お役立ちコラム

医療現場の事故ゼロの取り組みを建設現場に(中編)

» 優秀な人材が育つ!定着する!売上が増える!『サブコン専門 人材育成支援サービス』とは? «

再発を防ぐカギは、“なぜ”を繰り返し掘り下げること

今回は3回シリーズ「医療現場の事故ゼロの取り組みを建設現場に」の2回目の事例です。
医療現場の事故ゼロの取り組みとして、「ルートコーズアナリシス(RCA)」という原因分析の手法を建設現場に応用した形で考えてみました。

首都圏・関東周辺のサブコン社長・経営幹部の方へ|優秀な人材が育って定着し、売上・利益が増えるサブコン経営のヒント 「人材さえいればもっと売上・利益を伸ばせるのに… 優秀な人材を十分多く確保してもっと売上・利益を伸ばしたい…」 とお考えの首都圏...

原因分析手法 ルートコーズアナリシス(RCA)/5Whys

医療では、手術ミスや投薬ミスなどの事故が起きたとき、「誰が悪いか」ではなく「なぜ起きたか」を掘り下げて分析します。チームで「なぜ?」を五回ほど繰り返し、真の原因を見つけ出します。

たとえば、誤った薬を投与した原因を調べると、「ラベルが似ていた」「棚の配置が不明確」「発注時の指示書に誤りがあった」といった複数の要因が見えてきます。結果として、個人を責めるのではなく、棚の構造や手順書そのものを直す改善につながります。

建設現場でも、墜落や重機の接触などの事故の際に「作業員の不注意」で終わらせることがあります。しかし、それでは同じ事故が繰り返されます。医療のRCAのように、「なぜ」を繰り返して掘り下げることで、真の原因を見つけることができます。

たとえば、足場からの墜落であれば、「安全帯を使っていなかった」→「取り付け箇所がなかった」→「被災者が未経験で協力会社の送り出し教育に問題があった」→「たまたまブレスが外されていた」というように、原因が構造的な課題であることが分かります。このように、RCAや5Whysの考え方を取り入れると、事故を一人の責任にせず、仕組み全体を安全にする文化が育ちます。

失敗を隠さない建設現場へ──原因分析が育てる“学び続けるチーム

建設現場で「ルートコーズアナリシス(RCA)」や「5Whys(なぜを5回繰り返す分析)」を身につけるには、まず「誰が悪いか」ではなく「なぜ起きたのか」を考える姿勢を持つことが大切です。

医療の現場では、ミスが起きても人を責めず、原因を掘り下げて、もう同じことが起きないように仕組みを改善しています。建設でも、墜落や重機の接触などの事故を「作業員の不注意」で終わらせず、その背景にある問題を探ることが必要です。

最初のステップは、座学で考え方を学ぶことです。RCAや5Whysとは何か、どんな目的で使うのか、医療でどう活用されているのかを知ります。特に、「再発防止のための分析」であり、「責任を追及するための調査ではない」という考え方をみんなで理解することが大切です。

次に、実際に現場で起きたトラブルやヒヤリハットを使って、チームで練習します。たとえば「足場からの転落」があった場合、「なぜ転落したのか?」を5回ほど繰り返して考えます。「安全帯を使っていなかった」「取り付ける場所がなかった」「送り出し教育が行われなかった」「他業者の作業内容」など、原因をたどると“人の問題”ではなく“仕組みの問題”が見えてきます。こうして「なぜ」を掘り下げる練習を通して、チーム全体で問題を冷静に話し合う力がつきます。

この方法を身につけるには、日常の安全活動の中で繰り返し実践することも大切です。たとえば、安全ミーティングで「今週のヒヤリハット」を1件選び、チームで5Whysを行います。結果を安全掲示板に貼り出し、他の作業班にも共有することで、学びが広がります。

こうした取り組みを続けると、「5Whysで考えること」が自然な習慣になっていきます。
また、重大な事故が起きたときには「RCAレポート」を作り、原因と改善策をまとめて全員で共有します。報告には「直接の原因」「間接的な原因」「根本の原因」と「再発防止のための対策」を整理して書きます。現場所長や安全責任者がそれを確認し、他の現場にも生かせるようにします。優れた分析や改善事例を会社全体で表彰するようにすれば、現場全体に前向きな雰囲気が生まれます。

