お役立ちコラム

建設業2024年問題、若手社員の意識調査からサブコンが取り組むべきこと

「建設業界で働く若手社員の意識調査」という興味深い資料を見つけたので、今回はこちら
をテーマに考えてみました。

建設業界に特化した人材サービスのウィルオブ・コンストラクション(東京都新宿区)が2023年6月に発表した調査結果です。この調査は、20代から30代で建設業界に3年以内に就業した若手社員141人を対象に行われました。

調査結果によると、建設業界への就業理由としては、「手に職をつけたい」という回答が男性で37.0%、女性で39.0%と最も多く、次いで「やりがいや達成感を感じられそう」という理由が挙げられました。

また、建設業で働いて良かったと感じる点は、男女ともに「手に職を付けられること」が最も多く、女性は「仕事のスケールが大きい」ことや「職場環境の整備」も評価しています。

しかし、業界での課題としては、研修の時間や内容の充実を求める声が多く、特に男性では約半数がこの点を指摘しています。さらに、業界の若手社員は「手に職をつけるまでに時間がかかる」「労働時間が長い」「仕事量が多い」「給与が低い」「研修制度が整っていない」といった点を後悔していることが明らかになりました。特に女性は「自分の将来のキャリアイメージができない」という問題を感じており、これが男性よりも高い割合であることが指摘されています。

また、給与や賞与の改善、休日の増加など条件面での改善を求める声が目立ち、特に男性の72.2%、女性の60.8%が給与や賞与の増加を望んでいます。

<引用>ウィルオブ・コンストラクション(NEWS RELEASE)
建設業界で働く若手社員の意識調査(2022/6/23)

https://willof-construction.co.jp/wp-content/uploads/2023/06/20230623.pdf

この調査をみて、「手に職を付けられる」、「やりがいや達成感を感じられる」、「仕事のスケールが大きい」といった若手社員が希望を持って建設業で仕事をしていることは大変うれしく感じました。

一方で「労働時間が長い」「仕事量が多い」「給与が低い」「研修制度が整っていない」といった点は長年の建設業の課題であり、若手社員にもそこはしっかり認識されているようです。

現在2024年問題を受けて、これまでになくマスコミでも建設業が注目され話題となっています。これは建設業、サブコンとしては絶好のチャンスと考えています。

それはこの状況を周りも理解していますので、施工主には値上げを要求しやすく、過密スケジュールは断りやすい環境です。この機会に社員の給与、労働時間を見直し、研修制度について整えてみてはいかがでしょうか?

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「建設業界2024年問題」とは?

「建設業界2024年問題」とは、2024年4月までに「働き方改革関連法」を完全に導入しなければならない課題を指します。この法律は大企業や中小企業に段階的に導入され、特に建設業界には5年の猶予がありました。主要なポイントとして、時間外労働に上限が設定(月45時間、年360時間が基本、特例で年720時間まで)され、中小企業でも60時間超の時間外労働には割増賃金率が25%から50%に引き上げられます。違反時には罰則があり、建設業界にとって労働環境改善は切迫した課題となっています。これはサブコンにおいても重要なターニングポイントと位置づけられます。

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若手社員の活動を支える環境が会社の未来を創る

他業界との人材獲得競争が激化する中、若手が建設業、サブコンに何を求めているかを理解することが人材定着の鍵と考えます。労働時間や給与の問題に対する若者の不安と、手に職をつける価値や大規模な仕事へのやりがいを感じる若者がいます。このため、労働条件や研修内容の改善は若者を引きつけ、仕事へのモチベーションをより高めることになります。
研修に関しては。新入時だけでなく、継続的な教育を提供し、若手の活躍を支える環境を整えることが重要です。

若手社員が活き活きと成長しながら仕事できる環境が会社を持続可能な発展を支えることになります。

まとめ

「建設業2024年問題」は若手社員の労働環境、教育環境を見直す絶好の機会です。これまでの従来の当たり前と考えていた長時間労働を見直し、それを改善するための研修制度を整備するのです。そして仕事の進め方や考え方を社内や社外の知恵を集めて、再構築してみることが大切かと考えます。

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宮本 一英
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【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

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