お役立ちコラム

現場のやらされ仕事を、自分ごとに変えるジョブ・クラフティングとは?

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ディズニー清掃員に学ぶ仕事の再定義

今回は「ジョブ・クラフティング」がテーマです。
ジョブ・クラフティングとは、従業員一人ひとりが仕事に対する認知や行動を自ら主体的に修正していくことで、退屈な作業や“やらされ感”のある仕事を“やりがいのあるもの”へと変容させる手法のことです。

仕事に対して「やらされている」と感じたり、退屈だと感じたりする人は少なくありません。こうした感情は仕事のやりがいや生産性の低下につながります。そこで注目されているのが「ジョブ・クラフティング」という考え方です。これは、社員が自らの裁量で、仕事の内容や人との関わり方、役割の捉え方を主体的に見直し、自分にとって意味ある仕事へと変えていくのです。

例えば、東京ディズニーリゾートの清掃スタッフです。彼らは清掃だけでなく、ゲストに声をかけたり、ほうきでミッキーの絵を描いたりと、自らの役割を「ゲストを楽しませる一員」と捉え直し、主体的に仕事を広げています。

ジョブ・クラフティングには「タスク(仕事の内容)」「人間関係」「認知(役割意識)」の3つの側面があり、特に認知の見直しが他の2つに良い影響を与えるとされています。また、働き方改革やメンタルヘルス対策、高齢化社会への対応としても有効で、ミドル世代以降が自身の強みを活かして活躍し続けるための基盤にもなります。

実践にあたってのポイントは3つあります。まず1つ目は、自分の役割を柔軟に再定義することです。従来の慣習や引き継ぎに縛られず、自分の部署やポジションの意義を問い直し、自分の関心や強みを活かせる領域を見出します。

2つ目は、日々の小さな行動から始めること。たとえば、普段関わらない人に声をかけてみたり、仕事の目的を意識してみるなど、小さな試みを積み重ねていくことで、徐々に仕事の幅や意義が広がっていきます。

3つ目は、長期的な視点を持つことです。目の前の業務に追われる中でも、10年後や20年後の自分や部署を想像し、今のうちにどんな仕事に挑戦できるかを考えることで、より主体的な行動が促されます。

実際の事例として、ある企業で会議室の予約業務を担当していたAさんは、特に人気の部屋に予約が集中し、希望を断らざるを得ない状況に悩んでいました。そんな中、会議室のリニューアルプロジェクトが立ち上がり、Aさんは自ら手を挙げてメンバーに参加しました。これまでの業務経験を活かし、利用者に好まれる部屋の特徴を反映させた結果、予約の偏りが解消され、会議室の利用効率が向上しました。Aさん自身も、予約調整の負担が減り、業務に対するやりがいを感じられるようになりました。

ジョブ・クラフティングには、「社員が勝手に仕事を変えてしまうのでは」と懸念する声もあります。しかし、それを防ぐには、本人と組織の間で「なぜその仕事を変えるのか」という目的を共有することが重要です。特に、タスクだけでなく人間関係も一緒に変えていくことが、組織との連携を保ちながら仕事を充実させる鍵となります。

ジョブ・クラフティングは、個人のやりがいや主体性を引き出すと同時に、組織の活性化にもつながる有効な手法です。日々の小さな行動と柔軟な視点から、自分の仕事を自ら創り変える一歩を踏み出すことになるのです。

<参考文献>
PRESIDENT Online:「”つまらない仕事”を変える自律的な働き方」

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若手の目的意識が建設現場を変える

建設現場において、若手社員がジョブ・クラフティングを実践する一例として、「写真管理業務」を考えてみます。

例えば、ある若手社員は、最初は「上司に言われたから撮影する」「記録のためだけの作業」として現場写真の整理をしていました。しかし、ただの記録ではなく、「現場の進捗や品質を“見える化”することで、職人さんや関係者全員が安心して作業できるようにする」という目的意識を持つと仕事内容が変わります。

この意識が、彼は写真の撮り方を工夫し、見やすさや伝わりやすさを意識した撮影アングルや説明文を添えるようになるのです。また、自発的に「写真共有マニュアル」を作成し、協力会社にも展開。さらに、SNSや社内報などを通じて「現場の見える化」を推進する取り組みに発展させることになるのです。

これは、「タスクの工夫(撮影や整理の質を高める)」「人間関係の変化(他部署や協力会社との連携)」「認知の変化(自分の役割を“情報発信者”と捉える)」の3つを組み合わせた、ジョブ・クラフティングの成功例です。

こうした動きは周囲にも良い影響を与え、他の若手も「工程表を現場でわかりやすく掲示する方法」など、自発的な改善提案へとつながるのです。

建設現場では、若手社員が経験不足ゆえに受け身になりやすい面がありますが、だからこそジョブ・クラフティングによって「小さな主体性の芽」を育てることが重要です。役割を見直し、自分なりの意義を見出すことで、日々の作業がやりがいのある仕事へと変わっていくのです。

このように、ジョブ・クラフティングは若手社員が「やらされ感」から脱却し、仕事を自らの成長の場として捉え直すための有効なアプローチとなります。建設業界でも、柔軟な視点と対話を通じて、若手の主体性を引き出す環境づくりが求められているのです。

まとめ

建設現場におけるジョブ・クラフティングの活用は、若手社員だけに留まりません。
例えば、施工管理者を「工程の管理者」から「現場全体の価値を高める進行役」へと再定義するような活用です。

職人同士の連携を促す朝礼の工夫や、資材搬入の効率化提案などを行うことで、業務を能動的に広げていきます。人間関係では、ベテラン職人を「共に現場をつくるパートナー」と捉え、ノウハウを共有することで知見の循環を生み出します。

ベテラン社員の活用では、若手育成に使命感を持たせ、段取りやリスク管理を伝える場を設けることも、価値あるジョブ・クラフティングの一例です。日々の小さな工夫と現場のすり合わせが、働きがいを高める鍵となるのです。

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宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役

首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を提供しております。大学卒業後、35年間中堅サブコンにおいて現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「売上・利益の向上」を支援しています。

【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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