目次
人材育成には、多くの時間と費用がかかります。
しかし、それをやり続けることが、それ以上の価値を生み出す3つの理由を今回説明します。
現場の生産性の向上
建設現場の生産性向上のためには、技術的スキルの向上、効率的な作業、ミスの減少、モチベーションの向上が必要です。これらの目標を達成するためには、以下のような方法を取り入れることが有効です。
1)技術的スキルの向上
定期的なトレーニングと研修
最新の建築設備の技術、施工管理の方法、安全基準についての研修を定期的に実施します。オンラインや対面の形式を使い分けて、従業員のスキルレベルに合わせたプログラムを提供することが重要です。
メンター制度プログラム
メンター制度とは、所属する上司とは別に、年齢の近い年上の先輩社員が新入社員や若手社員をサポートすることです。実践的な知識の伝達により、技術力の底上げを図ります。
2)効率的な作業
計画とスケジューリングの最適化
プロジェクトの計画とスケジュールを細かく管理し、各作業の効率を最大化します。必要な資材、機器、人員が正確なタイミングで利用可能であるように調整します。
デジタルツールの活用
プロジェクト管理ツールや建設管理ソフトウェアを使用して、作業の進捗状況をリアルタイムで追跡し、コミュニケーションを改善します。
3)ミスの減少
品質管理プロセスの強化
定期的な品質チェックと検査を行い、潜在的な問題を早期に特定します。ミスを減らすためのフィードバックと改善策をタイムリーに提供します。
リスク管理
リスクアセスメント(作業者などの安全を確保し、危害を可能な限り低減するための安全確認方法)を行い、事故やミスの可能性が高い作業に対しては、追加の安全対策やトレーニングを実施します。
4)モチベーションの向上
報酬と認識
優れた技術や成果を上げた従業員には、報酬や表彰を通じて認識を示します。目標達成に向けたインセンティブ制度を設けることで、モチベーションを高めることができます。
キャリアパスの提供
従業員が長期的なキャリア目標に向かって成長できるように、教育と昇進の機会を提供します。個々の興味や強みに合わせたキャリアパス(キャリアアップのための道)を開発することで、従業員のモチベーションを維持します。
例えば、技能やスキル(施工図が作図できる、工程表が作成できる、材料が発注できる、職人の手配ができる、KYミーティングの司会進行ができる、建築との打合せ調整ができる etc.)
の星取り一覧表を作成し、できたものから★印を貼って社内で共有するなどは、アイデアとして取り入れてみる価値はあります。
これらの方法を組み合わせることで、サブコンの作業現場の生産性を大幅に向上させることができます。それぞれの施策は互いに連携し合い、全体の効果を高めるためには、定期的な評価と調整が不可欠です。
プロジェクトチームの強化
プロジェクトチームを強化するためには、チーム内の協力とコミュニケーション、リーダーシップスキルの向上、そしてチームメンバー間の相互理解を深めることが重要です。以下、これらの要素を取り入れた強化方法について説明します。
1)協力とコミュニケーション
定期的なミーティングの実施
工事の進捗、問題点、成功事例などを共有し、全員がプロジェクトの現状を把握できるようにします。これにより、一体感が生まれ、横のつながりが強化されます。
コミュニケーションツールの活用
LINE、 SlackやMicrosoft Teamsなどのコミュニケーションツールを活用し、随時情報共有を行います。緊急の連絡だけでなく、日々の小さな成功も共有することで、チームの結束力を高めます。
他部門を交えたチームの形成
複数の部門や職位から、多様な経験・スキルを持つメンバーを集めたチームを作り、プロジェクトの特定の課題に取り組ませます。これにより、様々な視点からのアプローチが可能となり、全体の連携が促進されます。
例えば、施工着手前の施工検討会がそれに該当します。単に技術的、設計的な観点の協議の他に
他部門の視点から、もっと深く突っ込んだ切り口の質問や提案が多く発信できるチーム作りが必要です。
2)リーダーシップスキルの向上
メンター制度プログラム
メンター制度とは、所属する上司とは別に、年齢の近い年上の先輩社員が新入社員や若手社員をサポートすることです。先輩と知識や経験を共有することで、若手社員のリーダーシップスキルを高め、自信の向上が図られます。
メンターに対する職位名を社内で正式に設け、皆で共有することで、その人の意識改革や部下のその人に対する見方も変わってきます。(例えば、指導員、チーフなど)
リーダーシップ研修の実施
専門の研修機関と提携し、リーダーシップに関する研修を定期的に行います。研修を通じて、リーダーとしての思考法や行動パターンを学び、実践する機会を提供します。
3)チームメンバーの相互理解
