建物を建設し、お客様に引き渡した後のトラブル発生というものは、起こるべくして起きているケースがほとんどです。特に空調、給排水衛生設備工事のトラブルは、暑い寒い、
熱いヌルい、うるさい、臭い、水漏れ、水が出ない、排水詰まりなどなど、人間の生活に直結しているため、問題の度合いもシビアです。
プロ野球の野村克也元監督の有名な言葉に「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とあるように、設備のトラブルもほとんどが未然に防ぐことができる内容のものであることが、この本を読みながら教訓として学べます。
「失敗から学ぶ設備工事 クレームゼロへの挑戦!」 株式会社テクノ菱和 編
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腐食
漏水事故の原因で多く見られるのが腐食によるものです。配管における施工基準はきっちり守り、水圧試験も問題なく行ったにもかかわらず、経年とともに管材の腐食による劣化で漏水するケースは工事屋泣かせです。
事例集では、温水ボイラ本体の給水による低温腐食や、圧力計取付用のSGP短管と貯湯槽(SUS)のタッピングとの異種金属同士の接続による電食、給湯循環ポンプの流量、揚程の過大により流速が速くなり管内が侵食されるなどのトラブルが紹介されています。
知識としては知っているという内容でも、このように実例として説明があると具体的に
イメージしやすいです。
騒音
音にまつわるトラブルは、静寂を求める部屋や空間ほど厄介で、よほど慎重に対応しなければなりません。事例集ではコンサートホール、劇場、高級マンションの部屋など、少しの音でもクレームが出る建物が上げられています。音の発生源は機械室の空調機や屋上の冷却水ポンプ、屋上ファンルームの排気ファンなどの機械からの音が躯体やダクトを伝わって発生しています。また床置きファンコイルの電動ボール弁の開閉によるウォーターハンマーが原因という事例もあります。騒音発生の本当の原因、つまり熱膨張による伝搬や
流体の脈動によるフレキの選定ミス、ウォーターハンマーが起こる原因などが解説されており、読者が経験してきたこと以外の新しい知識の習得も期待できます。
結露
結露については一般の家屋でも日常的に起こる現象です。建物用途が多岐にわたる建築設備においては、この書籍でも事例として多く取り上げています。工場内の外気取入れダクトが水蒸気の出る窯の上部にあり、保温していなかったため結露した事例、また同じく外気取入れダクトから雨水が入り、施してあった保温材に雨水が沁み込み、保温性能が低下していた例、また加湿器をダクト内に設置したところ加湿空気がダクト内で水滴になり漏水した例など、露点温度の考慮や外壁付近の雨水対策、加湿空気の均一化が対策として解説されています。
メンテナンス
竣工後のメンテナンスを考慮した計画及び施工は工事関係者にとって必須事項です。これを怠ると、必ずクレームとして顧客から呼び出しが起こり、手直しで思わぬ費用が発生するため注意が必要です。これについては一般的な事例ですが、天井内のVDであったりバルブなどの点検操作を要するものの付近に天井点検口が無かったり、操作するスペースが十分に確保されていないケースがあります。施工図や総合図段階で確認が必要です。
まとめ
このトラブル事例集はテクノ菱和の社内で編集されています。一社だけの事例ですが、40数年間の事例報告書から146の失敗事例が厳選され掲載されているので、同様の施工をする際はトラブルを未然に防ぐ対策の参考になるのではないでしょうか。
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