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建設業、サブコンの失敗を現場に活かす方法

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失敗を活かすとは?

今回のテーマは「失敗を活かす」です。
失敗を活かす方法として、「失敗学」の本の著者・畑村洋太郎氏によると、「失敗に学び、同じ失敗を繰り返さないこと、そして失敗に学び、それを創造につなげること」と説明します。

東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会(政府事故調)委員長でもあった畑村氏は、福島第一原発を事例としてあげます。
これは、アメリカのGE社による設計でしたが、津波によりレベル7の事故を引き起こしました。アメリカは歴史的に竜巻被害が多く、そのためGE社は非常用電源を地下に設置する設計を採用したのです。

しかし、日本側はその理由を十分に理解せずに、この設計をそのまま模倣したことが事故の一因となったのです。

これは、日本の組織では、他国のやり方をそのまま当てはめることが多く、その結果として失敗が生じることがあります。特に、日本では仮想演習(前提となっている条件が変わった場合に何が起こるか、先に考えておくこと)が不足しており、どのような外乱を想定すべきかについての考慮が足りなかった可能性があります。これは、ある地域や時代の人々にとっては自明である知識が明文化されず(福島原発の事例であれば、津波)、伝えられなかったことが原因です。

さらに、日本の組織文化には、失敗を隠そうとする傾向があります。これは、失敗を認めることで上層部の立場が危うくなることを恐れてのことです。多くの組織が減点主義を採用しており、失敗の責任を厳しく問うことで再発防止を図ろうとしますが、実際には隠蔽や偽装を生むだけで効果的ではありません。

一方で、失敗を学ぶことが重要であり、失敗を隠すことよりも経営者の度量や器の大きさが関係しています。経営者は「私は間違えない」「ミスをしない」ということはありえないことを認識し、失敗への寛容度を持つべきです。

また、組織の上層部には失敗の情報がなかなか上がってこないという現実もあります。情報は階層を上がるごとに希薄化し、最下層の情報が上層部に達する時点ではほとんど何も残っていないことが多いのです。失敗はどこかで日々起こっていますが、それを報告することで褒められることはなく、むしろリスクを増やすだけだという心理が働きます。

このような背景から、日本の組織は失敗に対して不寛容であり、新しいことに挑戦しない傾向があります。新しいことに挑戦してもプラス評価されず、失敗するとマイナス評価となるため、多くの人が挑戦を避けます。経営者は、この現状を理解し、挑戦の結果としての失敗を適切に評価し、失敗から学ぶ文化を醸成することが求められるのです。

最終的に、組織の文化や経営者の姿勢が失敗への対応を決定します。失敗を隠すことなく、正直に報告し、学びの機会とすることが、組織の成長と発展に繋がることとなるのです。

<引用>ダイヤモンドオンライン:「失敗学2.0失敗こそ価値創造の源泉」(2022.10.24)

https://diamond.jp/articles/-/310667

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建設業、サブコンの現場で失敗を活かす方法

今回「失敗」を具体的に建築設備業における「設備事故、トラブル、クレーム」に置き換えて考えてみたいと思います。設備事故が起きてしまうと、お客様に多大な迷惑をかけ信用をその場で失ってしまい、その後の工事を受注できなくなることも考えられます。
このことから建設業、特に建築設備業において現場の失敗を活かせるかどうかは、会社の存続に関わる重要な要素です。

先述した失敗学の考え方は「失敗から学び、同じ失敗を繰り返さないこと、そして失敗を創造につなげること」です。この考え方を建設現場で社員に浸透させるためには、以下のポイントが重要です。

実例を通じた教育

建築設備における「設備事故、トラブル、クレーム」は多種多様な種類、事象があります。漏水、配管のつまり、振動、騒音、異音、異臭、冷えない、暖まらない、風が出ない、吸わない、メンテナンスできない、などなど様々です。
この道何十年のベテラン社員でも、自分ひとりが経験できる失敗例はごく限られています。ましてや経験の浅い若い社員は、どういうトラブルが起きるのかが、予想もつかないことと思います。
それらの失敗例を会社として蓄積し、データ化した資料をもとにして、若手社員に定期的に勉強会を開いて周知させることが必要です。
ポイントは、失敗例の事象を提示し、このトラブルやクレームが起きた原因を自分たちで考えさせること、またその原因に対しての事故防止対策も考えるようにすると、現場での施工管理業務においての危機管理能力が養われます。

失敗を次に活かす文化の風土つくり

失敗するとなるべく隠そうとするのが人間の心理です。ですが、社員教育の一環として「失敗は過去だから仕方がない、失敗の原因を分析して次は同じ失敗をしないように努力しよう」という、失敗した本人を責めるのではなく、次に活かす前向きな会社としての風土つくりが必要です。
失敗することは次に活かす好機と捉え、ネガティブにならず進んで会社に報告し、後輩のためになるように資料として残そう、という気持ちが持てるように指導することが会社として求められます。

フィードバックと改善の仕組み

失敗から学ぶためには、適切なフィードバックが必要です。例えば、工事部会において、今月の失敗事例を部員に順番に発表してもらい、全員でその事象についてディスカッションし、考えてもらうことでタイムリーに自分の現場に反映する、といったこともできるといいと思います。これは工事部員同士での共有と連帯感によって組織が活性化するという副次的な効果も期待できます。

経営者の姿勢とリーダーシップ

経営者やリーダーは、自らも失敗から学び続ける姿勢を示すことが重要です。失敗を隠さず、透明性を持って報告し、組織全体で共有することで、信頼と協力の文化を築きます。リーダーが失敗を受け入れ、それを成長の機会と捉える姿勢を示すことで、社員も安心して挑戦し、学ぶことができます。

以上の方法を通じて、建設現場で失敗を活かし、社員が失敗から学び成長する文化を醸成することができます。失敗を恐れず、挑戦し続けることで、組織全体の成長と発展につながるのです。

まとめ

建設業、サブコンの社員が、失敗を恐れることには、いくつかの弊害があります。まず、リスクを避けるあまり、新しい技術や方法を試すことを躊躇しがちです。これにより、会社全体のイノベーションが遅れ、競争力が低下する可能性があります。また、失敗を恐れることで自己成長の機会を逃し、経験を積むことが難しくなります。さらに、失敗を隠すことは、問題が表面化しないまま放置されることにもつながります。結果として、現場の質や効率が低下し、顧客満足度にも悪影響を与えることになります。失敗を恐れずに新しい試みに挑戦することが、長期的な会社存続には必要なのです。

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宮本 一英
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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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