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建設業、サブコンの「社員アンケート」から現場の課題を考える

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サブコン会社の現場社員の課題をアンケート調査から探る事例

研修依頼をいただいたサブコン会社の社長様から研修テーマを決める材料として、建設現場社員がどのような課題や悩みがあるのか、社員の気持ちを知りたいという依頼がありました。

そこで現場の社員に向けたアンケート調査を送り、記入していただきました。
その結果、現場社員が、自分に対する課題、悩みは以下のように分類しました。

1)業務効率と作業管理において、作業の効率化や適切な業務配分が課題となっている。
また、休憩を取らずに働きすぎる傾向も見られる。
2)スキル面では、書類作成時の確認不足や文章力、技術的知識の不足と感じていること。さらに、決断力や進捗管理、コミュニケーション能力に課題があると感じている。
3)メンタル面では、自分自身の気持ちの安定に課題があり、気分や表情の上下を抑えたいという希望がある。また、対人関係では「(周りに)嫌われたくない」という意識が強く、行動が制限されることに課題を感じている。

次に、現場社員が、組織(現場や会社)として課題だと感じていることは以下のように分類しました。

1)人員・後継者不足と人材育成では、若手社員の確保が難しく、教育の強化が求められている。特に10年後の高齢化による後継者不足が懸念され、大型工事を管理できる経験者も不足している。
2)業務負担と効率化では、業務内容の偏りや適正配置の不足により、個々の負担が過重化し、多忙さから組織としての情報共有やサポートが不十分と感じている。さらに、資料作成や客先対応が現場作業を遅らせている原因となっている。
3)コミュニケーションと安全意識では、報告・連絡・相談が機能せず、安全意識にズレが生じている。指導やフィードバック不足、縦社会的文化の改善も必要と感じている。
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現場社員からのアンケート調査分析

上記の課題や悩みの原因を分析してみました。
その結果、3つに分類できました。

➀業務運営の不均衡と過負荷

現場社員個々の業務負担が偏り、効率化の仕組みや適切な役割分担が不足していることが、作業過多や効率の低下を招いている。そのため過重労働となり、休息を取る余裕がなくなることで、結果的に生産性を落とすことになっている。

②スキルと教育体制の未整備

書類作成や技術的知識、進捗管理スキルなどの課題は、現場教育や研修の不足、または効果的な指導機会の欠如が背景にある。これにより個々の成長が停滞し、意思決定や対人関係にも問題を生じていることになる。

③コミュニケーションの不足

縦社会的文化や「(周りに)嫌われたくない」意識により、意見交換や報連相が不十分。これが人間関係や安全意識のズレを引き起こし、現場全体の連携不足や心理的負担を増大させている。

そのための課題解決の方法としては、下記のような取り組みが必要と考えました。

①業務運営の不均衡と過負荷には、業務プロセスの見直しとタスクの明確な分担を導入し、作業負荷の均一化を目指す。
②スキルと教育体制の未整備には、現場ニーズに合わせた研修プログラムを設け、段階的な成長を支援する。
③コミュニケーション不足に対しては、組織内でのオープンな意見交換の場を設け、報連相を促進する環境づくりを行う。合わせて、コミュニケーション・スキルを伸ばすことも必要。

このような取り組みを行うことで、会社は効率的な業務運営と高い生産性を実現し、持続的な成長が可能になります。現場担当者は適正な業務負担のもと、自信を持って成長し、活き活きと働ける環境が整います。コミュニケーションの円滑化により、チーム連携が強化され、ミスやトラブルが減少することになります。結果として、会社全体に一体感が生まれ、競争力のある組織へと進化します。

まとめ

建設業、サブコン会社の特徴として、本社と建設現場が物理的に離れていることもあり、経営陣と現場社員の意思疎通、コミュニケーションを取ることの難しさがあります。これを補う方法として、アンケート調査が有効であることを改めて今回感じました。
それは、研修テーマを決める材料に留まらず、会社全体で取り組むべき課題も明確になり、
今回のサブコン会社の社長様からもアンケート調査に対して、高い評価をいただきました。

また、今回のアンケート内容は、過去、現在、未来の時間軸と、仕事での達成感、楽しいこと、あるいは個人や組織の課題、コミュニケーションについての具体的な質問も加えました。
この質問内容で、予想以上に社員の方の心の深い部分が引き出され、個々のそれぞれの考え方や気持ちが現れた、非常に有意義なアンケートだったと思います。

そして、今回の現場社員のアンケート調査から感じたことは、課題や悩みについては、いつの時代も変わらないものが多いものの、現場のゆとりのなさを感じます。現場によっては工期がまだまだ厳しく、残業規制があるために社員に時間をかけて現場教育しながら進める余裕がないのが現状です。

そのために、現場社員の課題を解決するためには、現場任せではなく、会社全体で仕組みづくりを行い、時間や費用が捻出できるように取り組む必要があります。

弊社、シエンワークスでは、建設業、サブコンに合った「社員アンケート分析改善プログラム」を提供しています。
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ABOUT ME
宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役

首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を提供しております。大学卒業後、35年間中堅サブコンにおいて現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「売上・利益の向上」を支援しています。

【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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