このような取り組みを続けていくと、現場の文化が変わっていきます。人の失敗を責めるのではなく、「なぜ起きたか」を一緒に考えて学びに変える文化が育ちます。結果として、事故が減るだけでなく、チーム全体の安全意識が高まり、信頼関係も強くなります。RCAや5Whysは、現場をより安全で学びのある職場に変えていくための「考える力のトレーニング」と言えるのです。

まとめ

経営の視点から考えれば、RCA/5Whysを導入する目的は、事故を「誰のせいか」ではなく「なぜ起きたのか」で捉える文化をつくることです。

まず、社長自身が「人ではなく仕組みを変える」という方針を明確に示し、社員が安心して原因を話し合える環境を整えます。そのうえで、全社研修で医療現場の事例を学び、実際のヒヤリハットを題材にチームで分析を行い、考え方を体得させます。

現場では毎週の安全ミーティングで5Whysを実践し、分析結果を共有して全社的な学びにつなげます。優れた事例は経営層が表彰し、前向きな安全文化を育てます。

最終的には、失敗を隠すのではなく、失敗から学ぶ組織へと変えることが目的です。RCAは単なる分析手法ではなく、会社が主導する「安全と信頼の文化改革」のための仕組みなのです。

弊社、シエンワークスでは、建設業に合った「人材育成プログラム」を提供しています。詳しい内容をお知りになりたいという方は、下部の「お問い合わせはこちら」からご連絡ください。無料相談を実施しております。

「建築設備」「施工管理」の人材育成でお悩みのあなたへ
シエンワークスでは、解決のサポートをいたします。
まずは、資料請求をしてみてください。

無料資料請求はこちらから

「残業が多い」「現場や育成担当の負担が大きい」「社員が辞めてしまう」人材不足でお悩みの首都圏・関東周辺のサブコン社長・経営幹部の方へ 優秀な人材が育つ! 社員がイキイキとして定着する! 売上・利益が増える! 「サブコン専門 人材育成支援サービス」 研修・現場支援・コーチング

建築設備現場で働く
社員に笑顔を

社員がメキメキと成長し、的確に判断して主体的に動けるようになり、残業や遅延なく業務を遂行できる。

現場も社内もやる気と活気に満ちて、楽しくイキイキと働きながら、無理なく売上・利益が増えていく。

そのような会社を目指されている、サブコン社長・経営幹部の方は他にいらっしゃいませんか?

株式会社シエンワークスでは、
『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を通じて、人材の育成・成長、離職率の低減、売上・利益の向上を支援しています。人材開発支援助成金が活用できます。)

首都圏・関東周辺のサブコン様を対象に、出張&初回無料相談を承っております。

以下より、お電話またはメールにてお気軽にご連絡ください。

サブコン専門 人材育成支援サービスに関するお問い合わせ

お問い合わせ、お申し込み、初回無料相談はこちら

042-398-0203

メールでのお問い合わせはこちらから

お問い合わせはこちら
ABOUT ME
宮本 一英
株式会社シエンワークス 代表取締役

首都圏・関東周辺を対象に『サブコン専門 人材育成支援サービス』(研修・現場教育支援・コーチング)を提供しております。大学卒業後、35年間中堅サブコンにおいて現場管理一筋で培った経験を活かし、サブコン様における「人材の育成・成長」「離職率の低減」「売上・利益の向上」を支援しています。

【資格】建築設備士/1級管工事施工管理技士/消防設備士(甲種1類)/空衛学会設備士(空調・衛生)/給水装置工事主任技術者/コーチング資格(GCS認定コーチ)

関連する記事
お役立ちコラム

質の高い新人教育が、会社の未来を支える

2025年4月17日
建築設備・施工管理(サブコン)の人材育成ならシエンワークス
将来につながる新人研修の例 今日のテーマは、「新人教育の重要性」です。 Jリーグの元チェアマンである村井満さんは、異色の経歴を持つ人物です。もともとはリクルートで人材関連の仕事 …
お役立ちコラム

現場での1on1ミーティングのやり方が分からず困っている現場代理人の方へ

2022年8月27日
建築設備・施工管理(サブコン)の人材育成ならシエンワークス
昨今、1on1ミーティングの重要性が取り上げられ、さまざまな業種の企業で取り組みが進み、それが実際に継続して実行されているという話を耳にしま …