進行を職長に任せたり、新人指導に外部スタッフを入れることで、管理職の負担は分散され、職場のエンゲージメントも高まります。

さらに、「部下側のフォロワーシップ教育」も欠かせません。現場では「上司に言われたことだけやる」「責任はすべて現場代理人が負う」という文化が根強く残っています。しかし、これからの現場では、一人ひとりが「現場を支える主体者」であるという意識改革が必要です。そのためには、若手・中堅層にも現場運営に関する知識(安全管理、工程の基本、顧客対応)を教育し、上司の意図を汲んで動けるようにする研修やOJTの場が必要です。

最後に、管理職が「定期的に立ち止まれる仕組み」の整備も重要です。
建設業界では、仕事が「現場完工ベース」で区切られるため、次の現場がすぐ始まり、振り返りの機会がないまま過労状態が蓄積されがちです。例えば、完工後に1週間のリフレッシュ休暇と、経営層との1on1ミーティングを制度化し、「成果の棚卸し」と「次に向けた展望づくり」を習慣化すれば、精神的なリセットと成長支援の両立が可能になります。

建設現場における管理職の罰ゲーム化は、もはや個人の努力では乗り越えられない構造的問題です。しかし、役割の再設計、ネットワークの構築、チームによるマネジメント分担、部下側の意識改革、そして制度的なケアを組み合わせることで、現場管理職の負荷は大きく軽減され、次世代への継承も実現できます。これは企業の競争力の源泉であり、建設業全体の持続可能性を高めるための重要な一歩です。

まとめ

会社組織として、社員の多くが管理職になることを望まない状況は由々しき問題です。しかし、部下から見て、疲弊しきった管理職像を変えないことには状況は変わりません。

建設現場の監督や施工管理者が生き生きと仕事ができるように、業務過多の解消や責任の分担の必要があります。そのため、現場代理人の再定義と分業化、現場間のネットワーク形成、チーム全体での育成体制づくり、そして部下へのフォロワーシップ教育が重要です。
そのため、人材育成のための教育、研修をアウトソーシングするのも一つの方法です。

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宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役

首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を提供しております。大学卒業後、35年間中堅サブコンにおいて現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「売上・利益の向上」を支援しています。

【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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