建築あるいは建築設備に関する本、現場での部下の教育や組織マネジメントに関する本などを紹介するコーナーです。
今日のブックレビューは、
「建築/設備トラブル「マサカ」の話」
山本 廣資著 です。
著者は大学卒業後、設備施工会社に8年半、設計監理業に28年半、計37年間建築設備関係の仕事に従事した方です。その会社を定年退職したのち、環境設備のコンサルタント会社を設立し、この本を執筆したとのこと。長い経験と知見を活かしこの、トラブル事例集をまとめられています。
設備事故例やトラブル事例は、前職サブコンの会社内においても、事項報告書は必ず書かされました。事故の原因は何だったのか?その事故に至る経緯はどうで、誰が発見し、どのように客先や社内に発信して報告したのか?そして、今後の対策と防止策は何か?
をいかに早く書類にまとめて、提出するかを会社から求められていました。
「あー、また事故報告書書かなきゃいかんのか」とため息交じりに、設備事故を起こすたびに思ったものでした。
社内の設備事故例が、事故発生後直ちに社内、各現場に送られてきます。
「あそこの現場、また水漏れか」とか「思わぬところで異臭が出た」などいろいろな事故の報告が上がっていました。
しかし、トラブルや事故の事例は一つの会社内ではそうそう数や種類が多くはないと思います。そういう意味では、このトラブル「マサカ」の話は、設計におけるミスも含めて
多くの事例が書かれており、そんなことも起こるのかと以外な事例もあり、とても興味深い内容になっています。
項目として、漏水、浸水、結露、風、臭い、騒音、機能、快適性、省エネルギーなどに関する事例が数多く紹介されているので、施工前の準備段階で施工検討会を行う際に、
参考にされてみてはいかがですか。