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10年間で85%増加している「女性建設技術者」
今回は女性建設技術者が増えている状況を紹介します。
ヒューマンリソシアが行った建設業における人材動向の調査によると、女性建設技術者の数は増加傾向にあり、特に若手層でその伸びが顕著です。2010年には約2万5000人だった女性建設技術者の数は、2020年には約4万6000人に増加し、女性の割合も5.4%から9.0%に上昇しました。
また、大学新卒者においても、建設技術者として就職する女性の割合は2013年の16.2%から2023年には25.0%に上昇し、新卒者の4人に1人が女性となっています。この背景には、人手不足を受けて企業が女性技術者の採用を積極的に進めていることが挙げられます。
しかしながら、女性建設技術者が長期的に活躍できる環境整備は依然として課題です。男女間賃金格差のデータを見ると、若年層では格差が小さいものの、結婚や出産、育児といったライフイベントを迎える30代以降には格差が拡大し、55歳~59歳では女性の給与は男性の71.4%に留まります。この状況から、女性が出産や育児といったライフステージの変化を経ても働き続けられる柔軟な労働環境の整備が求められています。
<引用>ITmedia:「10年間で85%増加した“女性建設技術者” その理由は新卒採用【独自調査】」(2024/10/31)
https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2410/31/news043.html
建設業、サブコンで女性を育成するために必要な環境整備
建設業、サブコンの現場においても、今後女性を施工管理者として育成できれば、重要な戦力となります。女性を現場に配置する際、男性との違いを考慮しながら進めるべき留意点を説明します。これらのポイントは、性別に関係なく個々の特性を尊重する基盤の上に立っていますが、特に女性が直面しやすい状況を考慮しています。
物理的・環境的配慮
【休憩施設・更衣室の整備】
工事現場は男性が多い環境であるため、女性専用の休憩所や更衣室を用意することが大切です。これにより、プライバシーと安心感が向上します。
【現場設備の安全性】
夜間作業や遠隔地での業務における安全対策を徹底し、移動手段や現場周辺の環境にも配慮します。
コミュニケーション面での配慮
【相互理解の促進】
女性が現場で意見を述べやすい雰囲気を作り、現場の男性作業員が女性を同等のパートナーとして認識できるよう、定期的に意識改革の研修を行います。
【相談しやすい体制】
会社内に信頼できる相談窓口やメンターを配置し、心理的なハードルを下げます。
キャリア形成の支援
【ロールモデルの紹介】
同じ業界で活躍している女性施工管理者の事例を紹介し、キャリアのイメージを持たせることが有効です。
【資格取得やスキルアップ支援】
資格取得や研修プログラムへの参加を推奨し、技術力や知識を強化します。
心理的安全性の確保
【女性特有のハンディキャップを考慮】
女性は男性に比べて体力面、筋力面において劣るので、現場での作業(例えば、材料搬入時の荷受け運搬の手伝い、墨出し、脚立や立ち馬の持ち運び、職人さんが使う工具の移動など)は、個人差があり問題なくできる人もいれば、そのことが大変な負担になって現場の仕事自体が嫌になるケースもあります。
作業の分担は、個々人の適正をよく考慮して配置する必要があります。
柔軟な働き方の支援
【ライフイベントへの配慮】
結婚、出産、育児など、ライフイベントに対応できる柔軟な働き方(時短勤務やリモートワークの導入など)を取り入れることで、キャリア継続を支援します。
【働きやすい環境づくり】
労働時間の短縮や現場での負担軽減を考慮し、長期的に働きやすい環境を整備します。
評価と昇進の透明性
【公正な評価基準】
性別に関係なく公平な評価基準を設け、女性施工管理者が努力の成果を正当に評価される仕組みを作ります。
【リーダーシップの育成】
管理職への昇進を後押しし、女性リーダーとしてのキャリアパスを明確にします。
このようなポイントをいきなりすべてクリアーすることは、難しいことですが、やれることから実践することで、女性施工管理者が現場で安心して能力を発揮できることとなります。女性を戦力化し、現場のチーム全体の生産性と多様性を高めることは人手不足解消の重要な施策となるのです。
まとめ
最新の調査からも女性建設技術者は新卒を中心として急増していることが見て取れます。これは大変喜ばしいことですが、女性が長期的に活躍できる環境整備にはまだまだ課題があります。
女性技術者を育成することは重要ですが、それと同時にモチベーションを持続でき、離職させない環境づくりも大切です。
建設業、サブコンの現場においても、女性を施工管理者として育成し、戦力化することは人手不足解消に大切な方法となります。そして女性の育成と環境整備はセットで考えた方がよいです。
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