チームビルディング活動
ワークショップ(工事部内で課題に対するディスカッションを実施)や各々の現場間での見学や品質、安全のチェックなど、職場としての現場以外のチームメンバーが交流できる機会を設けます。日常以外の環境での交流を通じて、メンバー同士の理解と信頼を深めます。
個別面談の実施
上司や部長、工事課長が定期的にメンバーと1対1で面談を行います。これにより、上司と部下、またはベテランと若手間の相互理解が深まります。これは、会社で決められた昇進、昇給の面談とは目的を分けて、真の意味での個々人の考えていること、仕事に対する姿勢、悩み、課題感を上司は部下から引き出します。
このとき、上司も自身の壁を破り、自己開示することが大切です。
相互フィードバックの促進
定期的にメンバー間でフィードバックを交換する機会を設けます。互いの強みや改善点を理解し合うことで、チームとしての成長を促します。
これらの取り組みを通じて、現場チームの強化と効率的なプロジェクト運営を実現できます。
長期的な成果と競争力
建築設備業界の現状は、技術の進化、顧客ニーズの変化で大きく変貌しています。このような環境下で長期的な成果と競争力を確保するためには、以下の三つの重要な戦略が不可欠です。
1)人材を継続的に成長させる
キャリアの習得マップの導入
社員が自分のキャリアパス(キャリアアップのための道)を明確に理解し、それに向かって努力できるようにするためには、階層ごとにキャリアの習得マップを導入することが重要です。これにより、社員は自分の現在位置を把握し、次のステップに向けた具体的な目標を持つことができます。前述のスキルの星取り一覧表に加え、資格取得後の現場の規模に応じた現場代理人の配置
基準を明確にするなど、会社でキャリアアップの指針を設定することが、社員の成長を促すことにつながります。
継続的な教育とトレーニング
技術や業界動向の変化に対応するために、継続的な教育とトレーニングを提供することが重要です。研修や業界見学会などの参加を奨励し、知識の更新とスキルアップを促進します。
2)顧客から満足度と信頼性を獲得する
顧客ニーズの深い理解
顧客の期待を超えるサービスを提供するには、まず彼らのニーズを深く理解することが必要です。定期的なミーティング、アンケート、フィードバックを通じて、顧客の声を聞き、それに基づいたサービス改善を行います。
品質管理の強化
高品質なサービスの提供を維持するためには、厳格な品質管理プロセスを設け、継続的にその効果を監視することが必要です。これにより、顧客の信頼を獲得し、長期的な関係を築くことができます。
3)新しいアイデアの創出
アイデア創出の文化の醸成
若手社員も含め、全社員が自由にアイデアを出し合える文化を醸成することが重要です。アイデアボックスの設置や定期的なブレインストーミング会議を開催し、創造的な提案が評価される環境を作ります。
現場からの学び
建設現場は、実際に作業が行われる場であり、多くの新しいアイデアや改善点が見つかる場所です。現場の社員がその経験を共有し、学びを組織全体で共有することが、現場の常識を変革する源泉となります。
まとめ
このようにサブコンの現場の生産性向上とプロジェクトチームの強化には、技術スキルの向上、効率的な作業方法の導入、ミスの減少、そしてモチベーションの向上が必要です。
これを実現するためには、定期的な研修やトレーニング、品質管理の強化、チームビルディング、キャリアパスの提供など多岐にわたる取り組みが効果的であり、これらは多くの時間と費用がかかります。
しかし、これらの投資は、生産性の向上、効率化、品質の高いサービス提供を通じて、最終的にはそれ以上の時間短縮とお金を生み出すことにつながります。
人材育成に注力することで、会社は長期的な成果と競争力を確保し、持続可能な成長を実現することが可能となります。
「建築設備」「施工管理」の人材育成でお悩みのあなたへ
シエンワークスでは、解決のサポートをいたします。
まずは、資料請求をしてみてください。
建築設備現場で働く
社員に笑顔を
社員がメキメキと成長し、的確に判断して主体的に動けるようになり、残業や遅延なく業務を遂行できる。
現場も社内もやる気と活気に満ちて、楽しくイキイキと働きながら、無理なく売上・利益が増えていく。
そのような会社を目指されている、サブコン社長・経営幹部の方は他にいらっしゃいませんか?
株式会社シエンワークスでは、
『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を通じて、人材の育成・成長、離職率の低減、売上・利益の向上を支援しています。(人材開発支援助成金が活用できます。)
首都圏・関東周辺のサブコン様を対象に、出張&初回無料相談を承っております。
以下より、お電話またはメールにてお気軽にご連絡ください。