建設現場の交渉力を個人任せにせず、会社全体でアップさせる研修(後編)
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現場の悩みを掘り起こし、やらされ感のないロールプレイを設計する
今回のテーマは「現場監督の交渉力アップのためのロールプレイングのやり方」の後編です。
まず受講生である現場監督から事前にアンケートや面談を行い、現場でのコミュニケーションの悩みを聞き取ります。その悩みの深刻度や共通の部分を抽出して、ロールプレイの設定を行いました。これによりロールプレイがやらされる研修ではなくて、自分たちの研修であると認識いただけたようです。そのため、ロールプレイングの設定が重要になります。
設定では、現場監督が現場で直面しやすいコミュニケーションや安全管理の課題について、ロールプレイング形式で失敗例をまずは見せた後、受講生に問題点をピックアップしてもらった後、成功例を見せ、その対比をしました。
共通して強調したのは、工事監督が単なる伝達役ではなく、「整理役・確認役」として主体的に関わる重要性です。
顧客対応の設定では、突発的な工事依頼や口頭指示による認識違いが事故やトラブルにつながることが示されています。
成功例では、時間がない状況でも一度立ち止まり、要望の整理、危険条件の言語化、対応範囲と中止条件の明確化、そして最低限の記録を残すことで、安全と合意形成を両立しています。また、分からない点を正直に伝え、図やメモで可視化することが、認識違い防止に有効であることが示されています。
作業員対応の設定では、経験の浅い工事監督がベテラン作業員に対して安全指摘を行う難しさを強調しています。成功例では、年数や経験を否定するのではなく、具体的な状況や事実に基づいて危険を説明し、取るべき行動を明確に示すことで、相手の理解と行動変容を引き出しています。
新規協力会社への設定では、「ルールを伝えたつもり」になることの危険性が示されています。成功例では、最初に関係性の土台をつくり、現場で一つ一つ確認し、質問を通じて相手の理解度や力量を把握します。その上でズレをその場で調整し、作業中も継続的に声をかけることで、安全意識と信頼関係を高めています。
同じ協力会社との長期的な付き合いによる馴れ合いについての対応では、「いつも通り」が最大のリスクであるといえます。成功例では、小さな安全ルールまで漏れなく確認し、その理由を簡潔に説明し、遠慮せず具体的に指摘することで、緊張感のある信頼関係を維持し、安全レベルを引き上げています。
全体を通じて、状況整理の時間を確保すること、事実とリスクを具体的に言語化すること、対応範囲やルールを明確に線引きすること、そして「見ている存在」として現場に関わり続けることが、事故防止と信頼構築の鍵であるといえます。
ロールプレイを現場で再現するために、現場監督は最初に立ち止まる習慣をつくる
このような研修の後、受講生の皆さんが現場において、ロールプレイで学んだことを再現していただくことが最も大切です。
そのためには、「現場で必ず踏む行動の型を決めておくこと」です。実践ポイントとして、まず意識してほしいのは、ロールプレイは話し方の練習ではなく、現場での“関わり方”を変える練習だったという点です。研修で共通して示した「整理役・確認役としての現場監督の立ち位置」を、現場に戻っても意識的に再現することが出発点になります。
現場で何かが起きたとき、すぐに判断や返答をするのではなく、一度立ち止まって状況を整理する時間を自分でつくる。これはロールプレイで何度も体験した行動です。「少し整理させてください」「今の条件を一度確認します」と口に出すだけで、現場の流れは変わります。この一言を言えたかどうかが、研修の再現度を測る最初のチェックポイントです。
次に、事実・リスク・条件を言葉にすることを省略しないことです。顧客対応、作業員対応、新規協力会対応のいずれのロールプレイでも共通していたのは、「分かっている前提」を置かない姿勢でした。
現場では
・何が起きているのか
・どこに危険やズレがあるのか
・どこまで対応でき、どこからは中止なのか
これらを短くてもいいので必ず言語化する。ロールプレイでやった「危険条件の言語化」「対応範囲の線引き」を、そのまま現場で再現してください。完璧な説明は不要です。言葉に出すこと自体が事故防止につながります。
作業員や協力会社への対応では、相手を動かそうとする前に、事実に立ち返ることが重要です。年齢や経験ではなく、具体的な状況と行動に焦点を当てることで、相手の納得を引き出すことが大切です。
現場でも「昔からこうやっている」「分かっているはず」という空気を感じたときほど、
「今、この状況で」「この作業をすると」「このリスクがある」という今・ここ・具体の説明に戻る。これがロールプレイで身につけた再現ポイントです。
新規協力会社や長年の協力会社に対しては、「確認を続ける姿勢」を継続することが再現の鍵になります。
一度伝えたから終わりではなく、
・理解できているかを質問で確かめる
・実際の作業を見て声をかける
・ズレがあればその場で調整する
研修で体験した「見ている存在として関わり続ける」行動を、現場でも意識的に続けることです。これが信頼関係を壊さず、安全レベルを引き上げる再現行動です。
最後に、ロールプレイを思い出す合言葉を持って現場に戻ってほしいと思います。
それは、「今、自分は伝達役か、整理役か」と自分に問いかけることです。
ロールプレイの成果が出た場面はすべて、現場監督が「整理役・確認役」として現場に関わっていました。この問いを現場で思い出せたとき、ロールプレイで学んだ行動は自然と再現されるのです。
ロールプレイの価値は、上手に話せるようになることではありません。現場で立ち止まり、整理し、確認し続ける行動が当たり前になることです。それができたとき、事故防止・品質向上・信頼構築は確実に現場で再現されていきます。
まとめ
建設会社の経営者の視点で考えると、このような研修は、現場監督一個人の話し方やセンスを鍛えるものではなく、事故・トラブルを未然に防ぎ、会社として再現できる「現場の行動様式」をつくる取り組みです。だからこそ、最初に現場の悩みを丁寧に拾い上げ、「やらされ研修」ではなく「自分たちの課題を解く研修」に設計している点が重要です。これは、人材育成をコストではなく投資に変えるための前提条件です。
そしてこれは、現場監督が、現場で立ち止まり、整理し、確認する行動を標準化し、事故とトラブルを会社として防ぐための仕組みづくりなのです。
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